糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ラーメンが健康に良いかどうかという話の続き

前回、ピックアップした記事の中に、

よく、この食品は「健康に良いですか?悪いですか?」と、聞かれることがあります。
私は研究者ではないので、食品の安全性は科学的根拠に基づいて国が定めた基準がクリアされているものについては、それを信じるしかありません。
ただ、どんな食品もそれだけを食べ続けて健康になれる食品はないと思っています。
何をどれだけ食べれば、より健康に近づくことができるのかを栄養素単位から食品に置き換え、人にお伝えするのが私の仕事です。

 

www.karadakarute.jp

 

というものがありました。
 
全面的には同意しませんが、キーワードとして、
「どんな食品もそれだけを食べ続けて健康になれる食品はない」
という部分には理解が出来ます。
例え健康になれるとしても、それだけを食べ続ければ、数日のうちに飽きてしまい、精神的に満たされない日がすぐにやってくるからです。
 
ちなみに、私は「サバの塩焼き」が大好きです。
毎日でも食べたいです。
ですが、「毎食」は食べ続けたくないです。
5食に1回くらいのペースであれば、テンション高く食事をする事が出来ると考えています。
それくらい好きです。

さて、話しに戻ります。
皆さんは、ラーメンを食べる時は、どのような状況をイメージするでしょうか?
自宅で食べるでしょうか?
ラーメン専門店で食べるでしょうか?
中華料理屋で食べるでしょうか?
高速サービスエリアのような所で食べるでしょうか?
 
次に、どのように食べるでしょうか?
ラーメン単品でしょうか?
量は普通量でしょうか?
大盛でしょうか?
替え玉をされるでしょうか?
セットで食べるなら、ご飯はついているでしょうか?
ギョーザや唐揚げと一緒でしょうか?
チャーハンセットというのもあります。
 
「普通(ノーマル)のラーメン一杯だけで満足できるか、出来ないか?」
ここで、大きく分かれていくと考えます。
 
前回までの投稿で、ラーメン1食自体のカロリーは、そこまで他の定食やどんぶりと違いはない事を紹介してきました。
 
あくまでも、「ラーメン1食あたりとの比較」です。
 
これにトッピングがつくと、身体に大きな変化を与えやすくなっていきます。
例えば「ギョーザ」。
6個くらいがセットで頼む人も多いと思います。
だいたい1個あたり糖質量6gなので、これだけで36gとなります。
白飯茶わん1杯(150g)程度の糖質量は55.2g
御飯の半分以上の糖質を、ラーメンに追加する事になります。
続いて、白飯は上記しましたが、注文したら、ラーメンの糖質に55.2gの糖質が追加。
さらに白飯大盛となると、ラーメンと同等レベルの糖質量となっていきます。

味噌ラーメン:(糖質量)101.3g
つけ麺:(糖質量)95.6g
中華そば:(糖質量)89.8g
豚バラチャーシュー麺:(糖質量)89.3g
塩ラーメン:(糖質量)85.9g
醤油ラーメン:(糖質量)82.0g

 

また、チャーハンを頼むとします。

一食あたりのご飯使用量は180gを目安とするなら、糖質量は66.3gとなります。

 

そして、替え玉文化がある所では、注文をする人もいると思います。
店舗によってばらつきはありますので、麺を100gとするなら、27.9gの糖質量となります。
ギョーザ5個分くらいの糖質量です。
 
まとめると、上記内容でセットのような形で注文したら、
醤油ラーメン(82.0g)
ギョーザ6個(36.0g)
チャーハン (66.3g)
替え玉   (27.9g)
となり、合計で212.2gもの糖質を摂取する事になります。
醤油ラーメンの約2.6杯分の糖質を摂取する事になります。
 
ここに原因があるとしか思えないのです。
 
ラーメン1杯だけであれば、特に健康被害を与えるリスクは非常に少ないと考えます。
ですが、このように上記のようなサイドメニューの注文が当然であったり、「大盛(替え玉)がデフォ」とする食生活をすれば、当然糖質摂取過剰となり、体調に悪影響を与えるリスクが上昇する訳です。
 
普通の定食に、ご飯をモリモリおかわりしたり、丼にプラス白御飯大盛を注文して食べているようなものです。
ラーメンと言えば、一緒にギョーザ!チャーハン!ご飯!という姿をイメージしやすい人は、健康を害するリスクが高くなるのは当然ですね。
 
でも、一般的には「塩分」「カロリー」ばかりに焦点が当てられ、その結果「スープを残そう」「野菜をプラスしましょう」という推奨ばかりがされています。
 
おかしいです。
 
私が推奨するのであれば、「麺を残して、トッピングとスープを飲み干すようにしましょう」とします。
 
スープに野菜成分・出汁・骨(ボーンブロス)からとった旨味が溶け込んでいます。
なぜ、スープを残してその栄養分を逃さないといけないのでしょうか?
野菜から逃げ出したカリウム分も、スープに溶け出している訳です。(カリウムは水に溶けやすく、野菜から損失しやすい性質を持ちます)
野菜スープが健康とするサイトでは、「スープは野菜の成分が溶け込んでいるので、飲み干せば最後までしっかりとれます」とするのですが、なぜラーメンは同じように考える事が出来ないのでしょうか?
 
不思議でなりません。
 
もし、私がラーメン店で健康のためにと提案するのであれば、
 
麺を残してスープを飲み干す。
煮卵のようなタンパク源の多いトッピングを乗せる。
そして、サイドメニューであれば唐揚げのような糖質量が少ないものを注文する。
 
という感じでしょうか?
私はラーメンが好きなので、麺を残すような事はしませんが、替え玉であったり大盛にする事はまずないです。
 
当然スープも飲み干します。
それで大満足です。
 
続きます。
次で最後かな?