糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

栄養満点とする基準は何なのか?の続き

前回の続きです。
 
ここまで話をして来てますが、結論としては、
「これは栄養満点だ」と言えば、そうなるという事であると考えています。
 
情報提供者側の「主観」です。
 
「ここまでの条件を満たせば栄養満点となる」という基準がないからです。
自分の主観で、「これは栄養満点な食材だ!」と言えば、そうなりそうな感じになっていると思います。

三大栄養素である「たんぱく質」「脂質」「糖質」ですが、一つだけに特化していても「栄養満点」とは言われないようです。
 
糖質では「上白糖」を始めとした砂糖類がエネルギー補給として特価していても、「栄養満点な食材」とは言われませんから。
脂質でもそうです。
オリーブオイルやえごま油、豚の脂であるラードや牛の脂であるヘットを「栄養満点な食材」と言う人はいないと思います。
 
たんぱく質で言うと、前回の記事で「卵は完全栄養食」と表記しているサイトを取り上げました。
卵にはビタミンCが存在しませんが、それ以外はほとんどの栄養素が含まれています。
同じように言われるのが牛乳です。
上記の2品には食物繊維は含まれていませんが、ほとんどの栄養素が含まれています。
この2品だけが「栄養満点」とするのであれば、何となくの共通点がみられるので理解はしやすいと感じます。
 
ですが、そうではありません。
 
動物性たんぱく質として挙げられているのは、卵・鶏肉・鯖。
植物性たんぱく質としては、大豆類
野菜・果物・他としては、キャベツ・アボカド・サツマイモ・ブロッコリー・ジャガイモ・玉ねぎ
ちくわは動物性タンパクと糖質(つなぎ)が含まれているもので、糖質量が同等だったり多かったりと商品によって変化します。
 
野菜のグループで取り上げられているものに共通するものは、ビタミンであると感じます。
キャベツであればビタミンU(厳密には違うようですが)がそうですが、ビタミンCが多く含まれていると紹介されているのは多いです。
でも、ビタミンCが上記食材に特筆されるほど多いか?というと、そうでもありません。
 
常食出来る野菜の中で一番多いとされるのが、「赤ピーマン」(100gあたり170mg)です。
ピーマンでさえ、76mg含まれてます。
上記の中で一番多いのは、「ブロッコリー」で54mgです。
キャベツ41mg
サツマイモ23mg
ジャガイモ21mg
アボカド15mg
玉ねぎ8mg
という感じです。
 
これで「栄養満点!」と言えるのでしょうか?
恐らく他に何かあると考えられます。
 
ここで、他のサイトのレビューを見てみます。
アボカド  抗酸化作用(ビタミンE)・不飽和脂肪酸オレイン酸)・食物繊維・葉酸
サツマイモ 食物繊維・ビタミン・ポリフェノール
ブロッコリー 抗酸化作用・解毒作用・ビタミンCは野菜の中で含有量が一番
カカオ 血圧低下・抗酸化作用・整腸作用(善玉菌増)
コーヒー リラックス効果・脂肪燃焼・集中力アップ・カフェインには脳の活性化がある(覚醒作用)
キャベツ 胃腸保護・免疫力アップ
もやし 身体の調子を整えるミネラル・食物繊維・消化酵素が豊富 
エノキ 食物繊維・ビタミン豊富 
豆苗  他の緑黄色野菜と比べてβカロテン・ビタミンC(74mg)・食物繊維が豊富
ジャガイモ ビタミンやミネラルの宝庫 ビタミンCはみかん(32mg)と同等クラス・カリウムは人参やトマトより多い(ジャガイモ340mg・人参260mg・トマト210mg)
玉ねぎ 代謝促進・血栓予防
鶏むね肉 低脂肪・高たんぱく
ちくわ たんぱく質・鉄分・DHA・EPA・低カロリー
塩サバ ビタミン豊富・高たんぱく・低脂質
鯖缶  DHA・EPA・ミネラルたっぷり
納豆  5大栄養素をバランスよく含む・食物繊維たっぷり・ナットウキナーゼ
豆腐  低カロリー・高たんぱく・美容や健康に役立つ成分たっぷり詰まってる
油揚げ 良質なたんぱく質が豊富
厚揚げ 美味しい(←それだけか?)
 
厚揚げは、恐らく豆腐・もやし・油揚げ等に文章を費やしすぎて、書く事が無くなったのだと思います。
美味しいけれども(笑)

大まかにくくりますが、よく文中で出てきたのが、「美容と健康に良い」というキーワードです。
そこは分からなくもないです。
「栄養満点=美容と健康に良い」という前提が崩れますから。
 
次に良く登場するのが「食物繊維」
動物性たんぱく質には食物繊維は含まれてません。
なぜ「植物繊維」としないのかは不思議ですが、食物繊維が多いほど健康に繋がりやすいという論調が広がっています。
私は過去に「食物繊維万能説」という記事を投稿しましたので省略します。
そちらを参照してください。
 
 
次回に続きます。