糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

カロリー計算でやせるという論調の不思議

ダイエットサイトや著作物の中で取り上げられているのを見かけます。
 
脂肪1kgを消費するには
では、体内に貯蔵されている脂肪1kg(1,000g)を消費するにはどれだけのカロリーが必要になるのでしょうか?
脂肪1gは9kcalなので、1kgの脂肪を消費するには9000kcalのカロリーが必要かといえばそうではありません。
人間の脂肪は「脂肪細胞」として蓄えられているので、全てが純粋な脂肪というわけではありません。
脂肪細胞の約8割は脂質(あぶらの塊)ですが、残り2割ほどは水分や細胞を形成するさまざまな物質で構成されています。
これを踏まえて計算すると脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は、9kcal×1000g×80%=約7200kcal 程になります。
つまり、1カ月で1kgの脂肪を減らすために消費すべきエネルギーは、7200÷30=240kcalとなり1日あたり240kcalになります。
毎日240kcal分のエネルギーを多く消費する、もしくは摂取を抑えられれば1カ月で1kgの脂肪を減らすことが出来るのです。

 

タニタでもこのような話をしているので、とてももっともらしく聞こえるのですが、カロリーに焦点をあてるとこうなります。
で、そのカロリーを消費するためにという事で、下記のような内容を「栄養指導」として展開するというのが医療機関で多くみられると思います。
 
ちなみに240kcalは、食べ物では「どら焼き1個」や、「発泡酒ロング缶(500ml)1つ」程度。生ビールなら「中ジョッキ1.2杯」くらいです。
運動では「ウオーキング約50分」、「ジョギング約27分」程度を目安と考えてください(約171cmの70kgの30-40代男性の場合)。

1か月で4kg落とすたった4つの基本
1.カロリー
2.食事
3.運動
4.記録

 

というサイトもあります。
ここでは、4kg落とすためにという事で、4つのポイントがあるという事で紹介されています。
 
日常生活でも、大体150kcal~400kcal位は大体の方が消費しています。
残りはどれくらい消費すれば良いでしょうか?
摂取:食事 +1,000kcal
消費:基礎代謝 -1,200kcal + 日常的な運動 -300kcal =-1,500kcal
目標: -960kcalですので、あと-460kcalです。
実際に、運動しようと思ってする運動は、1日1時間~2時間で十分!
忙しくてできない日も、少しでも家でできる運動をして、少しでも消費カロリーを増やします。
その分土日などできる日を使って、運動を補い消費カロリーを増やします。

 

運動を勧める理由
なぜなら、適度に筋肉がついていることは、男性女性に関わらず、基礎代謝を上げるため単純に脂肪がつきにくくなるからです。
美しい身体の方、女優や芸能人はー特に外国人ー多少の筋肉がついていますよね。女性らしい丸みとすっとした筋肉の張りが美しい身体を作るのです。
脂肪だけを減量したいのであれば有酸素運動のみ、筋肉を増やして基礎代謝をあげたいひとは筋トレ、どっちともやりたい人は複合的に

1.運動時は必ず水分を摂取
2.ジョギングなどの有酸素運動は必ず筋トレの後に実施
3.筋トレのやり方-大きな筋肉から
4.食事ー脂肪と炭水化物を減らす
5.身体の変化は3か月*
出典
レーニングジムで学んだ、効果的なダイエット方法ベスト5 - 絶対痩せたい人のためのダイエット情報
(メモ!)5の体の変化は3か月目から、これは重要です。
単純に体重は1か月目からでも減ります。
ただ、今までのまとめを実践して、本当に身体が美しくなってくるのは3か月後からなのです。
つまり今やっていることが3か月後に身を結ぶというわけです。

 

matome.naver.jp



という感じになります。
結論として、
・摂取カロリーを減らしましょう
・余計なものを食べないようにしましょう
・適度な運動しましょう
・筋肉をつけて基礎代謝を増やしましょう
という事に繋がるわけですね。

ですが私が言いたいのは、
「人間の身体って、こんなに単純なんですか?カロリーだけの視点で目標達成出来るのでしょうか?」
という事です。
一カ月毎日240㎉の摂取カロリーを減らしたら、体脂肪が1kg減るのでしょうか?
摂取カロリーを減らして減った体重というのは、体脂肪だけなのでしょうか?

あと、基礎代謝を上げて(筋肉量を増やして)体重を4キロ落とすという事ですが、一つ絶対的な事実があります。
 
脂肪よりも筋肉が重いという事です。
 
その事について、多分次回に話をしたいと思います。