糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

リバウンドについての考察と定義づけ

前回の続きです。
リバウンドの記事を書いた事が無いかな?と思ってブログを検索したら、ありました。

読み直しても、いい事書いているなぁと思います(自画自賛(笑))
重複する部分もあるかもしれませんが、今の考えと前回までの流れを引き継いで、改めて話をしていきます。
リバウンド
痩身行動によって、一時体重を目標もしくはそれ以下まで落としたものの、その後再び以前の状態まで戻ってしまったり、以前よりもむしろ体重や体脂肪率が増加してしまうケースがある。これをリバウンドと称する。リバウンドを繰り返すことを、ウェイトサイクリング、ヨーヨー現象という。リバウンドの原因として以下の原因が挙げられる。
過度の食事制限により飢餓状態に陥った体が、過剰に栄養分を吸収しやすくなった。
体重減少の原因が主に筋量減少によるものだったために、基礎代謝や運動時の消費カロリーが減少してしまった。
体重減少に安心し、継続的な痩身行動を怠った。
食事制限によるストレスで、逆に食欲が増加した。

 

リバウンドのメカニズム
では、なぜリバウンドしてしまうのでしょうか?リバウンドが起こる2つの原因について見ていきましょう。
リバウンドの原因1:ホメオスタシスと停滞期
食事制限によるダイエットを行っていると、スタートし始めは順調に体重が減るのですが、ある時期になると体重が中々減らなくなります。
これを「停滞期」といい、約1ヶ月ほど続く場合もあります。
この停滞期の原因は「ホメオスタシス」という体の機能にあります。
ホメオスタシスは、体に少量のエネルギーしか入ってこない場合、エネルギー消費を減少させて体を維持する機能のこと。
ダイエット中にホメオスタシスの機能が働くと、食事の量にともなってエネルギー消費量も減少するため、それ以上体重が減らなくなるのです。
そして停滞期にダイエットを諦めた場合でも、このホメオスタシスは機能し続けています。
ですから食事の量を元に戻したとしても、エネルギー消費が以前より減少しているので、余分な脂肪が蓄積されることになります。
リバウンドの原因2:レプチンの量と満腹感
ダイエットをしていると、満腹感に変化が出てきます。
「レプチン」とは、脂肪細胞に脂肪が吸収されると分泌されて、脳の満腹中枢を刺激する物質です。
ダイエット中に食事を減らしていると、レプチンの分泌量も減ってきます。そしてダイエットを中断し食事の量を元に戻した場合、レプチンの量も変化するのですが、これが適正量に戻るためには、約1ヶ月の時間がかかるのです。
つまり、1ヶ月は食事の量を元に戻してもレプチンの量が少ないため満腹感を得られず、かえって食べ過ぎてしまうのです。

 

ダイエットを失敗させやすい3つの「すぎる」
「ダイエットを行う人の6割がリバウンドしているという調査結果があります」と吉松さん。半分以上が失敗しているなんて! それはいったい何故なのでしょうか?
吉松さんいわく、「挫折やリバウンドしやすい人の特徴は、短期間で一気に体重を落とそうと意気込みすぎてしまう人」とのこと。
(中略)
つまり、
・短期間すぎる
・一気に落とそうとしすぎる
・意気込みすぎる
この3つの「すぎる」がダイエット失敗への落とし穴と言えそうです。
 
 
という事のようです。
どうでしょうか?
皆さんが今まで耳にしてきたような話や、イメージと重なる部分は多いのではないでしょうか?
ただ、私の解釈は違います。
上記の内容でもっともらしく話をしているのですが、具体的な話を全くしていない部分があります。
「食事を減らすと痩せる」
「元の食事(量)に戻すと太る」
という所です。
食事の内容には、全く触れていないという事です。
量だけに触れて、内容には触れていないです。
 
そして、「量」というのも解説があやふやです。
重さなのでしょうか?
糖質摂取量なのでしょうか?
脂質摂取量なのでしょうか?
全体のカロリー摂取量なのでしょうか?
 
あと、PFCバランスの話もされてないですね。
 
ダイエット(減量)開始前の食事量・内容というのが、現状の身体をつくり上げた結果です。
そこから変化を与える(減少傾向にする)と、当然変化は生まれます。
変化して、仮に体重が数字上で落ちたとします。
で、ダイエット開始前の食事量・内容にします。
元の体型になります。
 
これをリバウンドというのでしょうか?
 
ただ単に、「元の体型になりやすい食事をしたら、その通りの結果となった」
という事ではないのでしょうか?
他のサイトでは、この解説を曖昧にしている所が多いです。
リバウンドしにくい減量目安は、体重の何%?
「厳密には言えませんが、筋肉量を減らしにくいという観点からいくと、標準体型の方の場合は1か月につき体重の1%くらいが良いペースです」
(※ここで言う「標準体型の方」とは、身長と体重から導き出したBMIが18.5以上25未満に該当する方を指しています。BMIがそれよりも大きい方は、減量目安が異なります。)
1か月に体重の1%……、つまり体重50kgの場合は1か月0.5kg(500g)が目安ですね。えっ、意外と少ないかも!

 

cancam.jp

リバウンドしやすいNG目安は、体重の何%?
では、「1か月にこれ以上減らすとリバウンドをしやすくなる」というNG目安はあるのでしょうか?
「こちらも明確な基準はありませんが、1か月に体重の5%以上減量する程の食事制限をしてしまうと、リバウンドする可能性が高くなります」

 

リバウンドも含め、商業サイトで語るうえで、「厳密には言えませんが」「明確な基準はありませんが」とするのはおかしな話です。
そこに根拠があるから話が出来るのではないかと思うのですが・・・。
検証結果があるのでそのような話をしているのではないのでしょうか??
厳密に言えない・明確な基準がないというのであれば、無責任であり、自分の所感・感想を話しているだけです。
なぜ、あなたは商業サイトで記事にしているのでしょうか?
専門家だから話をしているのではないでしょうか?
文責は無いのでしょうか?
 
で、ここで例として挙げているのは、「標準体型の方の場合」です。
ダイエットをしたいと思う人は、BMI25以上の人にもいると思うのですが、ここで「標準体型の方の場合」と区別したという事は、BMI25以上の人は違う基準なのでしょうか?
なぜそこを明言しないのでしょうか?
 
また、「1か月に体重の5%以上減量する程の食事制限」とは、どのような方法をさしているのでしょうか?
方法論関係無しで、身体の健康状態を見る事も無く、「体重5%以上の減量」という結果だけを見て判断しているのでしょうか?
 
そして、「リバウンドする可能性が高くなる」というのは、どのような比較をして導き出された結果なのでしょうか?
資料が無いのであれば、ご自身で検証されたのでしょうか?
 
不思議でなりません。
そもそもタイトルからして疑問があります。
 
「ダイエットを行う人の6割がリバウンドしているという調査結果があります」
 
何の調査なのでしょうか?
どんなダイエット方法なのでしょうか?
ダイエットの内訳はなんでしょうか?
 
私もこのような話をする事はありますが、私の場合は99.5%の人がダイエット失敗した事があるという結果を用いています。
これは、ダイエット大国と言われている(?)アメリカのワシントン・ポスト紙にての調査から用いてます。
残念ながら、どのようなダイエット方法か?という内訳の資料はありませんが・・・。
 
 
少し話がズレていますが、私自身の考えは、
 
「実施前の食事にしたら、実施前の体型になる食事方法をしているので、実施前の状態に近い体つきになる」
 
という事です。
果たして、これを「リバウンド」とよべるのでしょうか?
視点が「体重」「カロリー」だけしかないので、このような事が起きやすいと感じます。
理想・目標とする数値・姿があるのであれば、そうなるような食事内容であったり、生活習慣を変えていく事が重要だという事です。
実施前の現状を実践していれば、いつまで経っても変化は生まれないです。
ただそれだけの事ではないのでしょうか?
 
「リバウンド」という言葉は、体重が戻った(ダイエット実施前の体型に戻った・変化をしきれなかった)人の言い訳に使っている言葉であったり、ダイエット商材を扱う人が販売するための甘い言葉として使われているように感じます。
 
「食事内容・生活習慣が変わったから、今の体格になった」
 
というだけであると考えるので、「リバウンド」というのが意味がよくわからないというのが私の回答・考えです。
 
最後に思いましたが、「ダイエットを失敗したという事=リバウンドした」とするのは、自分が我慢・変化出来なかった理由を求めたために生まれた言葉なのかもしれませんね。
 
「〇〇ダイエット→失敗→リバウンドしやすいから」
 
という流れを作るから、〇〇ダイエットのせいにして自己擁護にも繋がり、他のダイエット方法を求めていく事に繋がると感じます。
 
自分の事を受け入れず、現状維持をしながらのダイエットとなるので、このような事になるのでしょうか?
 
という事をふと思いついたので、忘れないよう残しておきます。
 
自分が変わらないと、何も変わらないですからね。
 
以上です。