糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

マクロビの最終目的?

第一回目である「マクロビって大変ですね」に掲載したリストは、ここからの抜粋でした。
あと、前回の追記ですが、植物性食品をとるよりも動物性食品をとる方が効率がいいです。
たんぱく質アミノ酸スコアが100となっているのは基本的に肉・魚・玉子のほとんどですが、植物性では大豆が食い込んでますが、私は少し訝しげに感じています。
当初のスコアでは、大豆は86点でした。
 

ヒスチジンは体内で作られるが、急速な発育をする幼児の食事に欠かせないことから、1985年からこれも必要なアミノ酸として加わるようになり、合計9種類が必須アミノ酸と呼ばれている。1973年のスコアでは大豆が86点、1985年のスコアでは大豆が100点となっていることが特徴的である。

 

大豆を100にするために、データが変わったのではないか?と「邪推」してます。
往々にしてこういう修正は行われてきましたから。
これが邪推であればいいのですが。
 
アミノ酸スコアだけでなく、鉄分吸収力も植物性か動物性かで変化します。
鉄の吸収力の比較ですが、「動物性:植物性=3:1」と、約3倍です。
「赤血球中のヘモグロビンの成分となり、ヘモグロビンによる酸素の運搬に重要な役割を担う」という重要な働きがあるのに、効率良く取れる動物性のものを避けて、植物性からしか摂らないというのは、人間の身体の特性を無視しているとしか考えられません。
まずは、鉄補給の優等生、動物性の食品から。レバーや肉、魚介類は鉄の供給源としてよく知られています。牛や豚の赤身の肉(筋肉)には、体内に吸収されやすいヘム鉄(吸収率は摂取量の23~28%)を含むミオグロビンが豊富。運動量の多い筋肉には酸素がたくさん必要なので、酸素と結びつくミオグロビンが多くなるわけです。魚も、マグロやかつおなどの刺身が赤い色をしているのは、長い距離を泳ぎまわるのに酸素を利用するためミオグロビンが豊富だからなのです。このほか、レバーにも鉄が豊富に含まれています。レバー〈肝臓)は貯蔵鉄のストック場所ということで、鉄が多いわけです。
鉄の補給源としてお勧めの動物性食品ですが、実際には鉄の摂取量の3割程度を占めるにすぎません。日本人の食生活では野菜や豆、海藻など植物性食品が主な鉄の補給源です。ただし、その鉄は非ヘム鉄といって、動物性食品の鉄とは構造が少し違っています(植物性以外でも、卵に含まれるのは非ヘム鉄)。その人の体内の鉄貯蔵量によって異なりますが、鉄が不足していない健康な人の場合、非ヘム鉄は腸で吸収される割合が摂取量の1割以下と、低いのが特徴。

 


さて、タイトルの方に話を変えます。
マクロビの最終目的??というタイトルの記事がありましたので、紹介したいと思います。

しかし、その玄米ご飯ですらも、マクロビオティックの絶対条件ではありません。
白米を食べたい時には白米の良さを味わえばよいし、麺類を食べたい時には麺類の良さを楽しめばよいのです。
さらに言えば、体調によっては動物性を摂った方が良い場合もあるし、休んだ方が良い場合もあります。
それらはとても重要なことではあるのですが、それとてマクロビオティックの本来の目的ではありません。
マクロビオティックというのは、もっともっと壮大な考え方です。

 

マクロビオティックの最終的な目的は、病気を治す(元気になる)ことではなく、元気になった体で何をするか? どんな人生を送るのか? ということです。
元気な体は通過点にすぎません。
しかし、その最終目的より健康法としての部分が独り歩きしているのが今のマクロビオティックの現状です。
病気治しのためにマクロビオティックの制限食を摂って、それを一生摂り続けるのではなく、なんでも食べられる体になって、バリバリとやりたいことをやり遂げる生き方のためにマクロビオティックは存在します。
その途中で制限的な食べ方が功を奏する人もいるというだけです。

 


身土不二、陰陽調和、一物全体といった独自の哲学を持つ。

 


これがあれば、マクロビという様に変化してきているようです。
 
食べたものの影響
自分の食べたものが、どれくらいの世代に影響するかご存知ですか?
なんと、7世代にも影響するそうです。
インディアンの教えに、7世代先のことを考えて生きるというのがあるそうですが、驚きですね。
とにかく、今のあなたの身体があるのは、あなたが食べたものだけでなく、それ以前の影響も受けているということです。

 

丈夫な人は、何を食べても、どんな食べ方をしても、元氣ですよね。

 

んな訳はない。
少なからず影響を与えていく。
7世代に影響するちゃうんか?
 
おっといけねぇ、ぼやいてしまいました。
 
結論
・食事は栄養や空腹を満たすだけでなく、文化的なことや団欒、愛情とかいろんな意味がある
・食は手段であって、目的ではない
・自分が何を大切にしたくて食に氣を付けているのか、その目的に立ち返る
・とにかくみんなが健やかに、生き生きと、幸せでありたい

 

との事です。
マクロビとひとくくりにしていますが、糖質制限食同様、基準が異なる様です。
あくまでも「思想的な部分での基準」ですが。
数値データが全く上がってないので、明確な基準が伝わってきません。
 
「好きにすればいい」とか、「身体が求めるものを」とか、結構フランクですよ、ゆるゆるで行きましょう見たいな事は書かれてますが、基本穀物を食べて、バランス良く(?)食事を楽しくしましょう。という部分はどのマクロビの考え方でも共通認識のようです。
 
イメージ重視の話をしているので、聞き心地の良いものとして伝わってきやすいです。
ですが、「理にかなった食べ方」として紹介しているのですが、

春にはぐーんと伸びていくたけのこや蕗や、つくしなどで、冬の間に溜まった老廃物を流すのを助けてもらったり、身体が開いていくのを助けられたりします。
暑くて食欲の落ちる夏には、冷たい麺をたっぷりの薬味とミネラルたっぷりのおつゆで、さっと流し込みますね。

 

これの何が理にかなっているのでしょうか?
 
冬の間にたまった老廃物とは何でしょうか?
なぜたけのこやフキやツクシが老廃物を排出するのでしょうか?するのであれば、どんな老廃物をどれくらいの量流すのでしょうか?
暑くて食欲が落ちるのは、冷たい麺をさっと流しこみ続けるから落ちるのではないでしょうか?
私は夏場に冷たい麺もたっぷりの薬味も取ってませんが、肉ばっかり食ってますが、食欲は落ちません。
れらがどんな「理にかなっている」としたいのでしょうか?
 

寒くなってくる秋には鍋物が美味しくなります。

 

暖かい食事だからじゃないんですか?
これはマクロビ云々ではなく、全人類にあてはまると思います。
寒くて凍えそうな時に、キンキンに冷えた料理出されたらブチ切れますね。
何の我慢大会ですか?
 
おっと、少し暴走しだしているので、ここまでにしておきます。
 
遡りますが、
 

大事なのは、病気を治す云々ではなく、元気になった体で何をするか? どんな人生を送るのか? ということです。
元気な体は通過点にすぎません。
しかし、その最終目的より健康法としての部分が独り歩きしているのが今のマクロビオティックの現状です。

 

とするのであれば、料理とか身体的な健康関係ないじゃん。と思います。
 
最初の一行は、突き詰めていけば、どんな方法論(主語)にも当てはまる文章ですし、「病気を治す云々」としてなら、病気は関係ないという事になりますね。
「病気があろうがなかろうが、「元気な身体で」、または「元気な身体になったら」何をするのか?」とも置き換えれます。
食事で病気を治すのが二の次の書き方をしているのが、とても違和感を感じます。
「精神面での健康(?)」が最優先な感じを受けますね。
健康食とするのであれば、ライフスタイル云々よりも食事内容が最優先となるのでは無いのでしょうか?
 
そして、マクロビは「特筆すべきほど」健康になれる方法ではないと考えます。
理由は、「恐らく」PFCバランスは現行の2:2:6に近いものであろうし、そこからさらに動物性たんぱく質の割合を避ける食事法と思えるからです。
その方法だけで劇的に人を健康に出来る訳が無いのは、現行の病院食や施設食を見ても分かります。
 
肉体的な健康を重視せず、ライフスタイルの話をするのは自由ですが、だったら、なぜ食に細かく面倒臭いルールを決め、陰陽という訳がわからなく難解で、布教者にとって都合のいい理論をベースにして話しているのでしょうか?
 
それだったら、ライフスタイルをメインで提唱し、「健康食」の分野には入り込まないで欲しいです。
根拠のない宗教的・儀式的な「制限食」を持ち込むのは、自由にどうぞ。
ですが、それを「健康食」と煽るのはお引き取り願いたいです。
 
「思想」は大事だと思いますが、数値データや検証データといった根拠の無い「純粋な思想だけ」をぶつけられても、甚だ迷惑です。
議論にもなりません。
 
次回は、「身体が喜ぶ食事って何?」についてです。
このテーマの最後になるかな?