糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

マクロビでなぜ肉を食べないかの理由が不可解

次はこのサイトです。
ここでは、このような紹介がされています。
 

玄米菜食の考え方なので肉を含め動物性食品をあまり食べません。
しかし厳格に食べてはいけないとしているわけでもありません。
あくまでも食べないほうがいい、食べなくても他で補うことができるとしています。
食品には動物性食品と植物性食品の2種類があります。
その中でタンパク質も動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類に分類することができます。
動物性タンパク質は、消化吸収に時間がかかり人間の体に負担をかけやすいとされています。
また動物性タンパク質には飽和脂肪酸や悪玉コレステロールが含まれており、増えすぎると動脈硬化の原因にも繋がります。
一方、植物性たんぱく質は善玉菌を増やし、腸内環境を良くしたり、人間の体、特に日本人の体が吸収しやすいタンパク質です。
これらのことから考えて肉を含め動物性食品は控えるべき食品だと認識されています。

 

ここで私が気になるキーワードが
  • 動物性たんぱく質は人間の身体に負担をかけやすい
  • 植物性たんぱく質は善玉菌を増やし腸内環境を良くする
  • 特に日本人の身体が吸収しやすい
 
私は、動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質の方が、消化吸収に時間がかかり負担をかけやすいと考えています。
理由を簡単に言うと、消化が出来ない食物繊維を大量に含んでいる植物性たんぱく質の方が当然胃の中に残留しやすく、消化に時間がかかるからです。
 
続いて、植物性たんぱく質が「特に日本人の身体が吸収しやすい」という根拠は何でしょうか?
海藻類を消化する酵素は日本人に含まれるという事は聞いた事があるんですが、それ以外にあるのでしょうか?
そして、「特に日本人の身体が」というのであれば、他の国の人との比較を教えて欲しいです。
このサイトについては、これくらいで次に行きます。
 
こちらのサイトでは、避ける理由を3つ挙げています。

陽性をもつ食品だから
穀物中心の伝統的な食生活に合わない
穀物の大量消費、森林伐採を招く

 

上から2つの理由は、繰り返しになるのでよいですが、問題は3番目の理由です。
 

1kgの食肉を生産するのに、鶏は2kg、豚は4~5kg、牛は8kgの穀物を消費すると言われます。
世界中の食糧危機、飢餓問題を考えても「貴重な穀物を家畜の餌に回すべきではない」という考えがあります。
人間が食べる「食用穀物」と、家畜が食べる「飼料用穀物」は別の品種ですが、肉食が増えれば増えるほど、飼料用穀物を栽培する農地面積が広がり、本来人間が食べられる穀物量が減ってしまいます。
また家畜の飼育や飼料用穀物の栽培の為に、森林伐採や開発も進むことから、肉食が避けられています。

 


本気で言っているのでしょうか?
まさか、マクロビを調べていて、政治や環境保護の内容に近づくとは思いませんでした。
 
勘違いをしてほしくないのですが、鶏も豚も牛も、基本は草食です。
鶏もミミズを食べたりしますが基本は草食ですし、牛もグラスフェッドでの飼育方法が人気となっている事から分かるように、牧草が本来の食事です。
豚もエサとしては下記の通りです。

穀物・ぬか類・油粕のような栄養成分の多い「濃厚飼料(ノウコウシリョウ)」と根菜類・青草・牧草など食物繊維が多く含まれている「粗飼料(ソシリョウ)」があります。

 

このような姿が本来のものなのですが、コスト面により配合飼料として大豆・トウモロコシが加えられたりしているだけです。
人間がかってに飼料として与えているだけです。
現在は、それ以上にバイオマスとして使われる方が、割合としてはより大きくなってきているのではないでしょうか?

バイオマス・エネルギー、バイオ燃料の需要の高まりにある。 バイオ燃料の原料は、トウモロコシなどの穀物や菜種などの油糧作物である(バイオマスとは、エネルギー源や原料として利用できる、生物資源または生物由来の資源)。

 

家畜の飼育や飼料用穀物の栽培の為に、森林伐採や開発も進む
 
とありますが、マクロビでは自然保護活動も必要になってくるのでしょうか?
そして、畜産業を日本から排除しようとしているのでしょうか?
日本では、耕作放棄地が増えてきています。
 

耕作放棄地(こうさくほうきち)とは、農作物が1年以上作付けされず、農家が数年の内に作付けする予定が無いと回答した田畑、果樹園。 世界農林業センサスで定義づけられている。

 

だったら私は、こういった土地を利用して、畜産に回せばいいと感じます。
北海道方面で独占されていたようですが、西日本でも獣医学部が新設されたので、獣医師が増え、より発展しやすくなってきています。
また、そんなに耕作地の心配をするのであれば、そして、世界的な食糧危機や飢餓問題を気にするのであれば、そういった土地を有効活用して、そういう国々に輸出・寄付したらどうでしょうか?
 
この問題をマクロビに関連付けるなら、このように言いたくなります。
とってつけたような理由を掲げるのは、やめていただきたいです。
 
もし、そのように「家畜の飼育や飼料用穀物の栽培の為に、森林伐採や開発も進む」と主張したいのであれば、毎年どれくらいが新規で飼料用穀物栽培のために伐採されているのかを証明して欲しいものです。
同時に、この考え方を持っているマクロビ実践者が、どれくらいの割合いるかも教えて欲しいですね。
 
これ以上言うと私も言葉が熱くなりそうなので、ここまでにしておきます。
次に行きます。