糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

考え方が一つしかない状況は危険な状態

前回の続きですが、今回は少し栄養学の考え方とは逸れてしまいますが、ご了承くださいませ。

 

さて、PFCバランスの話ですが、現在は

「P:F:C=2:2:6」

という数値が広く知られています。

そして、多くのサイトや主張の中でのベースとなり、これに準ずることで、「バランスの良い食事」と評価され、健康になれるという論調になっています。

ですが、前回も話した通り、1970年、1980年代の日本人の食事に対しては有効だったかもしれませんが、時代・社会背景は変容しています。

それが永続的に「バランスの良い食事」としてあり続ける事が出来る訳がありません。

また、このバランスは当時の平均値でもあります。

 

その平均値になる様に日々の食事をしなさい。

その当時に摂っていた一般的な食生活を今後も続けなさい。

 

というのは、あまりにも思考停止な状態で自由が無いです。

そして、この考え方が、生活習慣病・メタボリックという言葉がもてはやされているのに、40年以上全く食事内容(PFCバランス)が変わらず、他の代替案の提案が全て否定されているような状況に陥っています。

 

現在、ようやっと糖質制限食がもてはやされてきましたが、その風当たりの強い事、強い事。

様々ありますが、糖質制限食ではPFCバランスを「4:5:1」としています。(多少前後します)

それに対して、「ご飯(穀類)を食べないのは、あり得ない!!」と強い否定と、根拠もよくわからない反論を繰り返しています。

このような状況から、糖質制限食を実践して効果を得られる人が多くなってきたため、だいぶ抵抗勢力もおとなしくなってきましたが、隙あらば状況をひっくり返そうと、様々なよくわからない検証結果を持ち出して来ています。

 

私自身は、糖質制限食も実践してきていますので、肯定派です。

ただ、私は現状のバランスを否定するつもりもありません。

このバランスで一時代を築いてきたという歴史があります。

「和食」という献立が、現状のPFCバランスに則しているものでもあり、文化でもあります。

私は、このように色々な考え方が生まれ、ポジティブに議論され、多くの人が選択できる社会になれば良いと考えます。

 

現状の糖質制限反対派のやり方は、ちょっとした(かなりの?)思想の弾圧です。

共産的といいますか、独裁的といいますか。

なぜ他の考え方を受け入れる事が出来ないのかな?と、不思議でなりません。

自身の考え方に固執し、相手を否定すればするほど、周囲からは「こいつ、めんどくせぇ」と思われると考えないのでしょうか?


私が気を付けていて、戒めともしている言葉があります。


「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」


歴史上で糖質制限食が糖尿病食に用いられたという例があります。

明治時代の頃、夏目漱石は糖尿病でしたが、有名な話としてよく挙げられます。

詳細はこちらから。

koujiebe.blog95.fc2.com


当時、このように有効な手段として用いられていた食事内容ですが、何故か1969年以降、変更が加えられ、今のようなカロリーコントロールによる糖尿病食が指針となりました。

koujiebe.blog95.fc2.com

 

最後に、あるグラフを紹介しておしまいにします。

 

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上記のグラフを見ると、米の消費量は1962年以降、どんどん消費が少なくなっていきます。

 

何か関連しているのでしょうか?

 

と、邪推してしまいます。

 

という感じで、このテーマは終了したいと思います。

次回以降は、少し軽いテーマを採用したいと思いますが、また気が向いたらこんな話もしてみたいと思います。


以上です。