炭水化物と糖質についての話
今回は、少しとりとめのない話をしたいと思います。
皆さんは、3大栄養素として3つが挙げられますが、その中で、「炭水化物」という言葉を使いますか?「糖質」という言葉を使いますか?
昔は、「3大栄養素」という言葉しかなく、炭水化物・たんぱく質・脂質という3種類しかありませんでした。
時代が進むにつれ、
5大栄養素、6大栄養素、7大栄養素と分類されてきました。
人間の身体になくてはならない栄養素のうち、特に重要なものと位置づけられている「炭水化物・たんぱく質・脂質」を『三大栄養素』と呼んでいます。
三大栄養素に比べ身体に必要とされる量が少ないという違いがありますが、「ビタミン・ミネラル」のふたつを加えたものを『五大栄養素』と呼びます。
また第六の栄養素として「食物繊維」や「水」を加える考え方もあります。なお「栄養素」とは、食べ物の中に含まれているさまざまな物質のうち人間の身体に必要不可欠な成分のことをいいます。
「第6の栄養素」は、食物繊維です。人の消化酵素では消化されない成分(難消化性成分)のため、かつては、不要なものとして扱われていました。ところが、食物繊維は多様な働きを持つことが明らかとなり、5大栄養素と同様に大切な成分として、「第6の栄養素」と呼ばれるようになりました。
「第7の栄養素」は、野菜、果物、穀類、豆類といった主に植物性食品に含まれる色素、香り、苦み、渋みなどの成分で、その総称として、ファイトケミカル(フィトケミカル)と呼ばれます。その数は1万種類以上にのぼるといわれ、未確認の成分もたくさん存在するようです。
とうい感じで紹介されています。
さて、ここで3大栄養素に挙げられた「炭水化物」に関してです。
皆さんもご存知の人は多いと思いますが、「炭水化物」というのは、「糖質+食物繊維」の事です。
昔は、食物繊維というのは何の役にも立たないものとされていました。
食物繊維は、「エネルギーにならない」「必要な栄養素まで消化・吸収されにくくしてしまう」食べ物のカスだと考えられていました。
また、食物繊維が多く含まれていると食感が損なわれるので、人々の嗜好に合わせてやわらかくて食感のよい食品がつくられてきました。
という事なので、3大栄養素とされた当初は、「炭水化物=糖質と付属として存在するもの」という感じでしょうか?
特に重要視されていないものという扱いでした。
ちなみに英語では、
total carbohydrate(全炭水化物)
dietary fiber(食物繊維)
sugar(糖質)
一般に糖質制限と呼ばれる食事はlow-carb dietと呼ばれます。炭水化物=carbohydrates
糖質=sugar
低糖質=low-carb
という感じです。
さて、ここで言葉の使い方になってくるんですが、人によって、「炭水化物」と「糖質」を重複して使われているというのが気になってしまいます。
どういうことかと言うと、あるサイトでは
という感じで紹介されていますが、6大栄養素以降から項目に「食物繊維」が使われる事が多いですし、そこには特に否定も無いです。
ただ、炭水化物には食物繊維が含まれています。
上記のサイトであれば、何故わざわざ「炭水化物(糖質)」という表現にしているのでしょうか?
糖質+食物繊維が炭水化物なので、二重併記になっているだけなんですね。
なぜわざわざ( )書きで糖質としているのでしょうか?
しっかり分類するのであれば、
7大栄養素の働きと含まれる食品
糖質
タンパク質
脂質
ビタミン
ミネラル
食物繊維
フィトケミカル(ファイトケミカル)
となるはずです。
こう考えると、3大栄養素も見方が変わってきます。
そもそも炭水化物や糖質の位置づけは、
という感じのものが多いです。
エネルギー源として必要だと言われています。
となると、炭水化物ではありますが、糖質か食物繊維かと言われれば、糖質の要素がとても大きな割合を占めていると思います。
昔は食物繊維を邪魔者扱いをしていたくらいですから。
となると、3大栄養素としては「糖質」「たんぱく質」「脂質」の3つであるのが適当ではないかと考えます。
もっと言うと、ここで「炭水化物」という言葉を使うのであれば、「糖質」「食物繊維」「たんぱく質」「脂質」という4大栄養素を指す事になるのではないでしょうか?
細かいのですが、ここに矛盾を感じています。
昔からの慣習というのであれば、さっさと変えないと誤解を与えるような印象になってしまいます。
これほどまでに「糖質」という言葉が前面に押し出されていて、「炭水化物」という言葉は一般的にはほぼ使われなくなってきた時代に突入しています。
糖質量を産出するためには、「炭水化物-食物繊維」という計算を、わざわざしないといけないです。
必要とされている表示は、含有炭水化物量ではなくて、含有糖質量が求められてきていると考えますが、いかがでしょうか?
続きます。