糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ファスティングダイエットのサイトを見て感じる事

基本的に、抽象的な文言ばかりが並んでいます。

抽象的なので、よく分からないです。

ファスティングを「安全に正しく行う」

何が安全で、何が正しいのでしょうか?

 

ファスティングとは食べないことで一種の飢餓状態を強制的に作り出す方法です。

強制的に飢餓状態を作り出すようですが、飢餓状態であれば、摂取カロリー等無いはずです。

飢餓(きが、英: Starvation)とは、食糧の不足によって栄養失調が続き、体調の維持が困難になっている状態である。

 

よく、栄養学やダイエットの中では、「飢餓状態」という言葉が出てきます。

 

食べる量を減らす

飢餓状態

身体が目覚め、遺伝子が活性化する

健康と美を手に入れられる

やったぜ

 

という感じです。

私は、飢餓状態と言うと、上記定義のような姿をイメージします。

ここまで行くには、結構な時間が必要です。

飢餓と飢餓状態は別と考えているのでしょうか?

「だったら、飢餓状態になったら、身体が最高の状態という事になっていくじゃないか」

このように感じるのは、私だけでしょうか?

飢餓状態で栄養補給も出来ない状態で、なぜ健康や美を手に入れる事が出来るのでしょうか?

私には、甚だ疑問です。

 

そんな飢餓状態になると、デトックスも活発化するという事のようです。

準備期間で腸内環境を整える理由
最近、話題の腸内環境ですが、実は人間には腸内細菌が住み着いていて、人間の体に住ませてもらっているお礼に、他の細菌などをやっつけたりして、人間の免疫を維持してくれています!

そして、腸内細菌の素晴らしいところは、自分たちでビタミンを作り出すことが出来るということ!

通常、ビタミンなどの栄養素は外から摂るのが基本ではありますが、腸内環境が良い状態であれば、勝手に体内で人間に必要なビタミンなどを生成してくれる、素晴らしい働きをしてくれます。

ファスティング中は入ってくる栄養素が少ないため、腸内細菌のちから出で自分で栄養素を作り出す!というのも、代謝を促すために必要なことになります。

ファスティングの日数が進んで行けば、腸内環境も整ってくるので、良いのですが、やっぱり断食を始める前から整っておくことに越したことはありません。

準備期間を長く取ることで、腸内環境を改善し、ファスティング中の代謝を活発化することに繋がります。

注意
逆に、荒れた食事の状態のまま、ファスティングに入ると、好転反応が強く出たり、代謝が上手く行かない分、ダイエット効果が半減するなど断食の効果を薄めてしまうことになります。

 


腸内細菌が自分たちでビタミンを作り出す事が出来るようです。

しかも腸内環境が良いと、人間に必要なビタミンを精製して入れるそうです。

間違っては無いと思います。

食物繊維から短鎖脂肪酸を生み出したり、

パントテン酸ビタミンB5)、葉酸(ビタミンB9)、リボフラビンナイアシン(ビタミンB3)、ビオチン(ビタミンB7)、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンKも生成する。
また、酵母は、ビタミンB1を合成することができる。
ビフィズス菌は、ビタミンB1ビタミンB2、ビタミンK、その他ビタミンB群を生成する

というような働きもしますし、微量のビタミンCも作り出すようです。

 

必須脂肪酸アミノ酸の話は置いておくとして、こういう働きをしてくれますが、ファスティングをするかどうかの話ではなく、もともと人間には備わっている力で、常時行われている合成作用です。

「腸内環境が良ければ、より効果は得やすい」というのは、間違いないようですので、ファスティングをしようがしまいが、腸内環境をよくすれば、効果は得られやすくなります。

あたかも「ファスティングをすれば、ベストな状態で身体に変化を与える事が出来る」という印象を与えるような書き方をしていますが、果たしてそうなんでしょうか?

そして、「合成する」働きをするので、食べ物としてその原料が入ってこないと、合成する事は出来ないのではないでしょうか?(中には、菌自体が産生する場合もあるようですが)

消化管を休めるためだからOKなのでしょうか?

 

続いて、便秘です。

 

ファスティングダイエットをすれば便秘を解消できるのでしょうか?

これについては、準備期間で「解消しておく」という事が必要のようです。

準備期間中は「食物繊維」を意識することと「動物性食品」に気をつけることが重要です。

食材で言うならカコのマゴワヤサシイを意識して取るようにしましょう。

魚は体に良い油をたっぷり含んでいるため、普段のお食事の中ではおすすめの食材となりますが、ファスティングの準備期間では「動物性食品」は控えるため、魚も断食2日前くらいには控えることがポイントです。
もし、前日まで食べてしまうと、翌日の昼頃まで消化に時間がかかるため、断食の効果が半減してしまいます。
これだけ食材があると、難しく考えしまいがちですが、簡単にこれらの食材を効率よく摂取する方法があります!

それは味噌汁とご飯です。

 

これで便秘が解消できるようです。

本当でしょうか?

 

他のサイトを見ました。

 

ふだん丼飯を食べている人や、おにぎり好きな人、和食中心の人で、あまり便秘で悩んでいるというのを聞いたことがありません。
(皆さんの周りでもそうではないですか?)また「ご飯」中心の和食は、腸内でスポンジのような役割を果たしてくれる、食物繊維を多く含むゴボウやサツマイモなどの野菜類が副食になるため、快便をサポートしてくれます。
おまけに、とてもキレの良い便になるので、紙代も節約できるという特典もついてきます(笑)。

快便のコツ
その1 ご飯をたくさん食べましょう。(玄米や分搗き米にすると、いっそう効果的!!)

その2 腹式呼吸などで、お腹をマッサージしてあげましょう。

その3 できるだけ「歩く」ことを心がけましょう。(特に食後、5分程度の散歩はオススメです)

 

Vol.097 05月 快便のコツを表す1文字の漢字 | ぶんぶん通信

 

製薬会社のCMでも(今も?)同様な事を話しています。

便秘には、
運動
野菜(食物繊維)
〇〇ラック

 

上記引用の「特典もついてきます(笑)」の(笑)にイラっとしましたが(笑)、和食中心という微妙なキーワードを使っていますが、このような食生活の人は、便秘で悩んでいるというのを聞いた事が無いですか?
そもそも、「私、便秘なの」というような話が普段の会話から出ないと思いますが、皆さんは、いかがでしょうか?

和食だったら、便秘をしないのでしょうか?

 

それだったら、江戸時代のようなコメ中心の時代は、どうだったのでしょうか?

「食後には300歩ほど歩くと良い」と言ったのは、江戸時代に「養生訓」という本を著した貝原益軒さんです。

 

とありましたが、彼は便秘をする食べ物として、「餅・柿・辛子等」を挙げています。

餅は和食に含まれないのでしょうか?

そして便秘解消には、麻子仁(オレイン酸含有)・ごま・杏や桃の種が良いとされています。

麻子仁は、麻子仁丸という形で薬にもなっています。

彼の言葉を引用しておきながら、彼が原因や解決法まで載せているが、そこは切り取るというのは、いかがなものかと感じます。


少し長くなってきたので、次回に続きます。