糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

血糖値は何が原因で上昇しているのかの焦点について

前回の続きです。

 

前回は、そもそもの糖質摂取量が異なるため、検証にならないという話をしました。

今回は、その時の夜の食事内容についてです。

 

鉄板焼き屋でステーキを食べたとの事です。

それで「ソース」と「カレーライス」で血糖値がガッツリ上昇しているという話をしました。

 

一般的なカレールーの糖質は、100gあたり約20gのようです。

画面を見る限りでは、そんなに多くないので20gの糖質量とします。(ひょっとしたらカレールーの総量は150gくらいあるかもしれません)

米飯の量も茶わん一杯程度と考えて、糖質量55gとします。

糖質量75gです。

前回記載した豚カツは、空腹時血糖89から、食後167へ(上昇幅78)

今回は、空腹時血糖92から、食後172へ(上昇幅80)

そんなに変わらないです。

という事は、豚カツ定食でも、鉄板焼きでも糖質摂取量は、そこまで変わらないという事になります。

ちなみに、糖質1gで、体重65kgくらいの健康な成人男性で、「3」上昇します。


さて、豚カツの場合は、油には「糖質ほぼナシ」のため、血糖値上昇は低い(上昇しにくいと考えられていますというナレーション)

小麦粉やパン粉には、糖質が多く含まれているため、血糖値上昇も食べ過ぎると上がりますとの事。

そして、ソースには砂糖・ブドウ糖果糖が多く含まれていて、「一般的にはかなり多くの糖質が含まれている」とのナレーションがありました。

 

ここでの焦点は、豚カツの「パン粉・小麦粉」と、「ソース」です。

あと、カロリーが豚カツ定食として「1450㎉」という事でしょうか?

恐らく、このカロリーには、「大量のソース」は含まれていないと思われます。

 


夕食の鉄板焼き屋では、「ステーキ250g」と、「締めのカレーライス」という紹介だけです。


で、それぞれが血糖値が上がったという事を紹介しています。

 

これだけでは、焦点が少しずれていると感じます。

 


まず、「豚カツ」や「牛肉を250gも食べている」という身体に良くはない感じのイメージがあるものを押し出しています。

次に、ここまでで糖質が上がるものが、「パン粉・小麦粉・ソース」という事しか紹介していません。

前回も話しましたが、「米」の糖質量が全体の半分程度の割合を占めているにもかかわらず、全く触れていないのです。

ちなみに、カレールーにも、根菜類があればその分と、トロミ付けのための小麦粉を使用しているため、糖質量が多くなるのは、前述の通りです。


肉の糖質量にも、全く触れていないです。

牛ステーキ(としか表現していないです)の糖質含有量は、種類によっても変わりますが、100g当たり0~0.7gの範囲内です。

250gというのであれば、糖質量は0~1.75gです。

つまり、血糖値はほぼ上げません。

 

また、油の説明でも、「上昇しにくい」という表現をしていましたが、植物油脂・ラード・ファットは、糖質0です。

 

基本上げません。

 

つまり、上昇させている原因は、糖質を多く含むパン粉・小麦粉・ソースに含まれる糖類、そして米飯がほぼ全てです。

あとは、付け合わせの野菜が含む糖質量という所ですね。(キャベツ・ニンジン等)


肉の重量とか、カロリーとかはどうでも良いです。

糖質の供給源である「米」に言及しないで、何を血糖値を語っているんだろう?と、動画を見ながら思いました。

そこら辺の数字データは、「食べ過ぎはダメ」という様な言い方しかしてません。

 

「糖質摂取〇g以上はダメ」という言い方をすべきなのですが、まぁ、出来ないでしょうね。

テレビのためスポンサーの影響や諸事情もあるでしょうから。

 

 

残念ながら、まだまだあるので続きます。


次回は、検証時の時間軸とナレーションのズレについてです。