糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

「不動の「本当に健康に良い食品」5つ」は、本当に不動なのか?

タイトルを見て、「何の事だろう?」と思った方は、前回の投稿か、以下のリンクを確認ください。

 

toyokeizai.net

 

結論ですが、「これが不動の5つなんて、どうかしてるぜ!!」です。

 

 

冗談っぽく言いましたが、これが結論とするには性急過ぎると感じます。

 

まず、③で「炭水化物」という言葉を使っている時点で、いかがなものかと感じます。

炭水化物は、「糖質 + 食物繊維」です。

食物繊維については、私はある程度の量は積極的に摂取すべきだと考えますので、この表で言う「健康に良い」という部類の所属で、問題無いと考えます。

ただ、糖質については、色々な研究で健康に良くない発表がされているのですが、それについての言及が無いのが気になります。

 

「健康に良く、食べてもあまり太らない炭水化物」(健康に良い炭水化物)と、「健康に悪く、食べると太る炭水化物」(健康に悪い炭水化物)があるからである

「健康に良い炭水化物」とは、玄米、全粒粉、蕎麦のように精製されていない炭水化物のことであり、「健康に悪い炭水化物」とは、白米、小麦粉、うどんのように精製されている炭水化物(砂糖もこれに含まれる)のことである。

 

精製していなければ「健康に良い」、精製したら「健康に悪い」というザックリとした分別しかされていません。

(ちなみに蕎麦にも精製されているものがありますが・・・、それは??)

食物繊維量や、精米をしていない事で栄養価が高いから、「健康に良い!」と言いたいのでしょうか?

糖質量が多い(精白米・うどん等)ものは「健康に悪い」と言っていて、精米をしてないものは良いというのですから、恐らくその違いだと思いますが、どうでしょう??

 

また、②の野菜と果物も同様ですね。

 

健康に悪いの方では、②白い炭水化物(じゃがいもを含む)とあります。

じゃがいも以外の野菜はOKなのでしょうか?

里芋は?サツマイモは?長いもは?そのほかのイモ類・根菜類は、OKという事でしょうか?

 

これらは糖質たっぷりですが、ジャガイモと何が異なるのでしょうか?

 

じゃがいもはビタミンC含有量がこの中では最大になりますし、炭水化物量は、17.6g(100gあたり)で、サツマイモの31.5gよりも少ないです。
他と比較して少ないとあえて言う部分は、食物繊維量で、ジャガイモ1.3gで、他は2.0g以上という事くらいでしょうか?

だからじゃがいもはダメという事なのでしょうか??

 

それとも、ジャガイモ特有(?)のソラニンという有害物質が含まれているからでしょうか??

ポテトチップスによる加工過程による健康被害を訴えているのでしょうか?

それを言い出したら、多くの食品がアウトになってしまうのですが、区別の基準が分かりません。

 

ちなみに果物も、果糖によりガッツリ肝臓・すい臓に負荷を与えてしまうため、とても健康には良いとは思えません。

グループ分けするなら、③・④・⑤のどれかだと感じます。

 


また、健康に悪いと言われるものの中にも、

①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)

とあります。

赤い肉という書き方が不思議ですが、だったらなぜ最初から「牛肉・豚肉」と書かないのでしょうか?

一瞬「羊肉もダメなの?北海道民が怒るぞ??」と思いましたが、この2つに限定したい模様です。

 

何故ダメなのでしょうか?

 

飽和脂肪酸がたっぷり含まれているからと言いたいのでしょうか?

でも、それを言うなら、牛肉にも、豚肉にも、鶏肉にも含まれます。

健康に良いとされるオリーブオイルには「オレイン酸」が含まれていますが、牛肉の脂にも、豚肉の脂にもにも含まれています。

逆に鶏肉には含まれていないようです。

 

「飼料には薬品とかが含まれているから」とか言い出すのであれば、それは鶏にも養殖魚にも当てはまります。

やろうと思えば、どんなものでも飼料に配合する事は可能です。

 

一番(?)の疑問は、マーガリンとバターの位置づけです。

あれだけ健康被害の影響を懸念されているトランス酸たっぷりのマーガリンが、「ひょっとしたら健康にわるいかもしれない」のグループに分類され、バターが「健康に悪い」に分類されています。

 

おかしいです。

 

マーガリン(トランス脂肪酸)は、アメリカでは禁止されています(完了している?していない?)。

バターは禁止されてないし、少し高価ですが、紀元前5世紀ごろから愛用されています。

なぜ、そのような歴史ある食品が、「健康に悪い」の部類にあてはまるのでしょうか?


注意してほしいのは、私は加工肉、赤い肉、白い炭水化物などは「体に良くない」と説明しているのであって、「食べるべきではない」と主張しているのではないということだ。


というような、免罪符のような言葉を発していますが、だったら、なぜこのような訳の分からないランキング(分類?)を理由もそこそこにつくり上げ、イメージを不当に貶めているのか??

その解答にはなっていないと感じています。

 

「健康に悪いけど、食べても良いよ」

「健康に良いから、食べても良いよ」

 

では与える印象は、雲泥の差です。

しかも、偏っているとしか思えない視点での評価です。

 

冒頭で、

「ほとんどの健康情報はエビデンスが足りない」

「ちまたには科学的根拠がない健康情報があふれている」

インターネットの発展もあり、健康に関する情報が入手しやすくなったが、その一方で多くの間違った情報もあふれかえるようになってしまった。
はたして、今あなたが信じている健康情報は本当に正しい情報だろうか?

 とか、文中で

栄養士は、「このような食事をすれば健康になる」というルールを一般人に指導することに関しては秀でているが、そのルールがそもそも本当に科学的根拠に基づく正しいものであるかどうかを判断するために必要な専門知識(統計学や疫学と呼ばれる学問)を持っていない人もいる。

また、「〇〇が健康に良い」という情報は、商品の売り上げに大きな影響力を持つため、科学的根拠のない健康情報がマーケティングの一環として利用されてしまっているという側面があることも忘れてはならない。

 


と、発言していますが・・・。


ブーメランかな?

アメリカンジョークなのかな?

 

と、ほんの少しだけ思いました。


続きます。