脳が緊急にブドウ糖を必要とするときは、いつなのか?
一つの仮説を立てたいと思います。
これまでに話してきましたが、体内の血糖値が低下する事で、様々な症状が起きます。
手指のふるえ・動悸・空腹感といったものから、頭痛・めまい・意識レベル低下等、最終的には死をもたらす事になります。
死の状態まで行く原因を挙げるとすると、「医薬品の影響」か「極度の栄養失調から餓死」が該当すると思います。
さて、ここで注目しているのですが、低血糖になると、上記のような様々な症状がでます。
それを引き起こしているのは、どこの部分なのか?という事です。
血糖値が急速に低下したときに起こる症状(「交感神経」刺激症状)として、
手指のふるえ・動悸・顔面蒼白・頻脈・発汗・不安等「副交感神経」への働きによる症状として、強い空腹感
血糖値が50mg/dL程度まで低下したことで起こる症状:「中枢神経」のブドウ糖欠乏による症状(中枢神経症状)
頭痛・かすみ眼・めまい・眠気(生あくび)等血糖値が50mg/dL以下で起こる症状:「中枢神経」のブドウ糖欠乏による症状(中枢神経症状)
意識レベル低下・せん妄・見当識障害・けいれん
というように、深刻な状況になっていくのですが(なぜ血糖低下ではなく、ブドウ糖欠乏という表現をするのは不思議なのですが)、全て、血糖値が低下する事で「中枢神経」「交換神経」「副交感神経」に影響を及ぼしています。
中枢神経系とは、神経系の中で多数の神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域である。逆に、全身に分散している部分は末梢神経系という。脊椎動物では脳と脊髄が中枢神経となる。
交感神経系は、自律神経系の一つ。
「闘争と逃走の神経(英語ではFight and Flight)」などとも呼ばれるように、激しい活動を行っている時に活性化する。副交感神経系は、自律神経系の一部を構成する神経系であり、コリン作動性である。
交感神経系と対称的な存在であり、心身を鎮静状態に導く。自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。
体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。
その2つのバランスをそこなうのが「自律神経の乱れ」です。
不規則な生活やストレスによって自律神経の働きが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。
というように分類されています。
血糖・血糖維持は、生命を維持するうえで、とても重要なものです。
不足する事によって、色々な症状が生まれてしまうほどです。
ですが、これは脳に血糖が送られなかった事に起因するものなのでしょうか?
影響しているのは、中枢神経・自律神経系です。
中枢神経の中に、脳と脊椎が含まれています。
脳の中に中枢神経があるのではなく、中枢神経の中に脳が含まれるという事です。
つまり、中枢神経・自律神経で血糖不足を感じたからこそ、様々な影響が各所に現れるという事になります。
その中に脳や各種臓器に症状を感じるという事になります。
血糖値不足になったと言っても、すぐに脳だけに最優先に送られるわけではありません(割り当てられる量は多いかもしれないんでしょうが)。
当然ですが血糖は、一気に脳に集中してから分配されるわけでは無く、体全体に行き渡るように送られていきます。
各種臓器の供給血糖量が充足する事で、正常な機能を果たす事が出来るからです。
結果的には脳にも血糖値を安定させるために正常値には持って行かないといけないですが、その時には、他の臓器にも影響を与えています。
ですので、脳が緊急的に必要とするのではなく、神経系が正常に働くために、血糖値を維持する事が必要であるのではないかとも考えられます。
そもそも、消化器系の吸収の順番として、口に入ったものは、胃から小腸へ行き、そこから血液から門脈を通り肝臓へ運ばれ、そこから全身に栄養(糖質)が流れていきます。
小腸からダイレクトに脳に届けるためのルート(ホットライン)はありません。
脳が緊急的に必要となっている時は、身体全体が緊急的に必要とするくらいヤバい時であると考えられます。
これらの事から、身体は元気だが、脳だけが極端に血糖不足になっているという状態は、基本的に考えにくいと思います。
皆さんは、どのように考えるでしょうか?
もう少し続きます。
次回は、なぜ、「甘い物を食べると、疲れが取れる」という事につながるのか?という事についてです。