糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

糖質が持つ特徴と危険性について

医者は言いました。

「体中で炎症成分が回っているので、全身に痛みが生じている」

「消化の良い、おかゆ・うどんを食べなさい」

 


私は、この言葉に矛盾を感じています。

炎症で大きな影響を与えるといわれている「CRP(C反応たんぱく)」の話をしたいと思います。

 

CRPとは?】
CRPとはC-Reactive Proteinの略称で、C反応性たんぱくを指します。
身体の中のCRPは炎症反応が強ければ多くなり、弱ければ少なくなるため、血液中のC反応性たんぱくを測ることにより、炎症反応の指標として検査されています。
身体の中で炎症が起きたり、細胞の破壊が起こると急激に増加してくるたんぱく質です。
CRPの主な役割は体を守ることで、炎症、癌や細菌、ウイルス感染が起きていないかを調べるために検査されます。
CRPが増えるのは、基本的に体内に炎症を起こしている場合で、CRPの値が高いと「感染症」「関節リウマチ」「悪性腫瘍(がん)」「外傷」「心筋梗塞」「胃炎」「腸炎」などが疑われます。

【炎症とは?】
身体に起こる炎症には下記の2つがあるといわれています。

・急性炎症
怪我や病原体によって急性炎症は起こり、数時間から4週間程度で治まるものを指します。

・慢性炎症
炎症が急性炎症の期間で治まりきらなかった病気や症状の原因を抑えるために慢性炎症になります。
細菌やウイルスが残っていることで炎症が長引いたり、それを抑える効果が出たりすることにより、炎症と収束を繰り返すこともあります。
慢性炎症による疾患や症状では「ぜんそく」や「アトピー性皮膚炎」などのアレルギー性疾患、「関節リウマチ」などの自己免疫性疾患が良く知られています。
これらの疾患は長きに渡って辛い症状が続くことがあります。

 


血中の糖質の割合である血糖値が高ければ高い程、血中や身体のたんぱく質と結合しやすくなり、AGE(糖化最終生成物)が出来やすくなってしまいます。

体内で生成した糖化タンパク質はその後分解して様々な低分子物質が生成します。これらの物質を糖化最終生成物(advanced glycation endproducts;AGE)と言います。AGE(エイ・ジー・イー)というのは糖化反応による生成物の総称で、多数の種類が知られています。このAGEという物質が、さらにタンパク質を変性させ、炎症や酸化ストレスを高めて老化を促進します。

AGEは細胞外の結合組織に蓄積して結合組織のタンパク質(コラーゲンやエラスチンなど)をクロスリンク(架橋)して弾力性を低下させます。これは血管や皮膚が硬くなる原因になります。

AGEは細胞のタンパク質も架橋して変性させます。細胞質内の解糖系で代謝される途中の物質がタンパク質を糖化させることが知られています。糖の摂取が多くなり、細胞内での糖代謝が亢進すると細胞内のAGEも増えます。細胞膜や細胞内のタンパク質にAGEが結合すると細胞の老化が進み、働きが低下します。

 
糖質を摂取すればするほど、このAGEが生まれるリスクが高まります。

これは「炎症を引き起こす」ため、脳細胞破壊・アルツハイマー認知症の原因ともなります。


という事実があるのですが、炎症成分が体中に生じている(今回で言えば急性の炎症ですが)にもかかわらず、「炎症を引き起こすリスクが高まる糖質たっぷり」の、「おかゆ・うどん」を食べろという訳です。


AGEは長期的な観点からみるものかもしれません。

短期的な観点であれば、糖質を摂取する事で、血糖値が上昇します。

という事は、血液の流れがドロドロになってしまうため、患部に必要な栄養・免疫成分を早急に送り込まないといけないのに、それが潤滑に出来なくなるという事にも繋がります。


逆効果ではないですか?


と言いたいのです。


次回で最後にしたいと思います。