肉は基本的にとらないが、たんぱく質を意識して摂る事が大切と主張されています
さて、話を戻します。
途中でダイエット番組の話をしていきましたが、本筋は
「粗食をすればすべての問題が解決するような論調をしている事に危惧を抱いている」
という所から始まっています。
それで、色々な食事法・健康法にはルールがある(あるはず)ので、そのルールがどうなっているのかを明確にしていきたいと思います。
ルールなので、イメージで話をしてはいけないし、矛盾があってはいけないと考えます。
あるのであれば、しっかりと数値化であったり、明文化しないと、大きな誤解を与える事になってしまいます。
そこで、今回触れるのは、タイトル部分です。
肉は基本的にとらない
肉を食べてはいけないわけではありませんが、積極的に毎日摂らなければいけないものではありません。
あくまでも質素な食事内容を心がけるようにしましょう。
肉を食べたいときは、脂肪燃焼を促すL-カルニチンが豊富な赤身のものがおすすめ。
さらに大根おろしなどの消化の手助けとなる野菜を添えると、バランスのよい食事になります。
たんぱく質を意識してとることが大切
粗食ダイエットでは肉や魚といった動物性たんぱく質の摂取を積極的には行いません。
ただし、その栄養素や、そこに含まれる脂質やコレステロールも、人間の体を健やかに保つためには必要なものです。
全く食べないのではなく、適度にとる、ということを心がけましょう。
また、たんぱく質が不足しないよう、豆腐や油揚げなどの植物性たんぱく質も積極的にとるようにしましょう。
これは脂質が少ないため、ダイエット向きの栄養素です。
また、大豆に含まれる成分には、血液中のコレステロール値を低下させる効果も期待できます。
息抜きの日にはおいしい和食を
ダイエットは息抜きの日というのを設けると効果が高まる、といわれています。
これは粗食ダイエットでも同じことで、たまにはカロリーを気にせずおいしいものを食べることも大切です。
ただし、できるだけ和食を選ぶようにしましょう。
例えば、すき焼きや天ぷら、寿司など。見た目にも華やかで味が濃く、カロリーも高めですが、断続的に食べるのであればそれほど問題にはなりません。
ダイエットのモチベーションを保つためにも、ときどき贅沢をするのがおすすめです。
粗食を行なう事でのルールのように話されている内容です。
ここの部分にも少し違和感を感じます。
この部分をまとめると
肉は積極的に毎日とる必要はない
肉・魚は動物性たんぱく質であり、基本的にはしない
でも、脂質・コレステロールは必要なので、適度にとる
たんぱく質補給のため、植物性たんぱく質は積極的にとる
脂質摂取量も、コレステロール値も低下させるのでよい
和食であれば、息抜きでカロリーを気にせず食べていい
ときどきの贅沢(周期不明)息抜きでモチベーションキープ
もっと言うと、
動物性たんぱくよりも、植物性たんぱくを重視して摂取
動物性たんぱくは基本的に摂取しないが、脂質は必要なので適度(量は不明)にとる
でも脂質を抑えるから、植物性たんぱく質を積極的に行う
コレステロールも必要だが、低下させる働きがあるので、植物性たんぱく質を積極的に行う
という事でしょうか?
少なくとも私にはこのように感じます。
ダイエット方法の解説でよくあるパターンなのですが、
「結局、いったいどうしろと言いたいんだ?」
という説明になっているようでまるで説明していない、イメージ重視の言葉遊びで、受け手が混乱しやすい内容になっています。
おそらくですが、言いたい事は「動物性 < 植物性」だと思います。
ただ、その摂取量、摂取目安が「適度」としか記載がないため、実践・検証しにくいです。
「脂質も大事だが、抑えないといけないから植物性たんぱく質を摂取」
脂質は大事です。
特に必須脂肪酸であるオメガ3に関しては、青魚や油からの摂取が効率的です。
あとは、ナッツ類でクルミが有名でしょうか?
積極的に摂取しないという事なら、オメガ3を摂取する機会は大きく減少します。
ナッツで補なうから大丈夫という事でしょうか?
記載がないので憶測でしかないですが。
「コレステロールも必要だが低下させる働きがあるから、植物性たんぱく質を摂取」
摂取するコレステロールの目安量が書かれていないため、これも検証しにくいです。
コレステロールを下げる事が目的のように記載しているように感じます。
コレステロールは、人体に必要な成分です。
全ての細胞膜に必要であるし、脳からの情報を一つ一つの細胞に円滑に届けるためにも大きな役割を果たしています。
ホルモンの原料にもなっているし、脂肪の消化・吸収に必要な胆汁酸の原料にもなっています。
食べ物から摂取すれば、それを使うし、摂取出来なければ肝臓が作り出します。
体内で必要なコレステロール量は、身体の中で調整されるため、食事でいくら減らしても、減るわけがないのです。
一定量が存在する事が人体には必要だからです。
コレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないとされ、厚生労働省も2015年、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃しています。
低コレステロールのものを選んだところで、意味が無いのです。
ここから、よく取り上げられる話として、
「でも、脂質異常症には気を付けないといけませんよね?」
という話になります。
善玉悪玉コレステロールのバランス脂質異常症となり、これがもとで動脈硬化が進行するため、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らして脂質を正常化しようという話です。
それを解決するためにも
・抗酸化物質を多く含む食品
緑黄色野菜・ポリフェノール・ココナッツオイル
・HDL(善玉)コレステロールを増やす食品
青魚のオメガ3(DHA・EPA)・エゴマ油アマニ油
・LDL(悪玉)コレステロールを下げる
オリーブ油・ナッツ類・卵
といった、脂質・たんぱく質の摂取を推奨していますが、この粗食ではナッツ類以外を「積極的にとらない」としているため、基本的にアウトです。
そのため、摂取コレステロールを抑えようという提案をしているのであろうと思いますが、体内でコレステロールが不足していたら、肝臓で作られて、一定量は常に確保されます。
何のための制限なのでしょうか?
息抜きの日で不足分を摂取するつもりなんでしょうか?
ですが、この「息抜きの日」の頻度は設定されていません。
食事内容も「和食」で「高カロリー」「おいしいもの」はOKのようですが、例として挙げられるのは、すき焼き・天ぷら・寿司です。
「好きなものを食べる事」が目的になっているようで、「普段摂取出来ない栄養素をとる事」を目的としていないようです。
また、「ダイエットで息抜きの日を設ける事による効果増」という根拠が記載されていません。
一般論からの引用だと思いますが、言われているだけで、明確な検証データでもあるのでしょうか?
この粗食ダイエットでも提唱するというのであれば、どのように実践して、どのように変化していったのでしょうか?
実践例があったのでしょうか?
それが必要であるという理由やルールの根拠が、なにかあるのでしょうか?
その内容が一切取り上げられていません。
少し長くなってきたので、ここで終わります。
次は、粗食ダイエットをすすめるメリットについて触れていきます。