ダイエット番組の中で、よく分からなかった事
この番組では、色々な演出がされていましたが、よく分からない表現も多かったので、その話をしていきます。
「ダイエットに耐えられる精神力とイケてる女子になれる素質をチェックする」
という事で、前面鏡張りのトレーニングルームで、「自分をしっかり見つめ直す。鏡で直視する」事と「45分間動き続ける」事と、その後(?)の面接で8人を選ぶという事をしていきます。
「ダイエットに耐えられる精神力」は、まだ分からなくも無いのです。
45分間程度の運動で不満をぶちまけたり、番組の趣旨に沿ってくれなければ、番組が成り立たなくなる可能性は大きくなりますから。
ですが、「イケてる女子になれる素質」ってなんでしょうか?
見た目やキャラクター、性格、取り組む姿勢がある程度以上という事でしょうか?
素質の基準が全く紹介されないので憶測でしか語れませんし、このブログのテーマからも外れそうなので、違和感を感じたという事で終わりにしたいと思います。
ダイエットに関して、減量した体重差だけでは、公平とは言えないから、基準を設けられました。
「 現在の体重-体脂肪量の40%=目標体重 」
これで公平になるんでしょうか?
例として挙げていましたが、
68.2㎏の人は、目標値58.7㎏で、-9.5㎏ (体脂肪量23キロ)
105.2㎏の人は、86.2㎏で-19.0㎏ (体脂肪量47.5キロ)
となります。
体脂肪量の数値は紹介されなかったので、計算しました。
体重もそうですが、体脂肪も、初期値が大きいほど、少しの制限で大きく変化しやすいです。
例えば、体重120キロの人が30キロ落とすのと、体重80キロの人が30キロ落とすのでは、負荷の大きさは全く異なります。
そのための基準だとは思いますが、個人により身長や年齢や筋肉量も異なります。
ルール設定は必要であるとは思いますが、「体脂肪量の40%」という基準の理由も紹介されなかったので、残念です。
次に行きます。
医師の提案として、こんなものがありました。
・ダイエット法への間違った認識がある
・一つのダイエット法が万人に効果があるというイメージがついている
・そのため、ダイエット法に対する正しい考え方として、個人に合ったダイエットをした方が効果が高まり安全
さも、もっともらしく話をしていますが、根拠となるデータとして、何かあるのでしょうか?
ダイエット方法への間違った認識があるのは、私も実感できます。
日本人が大好きな、「〇〇だけでダイエット!」という無責任な手法がもてはやされてますし、「モデルの○○も実践!」といかがわしい商品が販売されていたりしています。
そこはいいのですが(良くはないのですが)、その後です。
「一つのダイエット法が万人に効果があるというイメージがついている」という言葉を裏返すと、
「一つのダイエット法では、万人に効果がない」という事になります。
検証したデータは、何かあるのでしょうか??
一つのダイエット法を、万人が行ったという検証結果があるのでしょうか?
そして、「個人に合ったダイエットをした方が効果が高まり安全」という事ですが、
「個人に合ったダイエット」という個人にあてはめるための判断基準は何でしょうか?
そもそも、話している「ダイエット」とは、食事だけに限定するダイエットなのでしょうか?食事と運動を前提としたダイエットなのでしょうか?
ダイエットの定義が曖昧であるにも関わらず、なぜ、そんな風に言えるのでしょうか?
また、現状と目標設定のギャップにも多くの個人差があるのに、それぞれでの最適な検証結果も表現されずに、そういう事を言えるのでしょうか?
「一般論として」という事が前提なのかもしれませんが、「ダイエット」として、イメージする事は、個人によって大きく変わります。
検証したのであれば、大きく分けて、こういう人に向いているという話も出来ると思います。
その結果が、4つのダイエット方法であると思います。
炭水化物を食べ過ぎるから、豆腐一丁ダイエット。
腸内環境が悪いから、腸内フローラダイエット。
ストレスで食べ過ぎる人はヘルシースナッキングダイエット。
運動不足で代謝が低い人は唐揚げダイエット。
そこから、こんな感じに分けたのでしょうか?
ですが、考えてみて下さい。
基本的に、過剰な体重で悩んでいる人は、
・運動不足
・炭水化物摂取過多
・空腹が我慢できず食べ過ぎる
・筋肉量が身体の割合からみると低いため、代謝も低い
腸内環境までの検証はしていないので分かりませんが、これらの要素を重複して抱えています。
分類の紹介の仕方がザックリ過ぎます。
食事内容にも触れますが、番組ではもっともらしくこの4つのダイエット方法に沿った食事を案内していましたが、基本的に全員が米飯(主食)を食べていませんでした。
豆腐一丁ダイエットをしている人も含めてです。
豆腐一丁ダイエットは、「朝食」の米飯を豆腐に置き換えるというダイエット方法です。
だったら、昼食・夕食は米飯を食べないといけないと思うのですが、食事内容では存在を確認できませんでした。
(ちなみに、最終結果として、豆腐一丁ダイエットをしていた人は、達成率178.9%と、断トツで体重を減らしていました)
糖質を抑える事で太りにくいという事を全員が実践しているにもかかわらず、それを紹介せずにダイエットは進行しています。
また、合宿終了後の最後の3週間は、ダイジェスト(10秒程度?)で放送され、どのように過ごしたかは紹介されていません。
本当に、4つに区分されたダイエット方法のルールに沿って実施された結果なのかどうかが確認できません。
合宿中のメニューですら、ルールが崩れている(糖質を摂らないといけないというルールもないですが)のに、映像外で前提が守られている確証はあるのでしょうか?
「個人に合った内容のダイエット」をするために、体環境の変化とともに内容が随時変化していったのでしょうか?
それならそれでいいのですが、ダイエット内容が変化したのであれば、検証が出来ないので残念ですし、視聴者に間違ったイメージを与えているとも感じます。
あと、司会の人や周囲の人が話していましたが、
「結果が出たのは、事前にどのダイエットがあっているか検査を受けてやっているから、ここに行きつくんですよ」
「だって、唐揚げ食べてやせるとは思わないですよね~」
あくまでも、検査ありき、専門家の意見(医師の診断)ありきでのスタートという表現です。
それ自体は良いと思います。
ですが、食事内容を見直せば、基本的に健康な体(今回であれば、腸内環境改善と体脂肪減少)になっていきます。
それを「どのダイエットがあっているか検査を受けたから成功に繋がっている」という表現にするのは間違いです。
検査はただの診断を下すためのものですし、きっかけですから。
ルール内容がいまいちのスナッキングダイエット以外の事を組み合わせてやれば、基本的に健康的に痩せていきます。
誰も米飯を食べてませんし。
スナッキングダイエットでは、ドライフルーツを取っている姿も見なかったような気がします。
ゆで卵サイコーと話していました。
司会者があえてこの言葉を言ったのであれば、(言うように指示があったのであれば)何かの圧力を感じます。
医師への忖度でも働いているのでしょうか?
最後に、一つだけ言いたい事があります。
ずっと不思議に思っている内容であり、前述した内容でもあります。
「個人に合ったダイエットをした方が効果が高まり安全」という事を前提にするのは、良いと思います。
だったら、なぜヘルシースナッキングダイエットの時だけ、
「ちなみに海外では、ミランダ・カーなどの有名モデルも実践しているとか」
という紹介をしたのかが分からないです。
個人に合わせるのに、なぜ「有名モデルが実践している」という情報をいれたのか?
個人と有名モデルの体格や生活環境が、合致するのでしょうか?
理想を追うのは、まぁ、悪くはないと思いますが、なぜ、途中の色々な過程をすっ飛ばして、モデルも実践しているという紹介の仕方をするのでしょうか?
体重100㎏以上あるような人が、今の有名モデルと同じような生活をする事が出来るでしょうか?
有名モデルも、色々な過程を経てから、現在の姿になっているにもかかわらずです。
挫折しろとでも言いたいのでしょうか?
ここの部分を中心に、一貫性の無さと、番組の最後の人気投票のようなショーパフォーマンスの演出の部分に残念さを感じてしまいます。
この構造は、残念ながら変わらないのではないかと感じています。
知識を中途半端に与えて、効率悪くするようにさせて、出来なければ、「私たちのようなプロに任せなさい」「こんな運動をすれば理想の体型になりますよ」という言葉に耳を貸してしまうんでしょうね。
根本的な部分を教えない方が、高額な料金設定にも関わらず、何度も利用し継続してくれる「良いお客様」になってくれますから。
このブログの読者が、そんな情報に惑わされずにいられるよう、色々な情報を提供していこうと、改めて思いました。
長くなりましたが、今回で、このテーマでの最後にしたいと思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました。