野菜ジュースと血糖値
前回の続きです。
野菜ジュースの事を調べていて気になる事があったので、それについて感じた事を話していきたいと思います。
野菜ジュースにも野菜と同様の効果が得られるか実験を行いました。
その結果、野菜と同様に野菜ジュースを食事前に飲むことで、食後の血糖値の上昇を抑えられることを明らかにしました。
実験では、健常な大学生を対象に白米を摂取する15分前、30分前、60分前に野菜ジュースを摂取してもらい、それぞれ白米だけを食べた時と、血糖値最大変化量を比較しました。(白米と野菜ジュースの合計糖質量は50gに統一)
この結果より、白米摂取の30分前に野菜ジュースを飲むことが最も効果的であることがわかりました。
という研究が行われ、成果が出たとありました。
詳しく見てみると
野菜ジュースを食前に飲むことで、メタボリックシンドローム(以下メタボ)の原因の一つである食後の血糖値の上昇が抑えられることを、ヒト試験で明らかにしました。
また、野菜ジュースを食事中に飲んだ場合は、食後の血糖値が速やかに低下することを確認しました。
・野菜ジュース200mLを白米106g摂取前に摂取(15分前、30分前、60分前)
・野菜ジュース200mLを白米106gと同時に摂取
・白米150gのみを摂取
※全体の糖質量は50gに統一しました。
※事前に試験計画を十分に説明し、同意を得られた方を対象に実施しました。
野菜サラダにくらべると、市販の野菜ジュースの良さは、その手軽さです。
朝起きがけに野菜ジュースをコップ1杯飲むだけで食後血糖が改善できるわけです。
ただし、野菜ジュースの効果だけに期待して野菜ジュースを飲み過ぎるのではなく、食事全体のカロリーなどにも気を付けて、バランスの良い食事をすることが大切です。
今後は、耐糖能異常のある人にも同様の効果があることを明らかにして参ります。
今後は、どれくらいの量の野菜ジュースを飲むと効果的なのか、野菜ジュース中のどの成分がどのようなメカニズムで効果を示しているのかを明らかにしてまいります。
という感じで、健常な大学生8名に、調査した所、
「白米摂取の30分前に野菜ジュースを飲んだ場合に最も高い効果が見られました。」
という結果が得られたそうです。
実際、食べ合わせにより、野菜を食べた後30分後くらいに糖質を摂取しても、血糖値が急上昇しにくいという結果は出ています。
さて、私が着目するのは、
「「野菜ジュース」と表記されている点」
です。
注目点・前提条件として提示されているのは、あくまでも糖質量です。
それが50gとあります。
白米が106gであるなら、糖質量は約35gに相当します。
残りの15g分は、野菜ジュースで補われる事になります。
どんな方法で作られたものなのか?
どんな材料を使用したのか?
フレッシュな野菜を目の前でミキシングして作られているのか?
調理のタイミングはどうなのか?
という事に、全く触れられていません。
何よりも、野菜ジュース販売メーカーが研究に携わっているにもかかわらず、商品名を出さずに「野菜ジュース」と表記しています。
この結果が出たのであれば、自分の商品を最大限アピールできる場でもあるにもかかわらずです。
(ひょっとしたら、研究の場では商品名を出す事が出来ないのかもしれませんが(変動値があり過ぎて?))
(それとも、野菜ジュースだと食物繊維の量も少なくなるから、それで使えないのかも?という憶測が頭をよぎります)
目の前で計算された生の野菜を使っても、「野菜ジュース」です。
加工されて商品化されたジュースも、「野菜ジュース」です。
おそらく、前者が検証時に使われたのではないかと感じます。
結果が出やすいであろう方法を採用するからです。
ミキシングも、ガンガン行なったら熱で栄養素が壊れる可能性もあるので、低速で行なっていると思います。
食物繊維も多い物を中心に使用している可能性も高いです。
血糖値は食物繊維の量に応じて変化しやすいですから。
食物繊維が多くても少なくても「野菜」である事には間違いないからです。
野菜ジュース200ml・糖質約15gという条件しか書かれてないため、市販されているような飲みやすさの割合でない可能性も考えられます。
市販の野菜ジュースで多用されるトマトの食物繊維含有量は、比較的少ないですから。
メーカーが協力して行なう実験ですから、メーカーが今後販売に繋がりやすいようなイメージ戦略を行なう事は、容易に考えられます。
今回の実験では、
「野菜サラダでも、野菜ジュースでも、同等な結果が得られる」
という「答えを出す事」が目的のように感じられます。
「野菜サラダを食べるよりも、野菜ジュースの方が手軽だよね?」
「だったら、移動中にも飲める野菜ジュースが健康にもいいよね??」
という感じのイメージ戦略です。
こんな事が気になったのですが、考えすぎでしょうか?
皆さんは、どう感じたでしょうか?