糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

目的と目標をはき違えないようにする

前回の続きです。

 

350gの野菜をとる事についてですが、色々な人の話を聞いていると、どんどん目的が変わっているように感じて仕方が無いです。

前回野菜ジュースの話をしたのでそれの補足からしたいと思います。

 

野菜には多くのビタミン・ミネラル・酵素が含まれています。

ですが加工すると、一部ミネラルはともかく、ほとんどが変性します。

濃縮還元する事で、熱が加わり、ビタミン・酵素は変性・失活していきます。

補酵素は熱に強いようですが、ビタミンCについては、

 

「※ビタミンCは原料によるばらつきが大きく、殺菌工程や保管状況によって失われることもあるため、ゼロとしています。」

 

というようなメーカーの表記があります。

栄養成分として表記されているのはPFCの他に、

ナトリウム
カリウム
カルシウム

マグネシウム
ビタミンE
ビタミンK
葉酸
リコピン・βカロテン(ビタミンA)

です。

ビタミンについては、熱に強い脂溶性のものが表記され、水溶性のものがありません。

元々少ないという事もありますが、その中でも一番多いビタミンCは、先述したように「検出されないもの」として扱っています。

野菜ジュースのパッケージにも、「野菜350g分使用」と表記されているように、あくまでも

 

350g分の野菜を摂取した時に得られるであろう栄養素が入った(水溶性ビタミン除く)野菜汁を詰め込んだもの

 

という事になります。

野菜汁というのは、パッケージにも記載されていますので引用しました(野菜汁100%食塩無添加という表記あり)

 

成分表記方法も、メーカーに応じて変わってきます。

食品・健康食品に関しては、成分表記の記載が求められていますが、これは加工前の場合が多い(大半)です。

 

この野菜ジュースで例を出すと、

1 350g分に該当する食品の使用割合で、栄養成分を計算する
2 加工処理を行なう
3 加工により、多くの栄養素が失われているかもしれないし、していないかもしれない
4 加工前のデータで算出された栄養成分を記載して、商品を販売する

という感じです。

 

また、1の部分でも、あくまでも成分を一つ一つ調べているのではなく、例えばトマトにはこれくらいの栄養素が含まれているという過去の算出データを基に、計算されています。
現時点でのものではありません。
そして原材料の仕入れは多岐にわたると思います。
算出されたデータよりも良いものもあるかもしれませんが、大半はそれに満たないものであると思います。

 

安価で入手する方が、利益が大きくなりますから。


大量に安く仕入れるのであれば、質が良いものである可能性は、さらに低くなります。

 

原産国の種類や、トマトの品種の表示はしなくていいですから、見えない部分では、どうとでもなります。

トマトは「トマト」ですから。

 

 

さらに合わせてメーカーから提案されているのは、

 


様々な栄養素を手軽に摂ることが出来るのが野菜ジュースの良いところ。
だからといって野菜ジュースさえ飲んでおけば健康になれるわけではありません。
健康的な食生活の基本は色々なものを少しずつ、バランスよく食べることです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」というように、同じものを摂りすぎるのは良くありません。
これは野菜ジュースも同じです。
普段の食事で野菜をバランスよく摂るように心がけ、野菜ジュースは野菜摂取の補助としてお役立てください。

 


という文章です。

つまり、メーカー自ら、

「これだけでは足りないから、しっかり食事から野菜を食え」

と言ってる訳です。

 

水溶性のビタミンはまるで取れていないので当然ですが、加工した後に残った栄養素は少ないものであると言っているようにも、私は受け取ってしまいそうになります。

 

というか、私はそう考えています。

 


皆さんは、どのように感じるでしょうか?

気になる部分が少し出てきたので、あとちょっとだけ続けます。