糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

理想論は分かるのですが

皆さん、今の話の流れについてきてこれているでしょうか?

途中から読みだした人は、流れを掴む事が出来ていないかどうか?少し心配になっています。

 

流れとしては、粗食についてというテーマで、そこから、「粗食は本当に健康につながるのか?」という所を掘り下げています。

で、粗食の成功(?)のために必要なのが、「食欲をコントロールする事」「満腹感を演出する」だという事ですが、「これって、本当に出来るの?」という部分に触れています。

このテーマを書ききるか、時間が出来た時に、まとめた物を投稿しようと思っています。飛び飛びになっている部分もありますから。もうしばらくお待ちください。

 


その、食欲をコントロールする方法として挙げられやすいのが、

1. 食事を一口運んだら、必ず箸を置く

2. よく噛む工夫をする

3. 多めの野菜で満腹感を演出する

4.うまく食欲をコントロールする

という事らしいです。

trdschoolmm99.hatenablog.com

詳細は、上記リンクより。

 


上記の(1)については、面倒ですけど、周囲から「何してんの?」と、いじられる可能性もありますけど、有効的な部分を感じます。

食事のペース(時間)を長くすることで、少ない量でも満腹中枢を刺激し、満腹感を生み出していくという方法論です。
満腹中枢は、少しずつ満腹感を強くしていくため、ゆっくり食べたら、全体的に食べる量が少なくなる可能性が高くなります。
そのため、総摂取カロリーも少なくすむため、「ダイエットにいいぞ!」という事に繋がるわけです。

 

ただ、実現が難しい部分もあります。

外食時、込み合う定食屋に入ってこの方法を実践しようとしても、周囲はさっさと食べ終わり、客は入れ替わっていきます。
定食屋のピークは、12時前後~13時前後です。
昼休みが12時~13時の所が大部分ですから。
店側はその限られた時間で、どれだけ客を回転させるかが勝負になります。
そんな中でゆっくりと食べようものなら、店側からも並んでいる客からも、白い目で見られる事請け合いです。
自身は自分の健康について気遣っているつもりでも、周囲からは「嫌がらせじゃないか?」と思われてしまう可能性が高くなってしまいます。

 

家庭でもそうです。
基本的にさっさと片付けて(家事を済ませて)色々な事をしないといけません。
欧州のようにゆっくり食事をする文化が家庭にあれば良いのですが、共働きをしている家庭がほとんどであり、かつ仕事の出勤のために朝なんかはバタバタしている人は多いと思います。

家事の時間を減らすため、パパっと作れるものを作り、チャっと片付けたいと思っている人は多いと思います。

そんな中で、一口食べて~というような事を「健康のために」と主張しても、理解を得られなければ、

「さっさと食え」

「だったら、あなたが片付けろ」

「この片付け方は何だ?汚れが落ちてない。やりなおし」

と、簡単に家庭内不和のきっかけとなってしまいます。

子供たちも、学校では食育として「よく噛んでご飯を食べましょうね?」と教えられているかもしれませんが、家庭の多くでは「さっさと食べなさい」となります。

そういった人は、どのようにしていけばいいのでしょうか?(考えすぎですか?)

この記事を書いている人は、よほど時間に余裕のある人ではないかと感じてしまいます。


(2)についても同感です。

噛む事で満腹中枢が刺激されやすいのは、皆さんもご存知だと思います。
唾液量も増加し、固形が小さくなるため、消化もされやすくなります。

ただ残念ながら、市販されているもので「歯ごたえがあるもの」「噛み応えがあるもの」という存在が、かなり少なくなっているという現実があります。

 

一般的に、市場で好まれやすいのは、「食べやすいもの」です。

魚で「骨なし」のように加工されたものが商品化されています。
「玄米が健康的」といくら周囲から主張されても、大半が白米を購入しています。
外食産業でも、玄米を出す所は少なく、あって麦飯ぐらいでしょうか?

 

好まれる食感表現方法として「ふわふわ」「もちもち」「トロトロ」「サクサク」というような言葉を使うと、商品の販売個数も延びやすいという現実があります。

牛丼屋が最初だと思いますが、「早い」「安い」「旨い」という事が、特に仕事中の昼休みの食事としては、好ましいものとして受け入れられています。


「食べやすい」という事は、「噛まなくてよい」「食べるのに手間(時間)がかからない」という事です。

高齢者が入居する施設では、事故防止の観点から、のどに詰まらせないように(誤嚥防止)柔らかくしたり、噛む力が低下した人のために食塊を小さくしたりといった工夫がされています。

そいういった部分は別にしても、基本的には「柔らかいもの」というものが良いという傾向にあります。

高級牛肉でも、サシが入っているものが評価が高いです。

それが「希少価値が高い」「柔らかい」「脂の旨味が凄い」という事で値段は跳ね上がっています。

その逆で赤身で筋張った所は、「硬い」「食べにくい」(これだけが理由ではありませんが)と、安価に設定されています。

「A5ランクのサーロイン・ヒレステーキ」は良く聞くのですが、「A5ランクの牛筋肉」が主役となってテレビで紹介されたものを見た事がありません。

牛筋だとしても、トロトロに煮込まれているものがほとんどです。

歯ごたえがあるものが少ないために、噛もうとしても噛めないものが大半です。


そこで、例に挙げられているものについての話をしたかったのですが、長くなってきているので、次に続けます。