糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

飢餓状態とは??

ここで、「飢餓」という事に触れていきたいと思います。

 

この言葉は、栄養学の勉強をしている時にも、ちょくちょく出てきます。

「飢餓状態では筋たんぱく質の異化が進み、グルコース・アラニン回路が機能する」

「飢餓状態患者では、リフィーディング症候群を発見するために、血清リン値を確認する。」

というような感じです。

 

糖質制限食に抵抗がある人の主張の中でも、こんな感じで使われます。

 

 

飢餓状態になったときには筋肉を作っているタンパク質を分解してエネルギーを得るので非常に困ったことになります
糖質制限ダイエットは、脂肪やタンパク質を口に入れているので空腹感を覚えずに居ながら、直ぐにエネルギーに変えられる糖質の摂取を制限することによって、 半ば飢餓状態にし、生きるために必要という名目で脂肪を分解させているということなのでしょう。

 

 

人間の主なエネルギー源を絶っている状態なので、頭はボーっとし、体もだるくなります。
この状況では体は猛烈に糖質を欲しています。
糖質の摂取を諦めた体は、ケトン体を作り始めます。人間は飢餓状態に陥ると体脂肪や筋肉を燃焼させて糖質の代わりになるケトン体を作るのですね。
このダイエット法は明らかに体を飢餓状態に陥らせるものですが、ケトン体ダイエットといって一つのダイエット法になっています。
さらに飢餓状態では人間は生命維持に関係ない機能から削っていきます。
まず髪の毛や肌を綺麗に保つ必要はないので、そこの細胞分裂を抑えます。
そうすると、古い細胞が滞留し、髪や肌は老化していきます。

脳は多くの糖質を消費するので、思考力を意図的に低下させます。
つまり、脳に送られる血液や栄養素が少なくなります。
飢餓状態に陥るダイエットは客観的に考えれば体にメリットがないですし、実際にやってみると体に害があることも直感的に判断できるでしょう。
しかし、脳が働かなくなっているので、そういった判断が出来なくなっている部分もあります。
冷静に考えれば体が飢餓状態に陥ってやばいとわかりますし、感覚的に違和感を感じるはずです。
それにも関わらず、栄養を制限されて思考停止に陥った脳は判断してくれません。
テレビ番組で摂食障害に陥るまでダイエットしてしまった人などが紹介されていることがありますが、一つの原因として脳の機能が低下してしまっていることも挙げられるでしょう。
普通に考えればわかることであっても、機能低下した脳では判断できなくなっているのです。

 


2番目のは長くなったんですが、ある程度の長さの文章を抜粋しました。


この方の主張は凄いです。

主なエネルギー源である糖質を摂らなくなると、飢餓状態になって脳も働かなくなって、体に害があるのだが直感的に判断できなくなる。
感覚的にも違和感を感じるはずだが、栄養を制限されて思考停止に陥っているから、脳は判断できなくなる。
普通に考えればわかるが、それすらも出来ないから危険である。

 

という感じで、糖を摂取制限するだけで、何も考えられなくなるそうです。

糖質制限では、たんぱく質、脂質をその分多く食べてエネルギーを摂取しているのですが、それでは脳は「正しい」判断が出来なくなっているそうです。
それ以上の過酷な減量に苦しんでいるボクサーは、減量により感覚が研ぎ澄まされるという経験をしています。
味覚、嗅覚、視覚、触覚が鋭くなった実感があったという話をする人もいます。
また断食をする事により、体調管理やパフォーマンスの向上に役立つという意見もあるのですが、それについてはどのように考えるのかをぜひ、聞かせて欲しいものです。
糖質制限よりも糖質を摂っているから問題ないというような感じでしょうか??

糖質制限でも、糖質摂取はカロリーの10%摂取を目標値としているのですが。

 


こういった主張をしている人は、残念ながら、医療関係者に多いです。

今でこそ糖質制限に対する認知度が高まってきているのでマシなのですが、「ご飯(主食の事です)を食べない=ケトン値が上昇する=身体が危険な状態(飢餓状態)」と短絡的に結び付けて、米を食えと圧力をかけてきました。

今でもあると思いますが。

 

「飢餓」

 

という言葉がありますが、人によって受け取り方・使い方が異なるようなので、少し整理していきたいと思います。

 

少し長くなりましたので、続けます。