糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

「糖質は血糖値を上昇させ、たんぱく質はある程度、脂質は緩やかに上昇させる」について

それでは、続きを行きます。

 

②の「糖質は血糖値を上昇させ、たんぱく質はある程度、脂質は緩やかに上昇させる」についてです。

 

 

f:id:trdschoolmm99:20180412090904j:plain

 

 

この出展は、2001年9月(?)くらいに出版された「糖尿病教室パーフェクトガイド」に記載されているものです。

1997年にアメリカの糖尿病学会で発表されたグラフです。

それがまとめられて日本にも伝わり、この考え方を持っている人も多いです。

 

ですが、その7年後の2004年、同じ学会で、

 

 

「このグラフは間違いであったと訂正の発表」がされています。

 

 

にもかかわらず、日本ではこの考え方が都合が良いためなのか?それは分かりませんが、この知識が正しいとする人は多いです。

 

「それが正しいと勉強したから」

 

という事が理由なのかもしれません。

そういう人に限って、「毎日が勉強だから、日々学ぶ意識を大事にしている」とか話したりして、自己矛盾に陥っている人も多いのが残念です。

普段通り・いつも通りというのが、人間にとって楽であるのは間違いないですからね。

 


私が栄養士学校に通っていた頃、授業で必須の書籍がありました。
食品成分表です。

私は2012年3月発行の第7版(2010年度版)を購入していました。
その後、私の卒業する間際に、2015年度版が出版されるようになっていました。
私にはもう授業を受けるという意味では必要なかったのですが、一応目を通しました。
どのように変化しているのか?時代の流れはどうなっているのかを確認しておく必要は、当然あるからです。

そこで、このグラフを見つけました。

 

意味が分かりませんでした。

 

私が使っていたものに関しては記載がなかったグラフだったのに、ここにきて掲載がされていました。

アメリカ糖尿病学会では、明確に否定されたグラフが、当然のように掲載されていました。

その時の教師にも確認に行きましたが、「え?本当?何でだろう」と言われ、確認しとくねと言われましたが、答えを得る事なく卒業しました。
私もしつこく聞かなかった事と、聞いても教科書通りに教えるしかない立場でもあるので、解決はしないだろうと踏んだのも理由の一つです。

 

このようにして、残念ながら間違った考え方・イメージが、水面下で広がっているのが現状です。

 

学校でしか学ばないので、教科書・参考書に書いてあれば、それが正しいと認識するのは当然です。

 

このグラフをあえて掲載したのは、何かしらの意図があるように思えて仕方がありません。

掲載をするだけして、指摘を受けたら

「あ、間違っていました。訂正をお願いします。」

というような感じで済ませようとしているのでしょうか?

指摘を受けなければ、

「そういうものなんだ」

と刷り込みを行わせるのが目的でしょうか?

憶測なので正解は出ませんが、栄養士で変わる事が出来ない人が多いのは、こういう所にも原因はあります。

 

栄養士は、基本的には真面目な人が多いです。

ただ、最初に刷り込まれている内容が間違っているものであったり、決められたことを従う事で、栄養士としての役割を果たしているというように考えている人も多いのも事実です。

ですので、このような発言をする人に対しても、前回の記事の内容と同様、議論をしても対立が生まれやすくなるだけです。

「あっ・・・」と察してあげて、話を聞いていけばいいと思います。

 年配の人であろうと、若い人であろうと、関係ありません。

大きな組織になればなるほど、自分の主張を通そうとする人は多いです。

理由は前回お話しした通り。

 

「組織に所属しているから」

 

です。

だからこそ、私のようなフリーの管理栄養士の存在が必要ではないかと考えています。

私だったら、組織や商品のしがらみがありませんから。

色んな視点で話をする事が出来るからです。

 

と、自分を持ち上げてみたいと思います。

 

続くかもしれません。