食物繊維万能説
前回の続きと行きたかったのですが、ちょっと間に別の話題を入れます。
くれぐれも誤解して欲しくないのが、食物繊維が必要ではないという事を言いたい訳ではないので、それを留意して続きをお読み下さい。
野菜摂取等により、腸内細菌に必要な食物繊維を供給してくれます。
一日の基準として
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、国民健康・栄養調査結果をもとに一般的日本人の食物繊維摂取量が少ないことを考慮し、今後5年間実現可能な量として成人の食物繊維「目標量」を1日19g以上としました。
男性では20g以上、女性では18g以上です。
しかし、毎日の健康なお通じのためには1日20g、また心筋梗塞による死亡率の低下が観察された研究では1日24g以上と報告されています。
そんな感じなので、「しっかりと食物繊維をとりましょう。」という事に話が進んでいくわけです。
そんな中、私が色々と調べるうちに、
「〇〇の食材で食物繊維を大量に摂れるのは、女性には嬉しい」
という言葉をみかけました。
何故「女性には嬉しい」なのでしょうか?
食物繊維摂取量としては、男性の方が基準が高いです。
より効率的に摂取できるという意味では、「男性にとって嬉しい」となるはずなのに、女性にとって嬉しいと表現されています。
そのサイトには「なぜ女性には嬉しいのか?」という理由については全く記載されていませんでした。
唐突にこの言葉が使われていました。
あたかも「食物繊維=女性が喜ぶ」という方程式が当然のように成り立っているかのようです。
違和感を感じたので、ある程度の予測を立てて色々調べていましたが、このサイトの本位は分かりません。
説明の記載がありませんから。
ただ、おおよその理由で言うなら、「便秘で悩む女性が多い」という事ではないかと思います。
便秘の悩み ⇒ 女性が多い ⇒ 食物繊維を摂ればいいじゃない
という事から、「女性には嬉しい」という表現が唐突に使われたのかな?と「憶測」が出来ます。
食物繊維の働きとして有名なのは、
●腸内環境の改善
●排便を促進し、便秘を解消
●コレステロールの吸収抑制
●血糖値の急激な上昇を抑制
といった所を上げる事が出来ます。
皆さんも、聞いた事があるのではないかと思います。
上手にとれば、健康維持向上に役に立っていくと考えられています。
次に、便秘について簡単に言うと、
不溶性物繊維分の不足 → 便のかさは増えず,大便が出にくい。
水溶性食物繊維の不足 → 便が硬いままで,便が出にくくなる。
というように表現しているサイトもありますが、恐らく間違いではないと思ってはいます。
さて少し話を変えますが、便秘にも色々と症状によって区分があります。
簡単に話したいので省略しますが、習慣的なものが要因で起こるものは、3つとされています。
弛緩性便秘
大腸のぜん動運動が弱くなったり、筋力の低下で、便を押し出すことができなくなるために、起こる便秘。
高齢者やお産を経験したあとの女性に多いです。
健康な大腸は一定の緊張とリズムをもって運動しています。
ところが、大腸の運動と緊張が低下すると、腸のなかの内容物の通過が遅れ水分の吸収が増加するために便秘が起こります。
これが弛緩性便秘です。
排便時に腹圧をかけるのに必要な、腹筋などの筋力が弱まることも便秘の原因になります。
痙攣性便秘
心理的ストレス等により、自律神経が乱れ、腸のぜん動運動が強くなりすぎてしまったために、起こる便秘。
このタイプの人は、下痢と便秘を交互に繰り返しておこる場合があります。
ストレスや感情の高まりにともなう自律神経のアンバランス、特に副交感神経が緊張しすぎることによって起きる便秘が痙攣性便秘です。下行結腸に痙攣した部分が生じ、その部分が狭くなり便の正常な移送が妨げられるために起こります。痙攣を起こした上部は腸の圧力が高くなるため、腹が張った感じがして、不快感や痛みを感じます。排便があっても、便の量が少なく、固い塊(兎糞状)となります。排便後には少しは気持ちがよくなりますが、十分に出きった感じがなく、すっきりしないなど、便の残留感を訴える人が多いようです。
このような人は便秘の後に、腸の収縮した部分より上のほうで水分の量が増えるため、水様の下痢を伴うことがあります。
直腸性便秘
便が直腸に到着したにもかかわらず、便意が伝わらないために起こる便秘。
便意をがまん癖のあることでおこる場合があります。
便が直腸のなかに進入すると、直腸の壁がのびてその刺激で便意が起こります。
ところが、せっかく起こった便意をこらえて排便を怠たったり、我慢するとやがて便意がなくなります。
我慢が度重なると、刺激に対する直腸の感受性が低下して、直腸内に便が入っても便意が起こらなくなってしまい、便秘となります。
このタイプは直腸性便秘、あるいは習慣性便秘と呼ばれる便秘です。
あと追加で、ストレスと便秘の関係性について
ストレスを受けると精神だけでなく身体の方も影響を受けて調子が狂ってきます。
腸にも症状が現われ、便秘をしたり、下痢をしたりする過敏性大腸症候群と呼ばれる症状があらわれます。
また、便秘と下痢を交互に繰り返す場合もあります。
健康人を調査したところストレスなどで大腸が痙攣を起こしたとき、若い男性では下痢が多く、若い女性では便秘の症状が起きやすいようです。
痙攣性の便秘では兎糞状の便になりやすいといわれており、若い女性の便秘の多くはこのタイプです。
便秘の解消に進められている方法と言えば何を思い浮かべますか?
水分
運動
食物繊維
生活習慣
等々
筋力の低下を防いだ方が良いと考えられるので、運動は大事だと思います。
血行も良くなりますし、腹筋の刺激、内臓への刺激になります。
水分摂取も、朝一番の水分補給で内臓への刺激となります。
自律神経への刺激にもなると思うので、良い影響を与えると思います。
生活習慣も大きな影響を与えると思います。
ストレスも大きすぎると良くは無いですし、我慢して排便したいときに出来ない事で、排便の刺激が小さくなる可能性は、大いに考えられます。
食事も少なすぎると、そもそもの排便量も少なくなるので、食事の量もある程度は必要ではないかとイメージできます。
最後に食物繊維です。
上記の原因を見ても、どこにも「食物繊維不足」という言葉は見当たりません。
手助けとしてはもちろん必要かもしれませんが、不足したから便秘になっているというような言い方をしている症状はありません。
上記で「便秘の原因」として挙げられているのは
筋力不足
水分不足
ストレス
自律神経の乱れ
我慢し過ぎによる刺激低下
女性でも、若い女性の便秘の多くが過敏性大腸症候群で、ストレスが原因であると考えられています。
食物繊維は?
続きます。