糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

チョコレートの依存症について

前回の続きと行きたかったのですが、少しおかしなアプローチをしていた番組があったので、それについての話をします。

 

番組自体は、「依存症」をテーマに取り上げていました。

知らないうちに、あなたも依存症になっている場合がある。
マスク依存症
ネット通販依存症
買い物依存症
タバコ依存症
スマホ依存症
SNSいいね依存症

というものを例に挙げていました。

その中で紹介されたものの一つが、「チョコレート」でした。

あまりにも大量に食べ過ぎてしまうと、それだけでは生きていられなくなる「チョコレート依存症」という紹介をされていました。

どんな内容かと思って関心を寄せてみると、

 

カカオのカフェインに依存症がある
脳の働きがマヒ
不眠
めまい
イライラ
頭痛
が起きる場合も・・・

 

話はこれだけでした。

番組によると、カカオのカフェインに依存症があるそうです。

 

調べてみました。

 

チョコレートには、確かにカフェインが含まれています。

カカオ分45~59%のチョコレートで、100gあたり、43㎎含まれているようです。

健康のためにカフェイン摂取量を、成人は1日400㎎未満に抑えた方が良いという提言を、2015年、欧州食品安全機関(EFSA)が発表しています。

上記のチョコを500g以上食べ続けると、カフェイン依存症になりやすくなるという話になってきます。

ちなみに、コーヒー一杯200gで、80㎎のカフェインが入っているので、4~5杯までが適当な量だという事です。

一回のカフェイン摂取量が、200㎎を超えないようにするべきとも言われています。

 

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ですが、ここで考えて欲しい事があります。

 

カカオ分50%前後のチョコレートをイメージしてみて下さい。

ダークチョコレートの部類に入るであろうチョコレートです。

板チョコ1枚は、だいたい60gです。

 

カカオ分が多いチョコレートを、板チョコ2~3枚分くらいを日常的に食べている人は、周囲にどれくらいいるでしょうか?

 

カカオ分が多いという事は、当然風味・苦味も強くなります。

食べるように習慣づけている人もいるかもしれませんが、個包されたチョコ(5g程度)を数個食べれば満足出来るのではないでしょうか?

 

スニッカーズのカフェイン含有量を見てみると、100gあたり、8㎎です。

M&MSピーナッツの配合量は、100gあたり、10㎎です。

ミルクチョコレートの配合量は、100gあたり、20㎎です。

 

ミルクチョコレートだけでカフェイン400㎎を超えるためには、2000g以上を食べなければいけません。

2キロですよ?2キロ。

1枚60gだとしたら、1日30枚以上です。

スニッカーズなら、5キロ以上です。

中毒性が生まれるには習慣的にとり続ける必要がありますから、毎日それくらいに匹敵する量をとらないといけないのですよ。

毎日箱買いする事が必須です。

板チョコは1ロット(出荷の最小単位の事)で10枚入りが多いですから、ガーナチョコレートだったら1枚50g

50g×10枚×4箱で2㎏です。

これだけの量を毎日食べている人が、日本にどれだけいるでしょうか?


番組がかなり現実にそぐわない表現をしていると思うのは、私だけでしょうか?

 

 


以前、バレンタインも近かったので、チョコレートの話をしました。

 

trdschoolmm99.hatenablog.com


この番組では、チョコレートの「カフェイン」が依存症の原因としていました。

チョコレートを食べ過ぎると、カフェインのとり過ぎになって、様々な症状を生み出してしまうとも放送していました。

カフェインには依存症は確かに存在するので、そこにつなげたかったようですが、実際に依存症になるために必要なカフェイン量を摂取するためには、現実離れしたチョコレート量を摂取し続けなければいけません。

 

ですが、チョコレートを食べると、イライラのようなものは確かに生まれます。

依存症が起きる原因は、チョコレートに関して言えば、原因がカフェインだとするのは、とても乱暴です。

原因は、チョコレートに圧倒的な量が含まれている、砂糖です。

下手したら、商品の半分近くが砂糖の場合も有りますからね。

 


チョコレートの食べ過ぎによって起きる依存症の原因は、カフェインではなく、「砂糖」と考えるのが自然です。

チョコレートをしっかり管理して食べられている方は、ご安心ください。

 

砂糖の依存症状がでてから、その後カフェインの依存症状が出てくる可能性があるというのが自然ではないでしょうか?