糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

効かない薬の広告ほど大きいものだ

健康食品とサプリメント違いはご存知でしょうか?

 

日本では、サプリメントは法律的や行政的な定義が存在せず、厚生労働省では便宜上「特定成分が凝縮された錠剤やカプセル形態の製品」

と定義して食品に分類される健康食品とは分けているが、広い意味ではサプリメントも健康食品の一つとしている

ウィキペディア参照

 


イメージと言い方と慣習的な部分で言葉を使い分けていると言って良いでしょう。

皆さんは、健康食品をどのようにとらえられているでしょうか?

「健康食品は効くのか?」

というような議論を持ち出されているようですが、皆さんは、どのように思われるでしょうか?

 

私は「あくまでも食品の中の一つ」という程度の認識です。

 

期待できると言われているような効果は、得られない(実感しにくい)と思っています。

あくまでも食品ですから。

 

でも、食品の中には「スパイス」(香辛料)と呼ばれるものがあります。

 


料理に香辛料を加えることにより、味に変化が生まれ、おいしく感じさせたり食欲を増進させる効果がある。
独特の臭みを持つ食材に対しては、臭み消しとして利用される。
ひき肉に対するナツメグや、魚に対するショウガなどがその典型的な例である。
臭みが感じられなくなるおかげで、素材の旨味が引き立つ。

ウィキペディア参照

 

 

こういった考え方が一般的ですが、この中には漢方薬に使われているものも含まれます。

生姜
ニンニク
シナモン
ローレル
コリアンダー
ナツメグ
ゆず
ミカンの皮
サフラン
ハッカ


他にも多々あります。

生姜は、口に入れた瞬間、身体が熱くなります。
ハッカも、口に入れた瞬間、清涼感を与えてくれます。

本当に口に入れた瞬間です。

それくらいの大きな変化を身体に与えるので、薬として古来より利用されています。

こういったものを普段から積極的に取り入れる意識が大事だと考えています。

 

これらを多く含んでいる料理がありますよね?

多くの人が大好きな、「カレー」です。

 

ガラムマサラ
「シナモン」「クローブ」「ナツメグ」と言った基本の3種類プラス様々な香辛料から作られており、ガラムは「暑い(熱い)」マサラは「混ぜた物」を意味します。
香りつけを目的として用いられる
シナモン:血糖値を抑える、発汗作用、コレステロール中性脂肪を減らす
クローブ:健胃、利尿、消化促進
ナツメグ:体を温める(冷え性改善)、整腸作用、腸内ガス抑制、免疫力アップ

・カルダモン
種子の乾燥品は香辛料として用いられ、カレー料理にはかかせないスパイスのひとつとされる。その他に肉料理の匂い消しやパン、ケーキの風味付けに用いられる。
種子は生薬「小豆蒄」として日本薬局方に収録されており、芳香健胃作用がある。
甘い香りが特徴的で、気分を落ち着かせる精神安定効果があり、吐き気を抑える働きもあります。体の脂肪を取る働きもあるといわれている。

カプサイシン
辛味成分が胃液の分泌を促し、食欲増進と肥満の防止。カロチン、ビタミン類も豊富。

・ガーリック
アリシン、スコルジニン、有機ゲルマニウム、セレニウム、アリチアミン、アホエンなどの成分が多く含まれている。
有効成分スコルジニンは疲労物質を代謝するビタミンB1の吸収をたかめ、新陳代謝を盛んにする作用があり、疲労回復やスタミナをつけるのに効果がある。
食欲減退や消化不良の時にニンニクを食べると、アリシンが胃の働きを活発にする。
強い殺菌効果もある。

ターメリック
黄色の着色料としても使われ、キゾメグサの異名がある。
カレーの黄色はウコンの色であるほか、からしやたくあん、黄袋などにも用いられる。
黄色の色素成分はクルクミン (curcumine)。
胆汁の分泌を促して、肝機能を高める効果。
鎮痛、抗酸化作用、殺菌効果もあり、そのため皮膚炎の殺菌などにも使われる。
漢方では、止血効果があるとも言われている。

凄く長くなるので短評にします。

フェンネル:消化不良や便秘の改善・利尿・発汗作用
・ジンジャー:消化機能促進作用・利胆作用・制吐作用・陽性変力作用・消炎作用・鎮痛作用・血行促進作用
・クミンシード:食欲増進作用・消化器官活性作用・血行促進作用・利尿・発汗作用・抗酸化作用
コリアンダー:消化促進作用・健胃作用・駆風作用・鎮静作用・鎮痙作用・抗菌作用・消臭作用

 

これらのようなスパイスが代表的に使われてますが、それぞれに、上記のような多くの作用が期待できます。

(最初は効果と書いていてましたが、途中で作用という書き方が良いかなと思い置き換えましたが、漢方成分として効果が期待できるものでもあるので、どっちでも良いかなと思い、修正・統一しませんでした。)

 

カレーが献立の中で一番とは言いませんが、こういった作用をしてくれる食材を、効率的に摂取する事が出来る献立の中の一つだと考えています。

以前、インド人がカレーを食べないようにしたらどうなるか?という検証をされているものがありましたが、そのインド人は、食の楽しみを奪われるとともに、便秘といった体調の変化が出てきていたのが印象に残っています。

 

ただ、注意しないといけないのは、市販のルーではなく、スパイスを炒めたもの、ベースから作ったものでないと、効果は得られにくいです。

ベースから作ったものには入っていなくて、市販のルーに入っているものがあります。

「小麦粉・でんぷん・多量の添加物」です。

上記のような効果を期待したい・健康を維持していきたいというのであれば、市販の安価なルーではなく、自身で作ったものを食べるのが良いと思いますね。

こだわれば結構な時間がかかってしまいますが、30分から1時間程度で出来るようですので、悪くはないと思います。

 

カレーの話になってしまってますね。

効果を期待するというのであれば、こういった所から始めてみてはいかがでしょうか?

 

良くないのは、

「普段の食事はカップラーメンばかり。健康食品で補えば、健康管理が出来る」

というような考え方です。

以前、栄養相談を受けた際に

「一日の食事内容を、玉子1個・納豆1P・あとはご飯だけで、今後一生すごすのは大丈夫か?」

と聞かれた事もありました。

理由はお金が無いからだそうです。貧困の問題は難しいです。

短期間なら問題ない(無い訳ではない)が、今後一生となると身体に悪影響が周囲よりも早く起きやすくなっていくと伝えました。

 


タイトルの言葉は、ある政治家(官僚?)が残した言葉です。
使われた場面はネガティブであり、製薬会社に向けての言葉では無かったのですが、この言葉は凄く納得できます。

 

某医薬品会社は、自身でサプリメントを販売しておきながら、

サプリメントじゃなくて医薬品だから効く」

と主張されているようです。

医薬品じゃないから、サプリメントは効かないと言っている訳なんですね。

そんなものを堂々と販売しています。

蛇足ですが、「医薬部外品だから効く」というような表現も用いてますが、何と比較しているんでしょうか?

ちなみに役所によれば、他社製品との比較は禁止されているため、自社製品と比較するにとどめるのが通例。
また、禁止と言ってもこれは「医薬品等適正広告基準」というルールで定められているもので、違反したからといって指導されるだけで罰則はないという。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_c.pdf

 


商品を宣伝する事は否定しません。

そうしないと経済活動が成り立ちませんから。

でも、過剰な広告をしても、利用者の信頼を勝ち取る事は出来ないです。

ましてや、値段表示を誤解を与えてまで販売するような商品で、期待できるような効果が得られる訳がありません。

 

そもそも、健康食品に過剰な期待をしてはいけません。

 

今のスタイルが不満であれば、これまでの食事・外部環境・内部環境を含む生活習慣の結果が今となって出ているだけなので、そこに変化を与えなければ、より理想からかけ離れていくだけです。

一般的に良いと言われるものを今の生活習慣に取り込むのではなく、一般的に悪いと言われるものを今の生活習慣から排除する方が先です。


そういった事を踏まえながら、健康を手に出来るような習慣を身につけて欲しいと考えています。