糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

カロリー制限食では、筋肉量を維持できるのか?

まずは、お知らせから。

1月10日よりモニター募集を行なっていました

 

「TRDダイエットプログラム」

ですが、少し募集を中断します。
メンテナンスのためです。

近日中に再販売開始しますので、しばらくお待ちください。

 


さて、前回の続きです。

 

糖質制限をすると、筋肉量が減って、基礎代謝が下がる」

 

という事を中心に、否定する考え方を持つ人もいるという話をしました。

私は、この部分に関しては正解だと考えています。

糖新生という働きにより生じる身体の仕組みです。


でも残念ながら、「糖新生だけの論点でしかない」ので、それ以外の部分に対しての論点が全くないのが問題です。

なので、これだけを根拠に他者を否定・拒絶する事が危険だと感じます。

 

筋肉・体の組織構築・メンテナンス(代謝の事)に必要な栄養素として大きな割合を占めるのは、たんぱく質です。

ボディビルダーのような重厚な筋肉を作るには、たんぱく質が必要です。

ある雑誌では理想的な一日の摂取たんぱく質量を、自身の体重×3.0gという目安を設けていました。

体重が100㎏としたら、300gです。

鶏モモ肉100gでたんぱく質量は、17.3gなので、それで換算すると、約1.8㎏を摂取しないといけないです。

一日の平均的な成人のたんぱく質摂取推奨量が60gなので、かなりの量です。

流石にこの量は、現役ボディビルダーでも食事だけでの摂取は厳しいようで、プロテイン摂取で補っているそうです。

筋肉量を増やす(大きくする)には、その元となる原料であるたんぱく質が必要量以上に摂取し続ける必要があります。

たんぱく質は、筋肉を増やすだけでなく、様々な用途で使用されますから。

 

 


糖質制限食に話を移します。

 


PFCバランスで見てみます。

糖質制限食のバランスは、私の知る限りでは、

たんぱく質:脂質:炭水化物=4:5:1(3:6:1の場合も有る)

と設定されていますので、これを用います。

 

一般成人男性(年代にもよりますが)として、2300㎉の摂取をするとします。

2300㎉をこのバランスにあてはめるので、

たんぱく質:脂質:炭水化物=920:1150:230

となります。(単位はカロリーです)

たんぱく質で920㎉摂取しようとすると、鶏モモ肉換算なら、100gあたり200㎉なので、460gを食べる事になります。

たんぱく質量で換算すると、79.5gの摂取となります。

推奨量が60gなので、それを上回る摂取量となります。(たんぱく質のみで)

 


では、一般的に推奨されているPFCバランスはどうかというと、

たんぱく質:脂質:炭水化物=2:2:6(15:25:60の場合も有る)となります。

 

これを上記にあてはめていくと、

たんぱく質でのカロリーが、460㎉
鶏モモ肉換算なら、230gを食べるのが目標となります。
鶏モモ肉230gをたんぱく質に換算すると、約40gの摂取です。


推奨量を下回ってしまいました。


たんぱく質は、肉以外の食べ物に含まれます。
炭水化物に含まれる米飯も、たんぱく質を含んでいます。

炭水化物だと、1380㎉の一日の摂取目標となります。

ご飯一杯(160g)で269㎉、タンパク質は4gです。
全部ご飯で換算すると、約5杯分となり、たんぱく質量は20gです。

これでようやく推奨量の60gに届きました。


それでは、この基本的なバランスを用いて、両者がダイエットを行なうとします。

 

 

少し長くなってきたので、次回にします。