食塩感受性高血圧の人が、大多数を占めるのか?
前回からの続きです。
まず、高血圧は2種類に分類されます。
本態性高血圧と二次性高血圧です。
日本人の高血圧の85~90%が、原因のハッキリしない本態性高血圧で、残りの10~15%が、何らかの原因がある二次性高血圧と言われています。
二次性高血圧
ホルモン分泌異常
腎臓疾患
薬剤の副作用
等が原因であると考えられています。
通常の高圧治療では効果がない事もありますが、原因を取り除けば血圧は下がります。
本態性高血圧
特別な原因がわからないことが多いですが、塩分の過剰摂取、喫煙、肥満、アルコールの過剰摂取、ストレス、などのライフスタイルが原因と考えて治療を行います。
遺伝的要素によって起こることもあります。
つまり、様々な原因が結びついて起きている症状のことです。
「食塩感受性高血圧」とは、どういうことか?
「食塩感受性高血圧(しょくえんかんじゅせい こうけつあつ)とは、本態性高血圧のなかでも、食塩摂取により惹起される高血圧症のことをいう。」
ウィキペディア参照
「食塩を摂取すると血圧が上がるか上がらないかは、その人の食塩感受性に関係があります。
食塩感受性が高い人は腎臓からナトリウムを排出する機能が弱く、塩分を摂取すると血圧が上がります。
1995年の東大の藤田敏郎教授(当時)の調査では、日本人のうち食塩感受性が高い人は約2割、低い人は約5割とされます。
つまり、日本人の2人に1人は塩分を摂っても血圧が上がらないんです」
注意すべき点として、どんな人が食塩感受性が高いかは不明という事。
「漢方の知見では、色白で冷え症の人(陰性体質)は食塩感受性が低く、色黒で暑がり体質の人(陽性体質)ほど食塩感受性が高くなります。
一斉に減塩するのではなく、こうした体質もふまえて塩分摂取量を考えるべきです」
あるサイトから引用しました。
ちなみに高血圧の患者数は、
平成23年 906万7,000人
平成26年 1,010万800人
減塩運動を続けているにも関わらず約104万人増加となっています。
厳しい基準があるためかもしれませんが、確実に増加しています。
その治療のために、今も減塩指導と投薬により、医療費は増大し続けています。
厚労省のサイトには、このような文章があります。
高血圧の人で塩分を控える人が多いことは一般的に知られている話だと思います。
塩分と血圧の関係は、まだ十分には解明されていませんが、塩分(ナトリウム)を過剰摂取すると血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増えるため、結果的に、体内を循環する血液量を増やします。
このため、末梢血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧を上げてしまうと考えられています。
減塩による血圧を下げる効果は、1日に6~8g減らすと、高血圧患者の約20%の血圧は下がりますが、残りの約80%の血圧には変化が殆どありません。
これは、塩分に反応し易い食塩感受性タイプか、逆に反応し難い食塩非感受性タイプかによって左右されます。
しかし、減塩による血圧の低下の効果が無い食塩非感受性タイプであったとしても減塩をする必要はあります。
例えば、肝臓は過剰なナトリウムの排出と、必要なナトリウムの吸収を繰り返していますが、塩分の多い食事を続けていると、ナトリウムの排出が十分に行われなくなり、血液の量が増えて血圧が上昇してしまいます。
また、塩分はコレステロールを高め、血栓をでき易くします。
食塩非感受性タイプや、正常な血圧の人でも、塩分の過剰摂取を避けることをお勧めします。
別のサイトですが、高血圧と塩の関連性として、次の事を挙げています。
だいたい、どこも同じような事を書いています。
・高血圧は、必然的に血管や血管内部の壁にかかる負担が大きくなります。
そのため血管壁には傷が付きやすく、そこに余分なコレステロールが入り込んでしまい、酸化したコレステロールが血管の状態を悪くしていき、その結果、動脈硬化を引き起こすのです。
コレステロールも、高血圧にも注意が必要ということです。
・日本人の高血圧のほとんどが『本態性高血圧』です。 『本態性高血圧』は通常、遺伝や体質によるものですが、これに塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙などが合わさり高血圧になると言われています。
以上です。
不思議な事に、原因として大きい部分を占めるはずの「高血糖による血管壁へのダメージ増・血流の悪化」「老化による血圧の自然上昇」については、全く触れていません。
それで、原因はハッキリしないと言い切っています。
「年齢に関係なく一律な基準を設けて、判断基準を厳しくしたから」という記載もないですね。
減塩に関しては、これらよりは割合は小さいです。
「減塩による血圧を下げる効果は、1日に6~8g減らすと、高血圧患者の約20%の血圧は下がりますが、残りの約80%の血圧には変化が殆どありません。」
と、厚労省も言ってますから。
多く見積もって、本態性高血圧で塩が原因となり得る人は、20%しかないからです。
ある商業サイトでは、こんな内容が記載されていました。
「個人差はありますが、1日の塩分量を1g減らせば、血圧は1mmHg下がるとされており、血圧を2mmHg下げるだけでも心筋梗塞や動脈硬化の発症に差があります。」
「また、とても面白い事例があります。
ブラジルのアマゾン源流に住むヤノマミ族は食塩を全くとらない民族として知られています。
塩分と高血圧の関係を調査する国際研究団体である「INTERSALT」によると、彼らには、高血圧の症状が全く見られず、年齢の経過によっても血圧が上昇しないという調査結果があります。
このように食塩と高血圧の関係は非常に大きく、体質の違いはありますが、塩分の過剰摂取を改める事で、多くの方に血圧を下げる効果はあると考えられます。」
以上です。
後半部分は、先日記載したインターソルト研究の話です。
「3g~30gの大多数の民族については食塩と高血圧の相関関係は認められない」
とあった実験結果には全く触れず、研究結果からは期待していた「食塩=高血圧」の図式を得られなかったので、ゴリ押しして調査した少数民族の事だけについて紹介しています。
減塩・無塩商品を専門的に販売しているサイトなので、商業的には都合が良いのかもしれませんね。
1日の塩分量で、1g減らせば血圧が1mmHg下がるのなら、現在血圧が160mmHgの人は、食塩を何グラム減らせばいいんですかね?
少し、文章にささくれが目立ってきた感じがするので、ここまでにしておきます。
次で高血圧関連の話は一区切りつけたいと思います。