あるテレビ番組での話 - 糖質制限食　栄養のあれこれ

今回は、ボヤキ回です。

あまり期待しないで下さい。

先日、肥満になり過ぎた女性達がダイエットに挑戦するという番組がありました。

彼女たちの普段の食生活が流れ、健康状態も良くなく、それぞれの目標に向けて１カ月間頑張るという姿が流れていました。

減量のための方法論としては、

・運動
・食事制限
・全員で減量に取り組むチーム制度導入

運動は、一カ月という短期間なので、臀部を徹底的に鍛える方法を取っていました。
臀部（おしり部分）に筋肉が集中しているので、ここを徹底的に鍛えて基礎代謝を増やすのが狙いだそうです。
例えばエアロバイクでも、６０秒全力で実施し３０秒休むという事で６００?消費出来る。
そのような方法を継続すれば、脂肪燃焼効果も６倍得られるという事でした。
（具体的な燃焼量は話に上げられませんでした。この人の場合は普通だと〇〇の効果があるが、実際計測して６倍だったという表現ではありませんでした。）

食事制限は、１食６００㎉程度でした。

紹介された献立内容は、

・もち米を混ぜたご飯
・豚肉・水菜・シメジ・トマトをつかった豚しゃぶサラダ
・カボチャの煮物

といった感じでした。

夕食でこれだけだったので、朝はもっと少ないのかもしれません。

残念ながら、食事のシーンはこれくらいしか確認できませんでした。

注意点としては、「鉄分は運動中に消耗しやすいので、積極的に摂るように」とあったくらいでした。

この運動・食事でも言いたい事が色々あるのですが、今回は置いておきます。

私が残念に思ったのが、チーム制の導入です。

その方法論は別に構わないのですが、その内容についてです。

トレーニングメニュー消化中や、休憩中の様子ばかりをクローズアップして、チーム制ゆえの人間関係のいざこざ・ぶつかり合いや、弱音を吐いて「もうやめたい」というようなシーンが番組構成の大きな部分を占めていました。

この中で一番残念だったのが、目標達成できなかったら企画終了というのは良いのですが、未達成だったら全員プールに落とされるという部分でした。

「テレビだから」という一言でまとめられてしまうかもしれません。

派手な部分や、視聴者を引き付ける部分が必要な事は分かりますが、正直な話、「プールに落ちるから何なの？」という感想を抱きました。

どうやったらダイエットになるかという部分がメインではなく、罰ゲームになってしまうかハラハラするショーゲームがメインになっているように感じました。

減量でも、大事な部分は食事内容です。

何を食べたのか。
どのようなタイミングで間食したのか。
水分量はどれくらいだったのか。
トレーニングメニューはどんなものだったのか。
日々の体重・体脂肪量の変化はどうだったのか。
基礎代謝量・筋肉量の変化はどうだったのか。

本当に知りたいのは、こういう部分ではないだろうか？

と、個人的には考えてしまいます。

結果的には、一カ月で目標である「全員で合計１００㎏の減量」という数字は達成できたようです。

番組は、そこで終了しました。

でも、健康的だと言われるような体格にはなっていません（全員１００キロ前後です）。

専属のトレーナーをつけたり、定期的に行なうような何かがないと、トレーニングがハード過ぎたものだったので、恐らく続かないと思います。

そうなると自堕落な生活に戻り、太りやすい習慣を取り戻す事になるでしょう（中には変わる人もいるかもしれませんが）。

それで体重が増えたら、「リバウンドした」と、大騒ぎするのでしょう。

今度は同じメンバーを集めて、「リベンジ戦」とでもうたうのでしょうか？

もう一つ残念なのは、

「ハードなトレーニング部分ばかりをクローズアップして、食事内容にはほとんど触れていない」

所です。

運動も必要だが、食事の方が大事です。

いくら運動しても、太りやすい食事ばかりしてたら、体脂肪なんて落とせませんから。

にもかかわらず、大事な食事ではなく、ハードな運動ばかりをクローズアップしたらどうなるか？

「ハードな運動をしないと、痩せる事が出来ないのではないか？」

というイメージがつく事になります。
決してそんな事はないのに。

ここら辺が、ダイエットとボディメイクを混同している部分にもなっていると考えます。

このイメージが強く残ると、

「私は、こんなにハードな運動は出来ない。」
「こんなにきつい思いをするなら、運動なんてしたくない。」

というような苦手意識やネガティブな感情がわきやすくなってしまうのではないかという危惧を抱きます。

恐らくですが、この１カ月という生活で、摂取エネルギーを常人より少し多いくらいの食事量で、糖質をきっちりとコントロールし、たんぱく質・脂質メインの食事と、日々の有酸素運動だけで、同等以上の結果を生み出せたと思います。

そうなったら、テレビという興行的には失敗かもしれませんね。

派手な部分がありませんから。