「甘いものは別腹」とオレキシンの関係(仮説)
「甘いものは別腹」という言葉は、昔から使われていました。
どんなにお腹が一杯でも、食後に甘いものを出されると食べる事が出来るというものです。
その理由として、オレキシンというホルモンが作用するという解説が、ネット上に上がっています。
どういう理由かについて、いくつか抜粋します。
甘いと感じると、脳では至福感、陶酔感をもたらすβ-エンドルフィンなどの麻薬様物質が分泌されます。
β-エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、多幸感をもたらしてくれます。
そして、ドーパミンという物質も分泌され、食べようという意欲が出てくるのです。
オレキシンという摂食を促進する物質が脳内で分泌され、消化器官の活動が活発になって、食欲がわいてきます。
このオレキシンという物質が「別腹」を作る犯人にほかならないのです。
オレキシンは、これから胃にくる食べ物を受け入れるために胃の筋肉を緩ませて胃を広げ、胃の中にあるものを小腸に送り出す運動を促進します。
胃が広くなり、中身が小腸に送り出されることで、胃にデザートの入るスペースができて「別腹」が生じるのです。
満腹状態で、目の前に甘いものが出されると、胃がぜん動運動(消化活動のため胃液を分泌し、食べ物を腸へ送り出すこと)を始め、胃の上部に少しずつすき間が出来始めます。
そして「もっと食べられるよ」とサインが出され、そこに入るという訳です。
この現象は、エックス線撮影によっても確認されています。
この現象は、甘いものとは限らず、ラーメンやスナック菓子など、その人の好きな食べ物により起きます。
いわゆる別腹とは、満腹状態で「好物」を目の前にした時の視覚情報が脳へ伝わり、その興奮が摂食中枢を刺激して起きる反応のことです。
食後にデザートを食べることや、甘いものを好む女性が多いことから“甘いものは別腹”と使われるように。
『別腹(ベツバラ)』ができる仕組みはオレキシンというホルモンの分泌に関係しています。
本来オレキシンは血糖値が低い時に分泌されますが、それだけではなく「おいしそうなものがある」と脳が認識した時にも分泌されるのだそう。
この物質が脳の視床下部から分泌されることをきっかけに、胃が活性化。
胃に残留していたものを積極的に小腸へと送り出すことで、文字通り満腹だったはずの胃に空間=『別腹(ベツバラ)』が生まれるという説が最近では広く知られるようになったのだそう。
という感じの言葉が挙げられます。
簡単に言うと
オレキシンというホルモンが作用する
消化器官の活動が活発になる
食欲がわく
という事です。
別のブログで、レプチンとグレリンの話をしましたが
簡単にいうと、
お腹がすく
グレリン分泌が活発になる
食欲増進
食事を摂取する
レプチン分泌が活発になり、グレリン分泌が抑制
食欲抑制され、エネルギー消費が増大していく
という作用があります。
肥満の人に関しては、レプチンが作用しづらく、食欲抑制が起きにくく、大量に食べる事で体脂肪量もふえるので、肥満が進行すると考えられています。
お腹がすく
グレリン分泌が活発になる
食欲増進
食事を摂取する
レプチン分泌が活発になり、グレリン分泌が抑制
オレキシンというホルモンが作用する
消化器官の活動が活発になる
食欲がわく
という事になり、この時のオレキシンの働きが「別腹」という行為を生み出すようです。
で、ここで私の仮説なのですが、
「肥満の人がレプチン抵抗性が生まれるというのではなく、糖質(血糖値を上昇させる食べ物)を摂取する事がレプチン抵抗性が生むのではないか?」
「オレキシンは本当に消化器官の活動を活発にさせるのか?」
という事です。
私は以前このブログで、消化の良い食べ物(胃に長時間滞留するのは何か?)について、投稿しました。
まとめると、たんぱく質・脂質の胃の中の滞留時間は短く、炭水化物は長いというものです。
たんぱく質・脂質が30分以内~1時間程度に比べ、炭水化物は4時間以上、下手したら14時間以上も滞留し続けます。
この視点から見ると、
お腹がいっぱいになって、もう食べれないという状態になった
少し時間が経過したり、食事自体に時間がかかっていると、たんぱく質・脂質部分の消化が進み、胃から小腸へと運ばれる
別腹というだけあって、食事で満腹になった後に甘い物が出される
それまでの間に、最初の方に食べていたたんぱく質・脂質が消化され、胃に余裕が生まれる
さらに食べる事が可能となる
という時系列が、成り立ちやすくなります。
食事で炭水化物のみを食べるというのは、かなり難しいでしょうから。
当然、炭水化物だけでなく、おかずとしてたんぱく質や、たんぱく質に含まれたり調理として必要な脂質を同時に摂取しているからです。
まず一つの仮説である、「糖質によりレプチン抵抗性が生まれる」という事についてです。
レプチンは、血糖値上昇や血中インスリン上昇により作用するのですが、肥満に人には作用が認めにくいという特徴があります。
それにより食欲中枢が刺激されず、食欲が抑制されない事と、交感神経系も刺激されず、エネルギーの消費が上がらないという事でした。
でも、本当でしょうか?
糖質制限を行なっている人は理解できると思いますが、血糖値が上昇しなくても満腹になります。
血糖値が上がらなくても、もう食べられないと食欲を抑制されます。
例えば、塩コショウの味付けだけで、肉をどんどん食べて下さい。
量は違えど、いつかは満腹になります。
肉には糖質はほどんど含まれないにも関わらずです。
太っている人も同様です。
糖質制限をすれば満腹感を得られるのはもちろん、エネルギー効率も良くなり(糖質から脂質へと変化し)体脂肪も減少していきます。
脂質・体脂肪利用効率が上昇するので、レプチン自体も分泌されていると考えます。
レプチンに脂肪分解作用があるからです。
この「太っている人=レプチン抵抗性」という考え方は、消去法(?)結果論(?)として求められているようで、「(そのように)考えられている」という表記にとどまっています。
次に、「オレキシンは、消化を促すのか?」という部分に関しての仮説です。
私はオレキシン自体は、消化活動にはそこまで影響を与えないと考えます。
甘いと感じると、脳では至福感、陶酔感をもたらすβ-エンドルフィンなどの麻薬様物質が分泌されます。
β-エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、多幸感をもたらしてくれます。
そして、ドーパミンという物質も分泌され、食べようという意欲が出てくるのです。
先述した抜粋部分の中の一文ですが、ここに関係があると考えます。
糖質には、コカイン以上の常習性をもたらす程の力を持っています。
オレキシンは甘いものを、多く摂取させる脳内物質の有力候補と言う説があり、甘くておいしいものを、積極的に取り込むときに働く物質とも考えられています。
つまり、空腹時でも満腹時でも、甘いもの食べ物を見た時にオレキシンが分泌され食欲が増進し、実際に食べる事でβ-エンドルフィンが分泌され、快感を得るようなシステムが身についているという事です。
そして満腹時にも、さらに食べようとする姿がある事から、これを「別腹」と呼ぶのだと考えます。
どんなに満腹でも、少し時間がたてば胃に許容量が消化する事で生まれます。
普通だったら空腹になるまで食べないものの、甘いものを目にする事で、オレキシンが分泌されます。
脳が、甘い物(好物)を見た時に、ドーパミン・β-エンドルフィンが分泌されるからです。
その快感を実際に得るために、甘い物(好物)を口にします。
食べれるだけ食べて、身はともかく、心は大満足となるという事です。
これが、「甘いものは別腹」という作用になるのではないかと考えます。
特徴として、甘いものが苦手な人が満腹時は、甘いものを見てもオレキシンが分泌されにくいそうです。
それは、甘い物が苦手なため、脳内でドーパミン・β-エンドルフィン・オレキシンが分泌されないためと考えられます。
甘い物でなくても、大好物なら少し食べたくなる時はありますよね。
例えば普段食べないようなA5ランクの牛肉や、旬のまつたけ、三大珍味のキャビア・フォアグラ・トリュフといった高級食材が並んでいたら、それ以外でも良いですが、大好物が目の前にあったら、手を伸ばすと思います。
その時は、オレキシンが分泌されている可能性がありますね。
以上が、私が考える「別腹」が生まれる仮説です。
糖質が脳内麻薬を引き起こす事で生まれるという考え方です。
一般的には、オレキシンが胃の消化促進によって引き起こされるというのが主流のようです。
皆さんは、どう考えますか?