糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

風邪を早く治す方法

台風も襲来しましたが、近頃一気に気温も下がり、空気も乾燥。

皆さん、体調を崩されていないでしょうか?

体調を崩しても、よほどの事では仕事も休めないですし、重い身体を動かさないといけないので、かなりしんどいです。
できれば崩したくないのですが、残念ながらそういう訳にもいかないです。
崩してしまったら自己責任。次はどうやって早く治すかに焦点がいくと思います。

 

以前、私はドラッグストアに勤務していたので、その当時だったら、

一気にお金をかけて症状を抑えながら栄養を補給して治療を進めていくか?
時間はかかるが、お金をかけないも睡眠をしっかりとって身体を休めてあげる(自己治癒力を高めていける)か?

という、「お金か?時間か?」の選択枝から選んでもらって、そこからアプローチする方法をとっていました。

販売していた立場上、少し矛盾するかもしれませんが、薬は可能な限り服用しない方が良いです。
薬は身体にとっては異物なので、負担をかけます。
それが副作用と呼ばれたりし、風邪薬や鼻炎薬であれば、眠気を誘発したりする事を引き起こします。
そういった副作用を嫌う人もいれば、副作用が出てもいいから早く治したいという人もいます。
その人の置かれている環境で判断されるので、どちらかを選んでもらわないとアプローチしにくいと思っていたからです。

 

「お金」と答えたら、成分量が多い又は効能が得られやすい風邪薬、ビタミンドリンクはもちろん、症状にあわせて身体を温める漢方薬、炎症を抑えるのどスプレーや点鼻薬、冷えピタシート等を紹介していました。

 

「時間」と答えたら、今の症状を抑えるための風邪薬を購入し、睡眠時間をどれくらい確保出来るかを確認。その時間に合わせて、ドリンク剤を紹介していました。

 

風邪自体はウイルス性のものなので、治療薬は無いです。あくまでも症状緩和しかできません。
しっかりと免疫力を上げなければ、なかなか改善しないという事になります。
そのためにも、身体を休めるべく睡眠をしっかりととらないといけないという話を、当時は必ずしていました。

 

 


以上が、登録販売者としてのアプローチ方法です。


では栄養士として、つまり食事療法としてはどうしたら早く治るかについて、話していきます。

 

一般的に言われるのが、

「栄養をしっかりととって、身体を温かくして、睡眠をたっぷりとって下さい」

だと思います。
私も薬を販売していた時は、それがベストだと思っていました。
実際、私も風邪をひいた事があるので、薬だけで治すように色々と検証したりしていました。
薬をのんで、当時は消化に良いと考えていたうどんやおかゆのような炭水化物をたっぷり食べ、栄養ドリンクや水分補給でスポーツドリンクを飲み、一日のほとんどを布団に入ってすごしていました。
でも、なかなか治りませんでした。

 

根本的に間違っていたのだと、今は考えています。

上手くいかないのは、必ず原因があります。

風邪が治りにくい大きな原因は、食事にあると考えます。

 

私はペットがいないのですが、犬や猫といったペットを飼われている方はご存知だと思います。
体調が悪くなると、じっと動かなくなり、物を食べず水も飲まなくなります。
これは、身体を動かすエネルギーや食事をする事での消化にかかるエネルギーを、全て自身の体調改善のためのエネルギーに使うためです。
その後体調が回復すると、ガツガツと今までの分を取り戻すかのように食事をする姿を見た事があると思います。

 

人間も食事によって大きなエネルギーを使います。
これは仮説ですが、一回の食事で約2時間程の睡眠が必要となると考察しています。
(この仮説に関しては、後日にしたいと思います。)

動物の本能から生まれる行動を人間も真似すると、早い改善になると考えます。

 

つまり、「水分を除いた絶食」です。

 

体調を崩した時は、早期改善のためにも、あらゆるエネルギーを治療に割り当てようと身体は働くのですが、食事をしてしまうと、その対応をせざるを得なくなります。
そうすると、改善のためのエネルギーを分散させる事になるので、ウイルスに対抗する力が弱まります。
それにより、風邪が長引くという事につながるという事です。
限られたエネルギーを使って治癒力・免疫力向上させるためにも、食事を断つという事は、有益だと考えられています。

また、食事をしなかったとしても、身体を酷使してしまうと、行動に関するエネルギーを使ってしまう事になるので、やはり治療に使いたいエネルギーは、分散してしまいます。
身体を酷使しようにも、身体が重く感じたり、関節・筋肉の痛みが生じてパフォーマンスも落ち、普段よりも動けないとは思いますが。
ですので、しっかりと休養は必要です。

 

水分は必要です。

脱水症状を起こしては意味がないので、補給を怠らないようにしないといけないです。
ただ、その成分に気を付けないと、治癒の妨げになる場合もあります。

 

以前、私はスポーツドリンクをよく飲んでいました。
運動時に最適と言われているため、疾病時の水分補給にも(吸収力や栄養補給に関して)良いのではないかというイメージからです。

ですが、気を付けないといけないのは「糖質」です。

かなりの糖質が含まれています。
私は、よく某製薬メーカーが販売しているスポーツドリンクを飲んでいました。
他のメーカーのものをのんでしまうと、何故かお腹が痛くなったり緩くなるという出来事が過去に続いた事があったからです。
一日で1.5リットルサイズを2本程度飲んでいました。
100mlで糖質6.2gなので、186gですね。
ご飯でいうと、多めの茶わん3杯くらいと同等です。

 

また、栄養たっぷりというと、「消化に良いご飯類(炭水化物)をたっぷりと摂取する」「野菜からビタミンをとる」「玉子もつけて栄養にプラス」
これらを温かい状態で食べる。
という認識しかなかったので、この条件を満たせるような食事として、「鍋焼きうどん」を採用していました。

これくらいの量の糖質を摂取していたので、当然血糖値は上昇します。

そうなると、消化にエネルギーを奪われるのは前述の通りですが、血糖値が上昇するので、血液がドロドロになり、体液の循環が悪くなります。
循環が悪くなることで、体内の隅々まで行き渡るはずの栄養やホルモンや免疫システムが滞ってしまいます。
その結果、治癒の働きに影響を与えて、治りが悪くなるという事になります。

 

そうならないためにも、身体を冷やさない常温の水を飲む事。
ミネラル分を補給するためにも、にがり成分(カリウムマグネシウム等)を含む食塩を、コップ一杯あたり一つまみ程度入れた物を織り交ぜて飲むのをお勧めします。
コンビニでも水は市販されているので入手しやすいですが、どうしても水以外のものが飲みたいというのなら、経口補水液も良いと思います。
普通のスポーツドリンクの1/3しか糖質を含んでいないし、水分や他のミネラル分の吸収を通常の大腸からではなく、小腸から吸収する事が出来る割合にもなっているからです。


以上の事から、風邪をひいた時に早く治すための食事療法は、

 


「糖質を含まないミネラル分を含んだ水分を補給しながら、食事を含む活動を極力控え、睡眠を普段以上にとる事」


あわせて、風邪が治ったらタンパク質を中心とした食事をして、身体の補修に使われた栄養素を補ってあげる必要もあるというのも記しておきます。

 

 

というのが、よりベストに近い答えではないかと考えています。

 

 

ただ、この話をする上での問題が、

 

「私自身が、風邪をひいた時に検証していない」

 

という事です。
残念ながら(?)風邪を最近引いていないので、機会をうかがっている状況なのです。
調べたり話しを聞いたりしているので、確信に近いのですが、実践は出来ていないです。

 

ですので、上記の私の考えは要検証です。

実践されたら、ぜひ結果を伺いたいです。

私も試したら報告したいと思います。