糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

野菜ジュースは健康か? 濃縮還元という表示の意味について考えてみた

コンビニやスーパーには、様々な食品が並んでいるが、だいたいは冷蔵コーナーの所に野菜ジュースが並んでいます。

店舗によっては常温で陳列されているだろうが、要冷蔵の食品ではないのだが冷やしておいた方が、購入後すぐに美味しく飲む事が出来るので利便性があるのだとお思います。

今回は、その野菜ジュース・フルーツジュースに表記されている、濃縮還元についての話です。

 

濃縮還元とはどういう事か?

 

 

概要として

 

濃縮還元は一般にオレンジジュースなどの果汁を含む飲料に使用される。

この場合一度搾り取った果汁の水分を何らかの方法で飛ばした後、再び水分を加えるものである。

これは運搬の際に物資の総容積を減らし輸送コストを大幅に押し下げるために必要とされるもので、例えば海上輸送ではジュース専用のタンカーで、陸上ではやはり専用のタンクローリーやタンクコンテナで輸送される。
濃縮果汁を還元する場合には、食品加工工場で水を加えて攪拌するなどして元の果汁の濃度に戻したり、あるいは清涼飲料水の原料として、製造中の清涼飲料水に加えたりする。

この場合の水は飲料水として安全であることが絶対条件となるが、多くの場合では工場の安全基準を満たした地下水や取水場から安全に処理され水道で引き込まれたものが利用されている。
また、ファーストフードチェーンやレストラン(ファミリーレストランなど)では、ある程度薄めた濃縮果汁(紙パックやレトルトパックなどに充填されている)を薄めるためのドリンクディスペンサーを用意して、客からの注文に応じてディスペンサーが一定濃度に薄め、飲み物として適する状態にして提供される。
なお1900年代末頃よりこの濃縮・還元過程を行なわない「ストレート果汁」を謳う果汁飲料も市場に登場している。

濃縮還元ではどうしても香りが損なわれるために香料などを加えている製品も多いが、それに比較してストレート果汁では一般に自然な風味がある(より生の果実に近い)とされている。

ただし栄養価に関しては、どちらも製造工程の中で衛生の観点から加熱殺菌が行なわれるため、熱に弱い栄養素に限って言えば(製品にも拠るが)大きな差があるかは微妙である。

 


濃縮する利点として

 

濃縮後の果汁は高い濃度(浸透圧)を持つため、その後も高い抗菌効果を見込むことができる。

そのほか、容積が小さくなることで入れる容器も小さくでき、空気に触れる面積が狭くなることで長期保存に際しても酸化による栄養素の破壊の軽減も期待される。

飲料をそのまま運ぶよりも水分を飛ばして容積を小さくした方が、同じコストでより大量に運搬することが可能になり、また保存性が良いため運搬コストも低減される。

こと産地の限られる果物の場合では、果実のままや搾ったままの果汁では保存性が悪く、広い範囲にその産品を提供することができない。

しかし濃縮果汁の輸送性があれば、一国の産品を世界各地に供給することも可能で、ぶどうジュースではブラジルの重要な輸出農業資源となっている(世界シェアは約50%で2位の米国が40%を占める)。

 

ウィキペディア参照

 

というもののようです。

 

最近では濃縮の方法にも技術の進歩があり、以前ほど栄養素・風味は損なわれることは無くなってきているようです。

 

飲料の濃縮に用いられる方法には、煮沸濃縮、真空濃縮、凍結濃縮、膜濃縮、超音波霧化分離がある。

・煮沸濃縮
高温で加熱し水分を蒸発させて濃縮する。殺菌処理を兼ねることができる反面、風味が落ちるなどの問題があり、近年ではあまり用いられない。

・真空濃縮
フリーズドライと同じ原理で、低温下で減圧し真空状態で水分を蒸発させて濃縮する。

・凍結濃縮
含まれる水分を凍結させ、氷の結晶を分離して取り出すことによって濃縮する。膜濃縮よりも消費エネルギーは大きくなるが、膜濃縮では不可能な高濃度の濃縮が可能である。

・膜濃縮(膜分離)
特殊な膜(逆浸透膜など)を用いてろ過によって濃縮する。

・超音波霧化分離
超音波を液体に照射することでも霧を発生させ、霧状になりやすい物質となりにくい物質に分離することで濃縮を行う。加熱しない場合でも濃縮運転が可能であり、熱に弱い食品の品質を損ないにくい。

 

ウィキペディア参照

 


あるサイトで、複数の大手メーカーとライターが対談形式で質疑応答を行なうというものがありました。

 

メーカーの話では、添加している香料の原料は植物性由来のものらしい。
そこでライターは、「安全なようだ」とあっさり判断しているが、そうでしょうか?
原料が植物性由来だからと言って、危険はないと言えないのが悲しい現実です。
極端な例だが、サラダ油も植物由来である。
だが、水素を添加しているトランス型に分類され、安全性は危険視されている(特にアメリカを中心に)。
話し手は「メーカーの人間」なので、不利益な事に関しては絶対に口にしないのは間違いない。
さらに、巨大市場を持つメーカーであるため、納得してもらえるようなシナリオを用意しているのは間違いないだろう。
全て手の内をさらす訳もないし、突っ込んできたら企業秘密とでも避ける事は可能である。
香料を入れたら表示をしないといけないものの、様々な種類の香料をどれだけいれても一括表記できるので、「香料」としか表記しないですむのが現状であり、メーカーにとっては都合の良い法律になっています。

また、メーカーとの対談なので、ライターもメーカー側の目線に立っている可能性も否定できない。

私自身、某コンビニの弁当・総菜製造工場で勤務経験があり、その時に食品添加物を配合している姿を目の当たりにしているので、余計にそう感じてしまうのかもしれません。

例えばサラダですが、消費期限が切れるまで、レタス等の葉野菜が変色する事はありません。クレームを防ぐのもですし、変色していたら購買意欲が損なわれるからです。

消費期限が切れるまで、変色・変質しない十分な量の添加物を配合しています。


疑ったらキリはないのですが、上記した通り、わざわざ濃縮還元する一番の目的は、コスト削減です。

含まれる栄養素も酵素も、加熱処理により変性したり、大きく損なわれてしまいます。

これは、健康食品についての考察で話した通りです。

 

trdschoolmm99.hatenablog.com

 

 実際、多くの野菜・果物を含んでいるにもかかわらず、どの商品にもビタミンCの栄養素は表記されていません(ビタミンCとして添加されている場合を除く。)

さらに、添加物の問題もありますが、私は糖質の方にも意識が向いてしまいます。

ある製品では200gあたり、食物繊維2,1gに対して炭水化物15.8gですので、糖質は13.7gとなります。

この数値は、リンゴ100g(約1/2個)の糖質量13.1gとほぼ同じ数値です。

 

様々な過程を経て、加工・加熱処理されて完成された、「一日の栄養素を満たす」と表記され、未開封なら約半年の賞味期限が保証された野菜ジュースと、スーパーや商店で買ってきたリンゴ1個を1/2にカットしたもの。

目の前に2つが並べられていて、どちらかを食べなさいという選択を迫られたとします。

 

あなたはどちらを選んで身体に取り入れるでしょうか?