糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

癌について

日本人の死因として多いのが、悪性新生物、つまり癌です。

2014年のデータで、次いで心疾患、肺炎、脳血管疾患となります。

 

癌細胞は日常的に体内で生まれていますが、その都度、免疫組織が働きこれを無力化(無毒化?)しています。
それがカバーできなくなると、どんどん癌細胞が増え続け、組織を破壊し続けていく事になります。

そういった働きをしてしまう癌細胞ですが、増えていくにはエネルギーが必要となります。
逆に言えば、このエネルギーが無ければ、増えにくく、成長しにくくなる訳です。

 

癌細胞のエネルギー源は、一つです。

 

ブドウ糖です。

 

癌には生活習慣病型と感染症型の2種類があり、後者には予防効果はないのですが、前者はブドウ糖の摂取抑制、つまり糖質摂取を制限するほど、癌細胞増殖抑制・治療効果が期待されるわけです。

ちなみに生活習慣病型の癌は、腎臓・すい臓・食道・子宮体・胆のう・大腸・乳がんの7つが挙げられます。
これらには肥満が関わていて、肥満は生活習慣に起因するからです。
肺がんは、たばこを起因とした生活習慣病型です。

 

癌細胞、通常の細胞ともに、エネルギー源としてブドウ糖を優先的に利用します。

両者で異なるのは、その吸収スピードです。

 

通常の細胞の約4倍のスピードで、癌細胞はエネルギーを蓄えていきます。

それにより、通常の細胞よりも急激なスピードで増殖が可能となり、進行スピードが上昇・範囲の拡大に繋がっていくのです。

 

では、そのブドウ糖の供給を断つとどうなるか?

簡単に言えば、兵糧攻めのような状態に出来ます。

また、糖質制限を行なうと、エネルギーがケトン体が体内濃度を増していくのですが、癌予防・治療にも期待を寄せられています。

動物実験では、動物の癌細胞を入れたシャーレにケトン体を投与すると、癌が縮む事が分かっています。

 

まだ検証段階ですが、糖質制限を行なう事で、体内に取り込むブドウ糖の絶対量の減少と、それによるケトン体質への変化により、癌に対抗しうる食事療法として注目されています。

 

いまだに正式な有効手段と発表されていないのが残念です。