糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

なぜ相手の長所を認めないのか?

エネルギーの事や、リバウンドに関しての話をしてきたが、それらを調べている時に感じた事をいくつか書き留めておきます。

 

今までのやり方、つまり「カロリー制限最高!」というような方々の理論を見ていると、相手を認めるような意見よりも、論点をずらしてまでも相手を否定し、自分たちの優位性というか、唯一無二の手段というか、自分達以外の主張を許さないような風潮が多くを占めているように感じます。

 

情報収集不足・勉強不足が見られたり、持論を展開するあまり都合の良い解釈をしてゴリ押ししたりと、それがまたフリーの管理栄養士であったり、肩書のある方々であったりするので、とても残念に感じました。

 

私自身もそうならないように気を付けていきたいです。

下手したら、私もこのような状態になっていたかもしれないからです。
早いうちに糖質制限食と出会えて多角的な視点で栄養学を学ぶことが出来たのは、とても良い経験だったと感じています。

 

私は、栄養士専門学校に通っていた頃(2年制で、当時は1年生でした)、糖質制限食と出会いました。
糖質制限食に強い興味を持ち、独自に知識を広めていきました。(関連図書を読み漁る程度でしたが)
でも、周囲は糖質制限食の事を知らないし、興味も持っていません。
授業は当然、カロリー制限食をベースに進められます。
それを身につけなければ、栄養士として認められないですし、進学・卒業も当然出来ません。
私は一つの目標を掲げました。

 

「カロリー制限食と糖質制限食を徹底的に身につけ、互いの良い所、悪い所をしっかりと説明出来るようになる」

 

学生という身分なので、多くの先生方が身近にいました。

カロリー制限食の考え方をしっかりと身につけ、カロリー制限食ではこうなるが、それに対して糖質制限食ではどうなるか?置き換えたらどのような結果になるのかを検証し、可能であれば自身を実験台にしていました。

献立作成の授業で、おやつについての献立を作成する時も、糖質制限からみたおやつの献立を作って提出してみたりもしていました。

卒業してからも、職場でも考え方は当然カロリー制限食中心なので、実地で多くの事を学習し、糖質制限との比較を検証する事が出来ました。

本格的に糖質制限食を食事に導入したのは約2年ですが、糖質制限食についての学習を始めてから、約5年が経過しようとしています。

まだまだ足りないですが、基本的な考え方は身についていると思っています。

 

私は両者を比較検討してきているので、互いの考え方に理解はあります。

互いにメリット・デメリットがあると思うので、そのデメリットを小さくして、メリットを大きくするのが、栄養学の考え方ではないのでしょうか?


でも多くは、「カロリー制限最高!」という姿勢を、頑なに崩さないです。

これでは「守破離」という事も起こりえないです。

 

守破離」という言葉をご存知でしょうか?

守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。個人のスキル(作業遂行能力)を3段階のレベルで表している。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。
武道等において、新たな流派が生まれるのはこのためである。
個人のスキル(作業遂行能力)をレベルで表しているため、茶道、武道、芸術等だけでなく、スポーツ、仕事、勉強、遊び等々、世の中の全ての作業において、以下のように当てはめることができる。
守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 ~ 自律的に作業を遂行できる(1人前)。
破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。
離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。
例(ラーメン作り)
守:ラーメンをレシピ通りに作ることができる。
破:ラーメン(守の段階で作ることができるようになったラーメン)のスープや麺、具材等をよりおいしくアレンジすることができる。レシピもより作りやすいようにアレンジすることができる。
離:ラーメン店を開業し、オリジナルのラーメンを作ることができる。あるいは、ラーメンから進化した新たな料理を作ることができる。
※ただし、ラーメン作りと言っても様々なスキルが必要である。上記はラーメン作りという大きな括りで示したが、ラーメン作りの中のスープ作りは「破」、製麺は「守」といった場合もあり得る。スキルの粒度は、より詳細化、具現化することができるのである。

ウィキペディアより抜粋)

 

ラーメンの例はともかく、現在、栄養士・管理栄養士は言われた事だけをやるという人が多いです。

自分の学んだことに疑問を持たないというか、信念を持っているのかはわかりませんが・・・。
リスクを冒したくないのかもしれません。

立場上冒険できない事もあるでしょう。

 

でも、常識は非常識に、非常識は常識になる事は十分にあり得ますし、人類の歴史はその連続で成り立っています。

早く「守破離」の「守」から抜け出して、「破」の段階に進めるよう、色々な知識・環境に触れて欲しいなと、切に願います。

 

私自身も、糖質制限食に出合わなければ、カロリー制限食ゴリ押しだったと思います。

そう考えると、恐ろしいですね。