糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

印象操作じゃね?っていうものを見つけたのでいじってみる

皆さん、こんにちは。
今回は、軽い話をしたいと思います。
 
ネットで溢れている情報というのは、中には非常に興味がわくものがあるのですが、ほとんどはこれまでのコピペであったり、耳にタコができるように何度も繰り返し用いられるものであったり、間違った情報を垂れ流したりしているものもあったりします。
そのため、以前のブログで「一度チェックをする事が必要ですよ」という内容のタイトルである程度まとめました。
 
検証結果であったり、数値データであったり、「主語」がハッキリしているかどうかであったり、元となるデータの整合性や一貫性があるのかどうかであったりします。
で、多くのブログでは登録者数・訪問者数を稼ぐためにも、大風呂敷を広げるようなタイトルで目を引こうとし、それが「〇〇監修」(私だったら「管理栄養士監修」というようなタイトルになります)と言ったものであったり、「体重マイナス〇〇キロ!」とかいう感じの見出しを遣ったりします。
 

PV(ページビュー)は、ページが表示された回数のことを意味し、セッション数(訪問数)は、ユーザーがサイト訪問した回数を意味します。

 

で、そんな感じのを2つ見つけたのでいじっていきます。
 

3トン減量させたダイエットのプロに聞く、食欲が止まらない危険な食べ方

 

このタイトルは凄そうですが、中身の導入部分を見ただけで「あっ・・・(察し)」と私は思います。
 

30年間にわたって3万人の肥満治療を行い、延べ3トン分の体重を減量させてきた左藤桂子先生

 

この部分ですね。
30年前くらいから肥満治療実績のある肥満外来の専門医、院長先生の実績のようです。
30年で3万人なので1年間あたり1000人程度の患者と向き合ってきたようです。
そして述べ3トン分の体重を減量させてきたというのであれば、3,000kg÷30,000人なので一人あたり0.1kg。
つまり100gです。
100gの減量なんて、誤差レベルです。
「体重コントロールの重要性」を指導してきたそうですが、もしこの数字に間違いが無ければ「よくこの程度の実績で研究所所長になれるな?肥満外来の専門医になれるな?」と思ってしまいます。
ちなみに私が指導したら、体格にもよりますが、2カ月で5~10kg程度の肥満改善を食事内容を変えるだけで運動無しで結果を出す事が出来ます。
この専門医の50~100倍の効果です。
 
この人を凄いと思わせるために、
 
・30年の実績がある
・3万人もの患者の治療実績がある
・延べ数だが「3トン」という「トン単位」の重量を減少させたという実績をアピール
 
という事で発言・記事に説得力・信憑性を持たせたいのかなと感じるのですが、逆に説得力が小さいですし、それだけの年数やって、それくらいの実績しか残せてないの?とも思われてしまいやすいような紹介文になっている事に気付かないのでしょうか?

次はこれです。
ダイエットに野菜を使ったものを紹介するような記事です。
「〇〇(野菜名)ダイエット」という感じのものですが、この中で一番に「ほうれん草ダイエットのやり方」というのが紹介されていました。
 
ほうれん草ダイエットのやり方はとてもシンプルで、毎日の食事にほうれん草を取り入れるだけです。
目安:1日100g程度
ほうれん草には美容・ダイエットに有効な成分が豊富ですが「シュウ酸」という成分が含まれているそうです。
この「シュウ酸」は多く摂取しすぎると腎臓結石(腎臓などにできるシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどのかたまりのこと)を引き起す恐れがあるため、とても危険だそうです。

 

毎日の食事の事は省みず(着目せず)、ただ単に1日100gのほうれん草をプラスするとの事です。

でも、シュウ酸摂り過ぎで腎臓結石になるから注意と記載されているのですが、それだと「不健康になるリスクを高める事になるのではないか?」と私は考えるので、私だったら推奨しないです。
 
で、栄養素の紹介で、
・食物繊維が豊富
・ビタミンB群が豊富
・鉄分が豊富
とアピールしています。
 
前回までの記事を見ている人がいたら、吸収効率の話であったり、豊富と言ってるほど豊富じゃねーし、何と比較して豊富としているのかわかんねーし、って思う人もいるのではないでしょうか??
 
ほうれん草100gあたりの栄養素
食物繊維量3.6g (ごぼう6.1g オクラ5.2g にら4.3g ブロッコリー3.7g)
ビタミンB1 0.05㎎ B2 0.11㎎ B60.08㎎
鉄分 0.9㎎(小松菜2.1㎎ 水菜2.0㎎ 春菊1.2㎎ リーフレタス1.0㎎ ごぼう0.7㎎)
 
この含有栄養素量で「何と比較して、何の基準で「栄養豊富」としているのか?」と不思議に思えます。
 
ここで一番着目したい所があるのですが、
 

ほうれん草に含まれる鉄分は牛レバーと同じくらい含まれているそうです。
日本人の女性の約20%が貧血と言われていますが、さらに鉄分は赤血球を作る材料になり、貧血予防や脂肪燃焼に役立ちます。

 

とあるのですが、牛レバーが含んでいる鉄分は「4.0㎎」で4倍くらいの差があるし吸収効率は植物性の方が悪いです。
 
何を根拠に話をしているのでしょうか?
 
このような間違った印象を与えるのは、とても問題だと考えます。
ほうれん草より小松菜の方が鉄分含有量が多いというのは最近は知られてきつつあるのですが、動物性食品であり、しかも鉄分が非常に多いレバー部分と「同等」とするのは、専門家がチェックしているならまず起こり得ない内容ですね。
 
このサイトの救いというか、免責事項として、

【参考】もやし生産者会、FYTTE、HAPIET ダイエットキャンプ、ダイエットプラス、Newsポストセブン
Peach、TABI LABO、エキサイトニュース 、マイナビウーマン、旬の食材百科
※こちらの記事はインターネット、SNSのクチコミやテレビ番組で取り上げられたやり方をまとめたものを紹介したものです。
結果を保証するものではございません。

 

という事を記載しています。
引用元(直リンク先)は無いですが、参考にした資料を記載しているのは評価できます。
ですが、ただ情報を精査せず垂れ流して、保証はしないし読者の自己責任だとするのは、一方的だと感じますね。
なら、なぜそのようなまとめサイトを運営しているのか?
そのサイトの存在意義ってなんですか?
とも思ってしまいます。
少し調べたらすぐにわかる間違った情報を拡散するというのは、悪影響を拡散している事になるし、発信元のこのサイトの信頼度にも影響すると思うのですが、どうなのでしょうか??
 
こんな感じで、無責任にテキトーな情報を垂れ流してくる場合も有るので、皆さんも賢く情報を判断・精査出来るようになって欲しいなと思います。
 
今回は、ここまで。

「野菜だけ」で全ての栄養を補う事は出来ません

前回からの続きです。
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 
以前とある番組の中でだったと思いますが、離乳食が手間だからと専門に扱う業者が「無添加・調味料無し」というような野菜ペーストを販売しているというコーナーがありました。
内容は「玉ねぎエキス」や「カブのピューレ」といった厳選された野菜を使ってフレンチシェフが調理監修を行っているものの様でした。
利用者(女性)声として「離乳食を作るのが手間なので助かります」とか時短に繋がるのは有益だと思いますが、「これだけで赤ちゃんに必要な栄養素が全て取れるんですよ」とコメントが流れたのですが、私はここが一番気になってしまいます。

前回記載したように、野菜にはビタミンミネラルが多く含まれるというようなイメージがあるのですが、「全て」の栄養素を補う事が出来る訳ではありません。
ビタミンB12は含まれないし、ビタミンDはほぼ含まれてない。
植物性のものは吸収効率が悪いものが多いので、量を摂取しないといけないものもある。
という事で「野菜のみのピューレ」では、「栄養素を全て」摂取する事は出来ません。
もっと言うと「「赤ちゃんに」必要な栄養素」って何?とも思ってしまいます。
成人と赤ちゃんでは摂取しないといけない栄養素って何か違いがあるのでしょうか?
赤ちゃんが食べる事が出来る量は限られます。
成人が摂取する「量」と純粋に比較するなら、とても少ないです。
だったら栄養価が高く吸収効率の良い動物性たんぱく質摂取を意識する方が、よほど赤ちゃんに必要な栄養素を「効率良く」送り届ける事になると考えます。
野菜ピューレだけでは、特定の栄養素が不足しやすくなるからです。
「ヘルシーだから野菜さえ食べればよい」といった考えが皆さんにも根強いのではないでしょうか?

もう一つ引っ張ってくるのですが、「ベジタリアン」についてです。
ベジタリアンにも色々分類があるようですが、基本的には野菜をメインで食べている人だと思うので、ひとくくりにして話をしていきます(そうでないとまた長くなってしまうからね)。
最近ではビーガンが暴徒化しているような話や、子供に野菜や果物しか与えず栄養失調で死亡させたというような記事もあるので、認知度はある程度あると思っていますが、どうでしょう?
肉食の人が子供を栄養失調で死なせたという例は耳にしません。
大概が「肉ばっかり食べて野菜を食べず、偏食で困っている」という程度の話であり、「肉しか食べさせなかった」として死亡例が生まれた事例を知りません。
 
別のサイトでは

ビーガンは、ビタミンB12・鉄分・カルシウム・ビタミンD・タンパク質・オメガ3脂肪酸(DHAやEPAなど)の不足に注意が必要です。 これらの栄養素が不足すると神経障害・貧血・骨強度の不足などの問題が起こることがあります。

 

という記事にもある様に、多くの栄養摂取不足が起きやすいです。
野菜を食べなければ、ビタミンC・葉酸・食物繊維・マンガンが不足しやすい程度でしょうか?
「赤ちゃんに必要な栄養素」って、この4種を指しているのでしょうか?
「野菜を食べれば必要な栄養素を全て補う事が出来る」のであれば、野菜は「完全食」扱いになると思います。
ですが、以前記載したように、野菜は完全食として挙げられる機会は非常に少ないと感じています。
(↓上記のリンク先と同じです)

trdschoolmm99.hatenablog.com

 

もっと言うと必須脂肪酸必須アミノ酸という言葉があるように、人間の身体が生み出す事が出来ない特定の栄養成分があります。
この必須脂肪酸を多く含むのが魚油・青魚であったり、必須アミノ酸を多く含むのは畜肉(牛・豚・鶏等)で、野菜にはほとんど含まれていません。
なぜこれらの動物性タンパクを差し置いて、野菜はヘルシーだという話になるのでしょうか?野菜を食べれば健康に過ごせるという話になるのでしょうか?
 
私はこういったベジタリアンであったりビーガンというものであったり、あとマクロビもそうですが、これらの食生活をしている人に対して、その行為は「宗教的な儀式であり戒律」だと感じています。
野菜は好きなら食べれば良いと思います。
実際私も好きなので食べています。
ですが何も体質的に問題無い健康な人が「野菜=他の食品群より健康的なもの」とするのは短絡的でありイメージを刷り込まれているのだと感じます。
野菜を食べる事で効率良く摂取できる栄養素もありますし、動物性食品を食べる事で効率良く摂取できる栄養素もあります。
どちらかと言うと動物性食品の方が多くの栄養素を得る事が出来ますし、吸収効率も高いです。
両方食べて、互いの不足部分を補っていけばいいだけだと思います。
にもかかわらず「野菜至上主義」を唱えるのは間違いだと考えます。
好きに食えばい~じゃんと思ってます。
 
思想・価値観を押し付けるのは良くないですが、イメージだけで話をせず、根拠を持って主義主張が出来ていればいいのではないかとも思います。
 
野菜「は」ヘルシーに貢献できるものだと思います。
 
ですが、
 
野菜が他の食材を差し置いて一番ヘルシー(健康)に貢献するものではないと考えます。
 
皆さんも食材に感謝しながら、肉・魚といった動物性タンパクを積極的に食べて、野菜もそれなりに食べよう!!

というのが私の考えになるのですが、なんだ?この適当な〆は??って感じを与えるかもしれませんね?(私は適当だと思ってます)
 
という訳で、このテーマはここまで。
お付き合いありがとうございました。
 

野菜で全ての栄養素が「十分に」補える事が出来るのか?

前回からの続きでまとめに入りたいと思います。
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 
ここまで話をしてきましたが、野菜のメリットとして挙げられるのが、
 
・食物繊維摂取(植物にしか存在しない)により中鎖脂肪酸が生まれる
・ビタミン摂取自体は可能だが、ビタミンB群(特にビタミンB12の含有量ゼロ)含有量が少ない
・ミネラル摂取自体は可能だが、吸収効率は悪い(特に鉄分)
・排便量・排便機会を増やす事が出来る
・緑黄色野菜と言われるように、見た目の彩りを鮮やかにする事が出来る
・色んな食感を楽しむ事が出来る
ポリフェノール摂取可能
・ダイエット(体重減少)にメリット有り??
 
といった所でしょうか?(私の所感です。他にもあれば後日追記していきます。)
 
ちなみによく(?)言われる「むくみ解消」「高血圧改善」「冷え改善」「便秘解消」という部分には有効性をあまり感じてないです。
また、最後のダイエットに関しては「ダイエット方法の内容による」という感じです。
カロリー制限をするのであれば有効だと思うし、糖質制限をするのであれば「糖質を少ない野菜」に限れば有効だと思います。
「食物繊維の多い野菜をたっぷりと先にとることは、食べても太らない基本。ベジファーストは、太る原因となる血糖値の急上昇を防げます。」
という様な感じの紹介もされるのですが、血糖値の上昇が太る原因とするなら、そもそも糖質摂取をしなければ良いと考えます。
 
よく「野菜を食べる」と表現されるのですが、その中に「キノコ類」「海藻類」が当然のように含まれているように見受けられます。
厳密に言うと「野菜」「イモ」「豆」「海藻」「キノコ」は別ですが、これらをひっくるめて「野菜を食べよう」とか、区別をしていても「野菜・海藻を食べよう」「野菜・キノコ・海藻を食べよう」という感じで表現している所は多いです。
色々な所で紹介されている「野菜」とは、どこまでの範囲とするのかを確認しないといけない部分です。
前回の引用の中で、

野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら「かさ」が多いことから、満腹感を与えてくれます。

 

というものがあるように「カロリー基準で食べる物を選ぶ」という事を前提にすると、有効だと感じやすいと思います。
ですが、中には「食物繊維の多い食事は、満腹感が長続きするので空腹と戦う必要はありません。」と主張するような所もあります。
満腹感って長続きするのでしょうか?
 
簡単に話ますが、私は満腹感を生み出しやすくするのは「噛む回数」と「脂質」で、空腹感を生み出しやすいのが「糖質」だと考えています。
「長続き」としているのですが、この「満腹感が長続きする」と記載している記事・資料は色々とあると思いますが、そういった資料の中で「何と比べて持続するのか?」「どれだけ食べたらどれだけの時間持続するのか?」という検証データをきっちりと掲載しているものを私は見た事が無いです。
知っている方がいれば、教えて欲しいです。

噛む事で満腹感を得られるとしながらも、食前に野菜ジュースにして飲もうという話をしている所もあります。

今回は、野菜ジュースを食前に飲むことで野菜サラダと同様の結果が得られることが、明らかになりました

kinarino.jp

 

「咀嚼をすると満腹感」と話しているのに「咀嚼無しでのジュース摂取」をすると、当然噛む回数は減るので満腹感は感じにくくなります。
この時点で同様の結果は得られないのですが、どういった部分・範囲での「同様の効果」なのでしょうか?
もっと言うと、ミキシングする事で熱が生まれる事もあると思います。
これについては具体的なデータを私は持ってないので可能性の話になりますが、「ミキサー」と「スロージューサー」というような差別化された商品もあります。
「高速回転で熱が発生する」とか「低速で細胞を壊さない」とかいう感じです。
その部分にも言及をしていないし、そもそも「自分でミキサー処理」をするのか「市販のものを購入」するのかの違いも明記されていないです。
それで本当に「同様の結果」が得られるのでしょうか??
私にはわからないです。
 
少し話が変わるかもしれませんが、色々な資料やサイトを見ていると「必要な栄養素を摂取する事」よりも「野菜を〇グラム食べる事」にシフト・変化しているように感じるものも見受けられます。
 
ちょっと長くなってきたのでここまでにします。
終わらなかった。
 
次回、このテーマの最後にしたいなぁ。 

野菜不足で病気やガンになるのか?

前回からの続きです。
 
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 
野菜不足で引き起こされる病気って何があるでしょうか?
 
私は病気・疾病を全て知っている訳ではないですが、リスクとして高まるのはビタミンCとビタミンKと食物繊維不足が挙げられやすいと思います。
ビタミンC不足で有名なのは壊血病であったり、ビタミンK不足で血液凝固に時間がかかるようになったり、食物繊維不足で短鎖脂肪酸が作られにくくなります。
ちなみに壊血病はビタミンC欠乏状態が数週間から数か月続くと出現するようです。
 

健康な人体には「500mgを切る」までのビタミンCに余裕があるので、これらの症状は3カ月から12カ月に及ぶ長期・高度のビタミンC欠乏でないと生じない。帆船時代の慢性的な壊血病は出帆前からビタミンC欠乏の生活をしていた船員に発生したものである

 

上記のような状態になったり、ミネラル吸収効率を低下させてしまう事にも繋がる(ビタミンCと鉄等)部分もあるので、コピペしているように「野菜を食べなくてもいい」という話をしている訳ではありません。
 
追記(補足)ですが、ビタミンCの効能として「肉体疲労時の補給」というのが挙げられています。
よく薬店でも「疲労回復に」とか「免疫力アップ」とかいう煽りと共に販売促進をしているのですが、効果を「実感」出来るのかどうかが、ちょっと気になっています。
理由の一つとして「栄養ドリンク」に配合されている商品が少ないと感じるからです。
 
疲労回復=医薬品の栄養ドリンク」というイメージを持つ人は多いと思いますし、私も同感ですし、薬店勤務時代は販売もしていました。
ちなみにビタミンCというのは安価で作る事が出来ます。
食品添加物レベルのものもあれば、医薬品レベルのものまであるのですが、海外(中国他)でも作っていれば、国産のものよりさらに安価で手に入れる事が出来ます。
安価なものであれば、原料・成分として使用されやすいと思いますし、商品イメージを高める事が出来ると思います。
勿論、栄養ドリンクで高価になればなるほど、多くの栄養成分を投入されているのですが、安価なもの、例えば1本100円前後で購入できるものの成分をみると、ほとんどが「タウリン」を使用しています。
タウリン1000mg配合」とかいう感じです。
 

タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。
(中略)
最近は栄養ドリンクの主成分として使用されていますが、これは肝臓の働きを活発にする機能があるからです。

 

同価格程度だと、タウリン+ビタミンB1(ブドウ糖代謝に役立つ)という感じのものがありますが、なかなか「ビタミンC配合」と表示しているものは無いです。
アピールされるのは、「アミノ酸タウリン・BCAA)・ビタミンB群・カフェイン有無・生薬・ローヤルゼリー」がほとんどですね。
ローヤルゼリーはビタミンCが豊富っぽいですけど、配合されてないようですね。
手軽にとれる疲労回復・栄養補給の商品である「栄養ドリンク」に、ビタミンCが入っているものは少ないです。
安価で配合しやすいとかんじるのですが、最優先にはアピールされません。
ビタミンCにはどれくらいの疲労回復効果があるんでしょうかね??

話を戻します。
 
前回引用した厚労省の資料の中で、
 

多くの研究で、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ています。

 

この書き方だと「ある種のガン」というのが何のガンを指すのかが分からないのですが、では、野菜不足により引き起こされるがんリスクって、どれくらいなのでしょうか??

日本人を対象とした研究結果から定められた「科学的根拠に基づいた『日本人のためのがん予防法』」についてまとめています

 

という事なので、これを基に話をしたいと思うのですが、この引用の中に「日本人におけるガンの要因」として挙げられている内容があります。
かいつまんで男性だけで話をしますが、
 
喫煙 29.7%
感染 22.8%
飲酒 9.0%
塩分摂取 1.9%
野菜摂取不足 0.7%
果物摂取不足 0.3%
 
とグラフ化されています。
野菜の摂取不足で引き起こされるがんリスクが「0.7%」ですよ。
一番高い喫煙と比べたら約1/42のリスクとなります。
このグラフ・データから「ガン予防」のために一番推奨するものとなると、当然リスクが一番高いタバコに着目するのが良いと思います。
全体の3割を占めますから。
煙草を吸っている人に健康指導をするのであれば、まずタバコを止める・量を減らす事を提案し、それを差し置いて「野菜を食べましょう」を最優先にする人はいないと思います。
感染については感染経路を遮断できるかどうかに左右されると感じるので、それが出来れば一気にリスクを減らす事が出来ます。
全体の0.7%しか占めない「野菜摂取不足」の影響なのですが、野菜摂取量を増やす事で本当にガン罹患リスクに影響するのか?と感じてしまうデータにしか見えません。
 
私の視点ならば、なぜここに「糖質摂取量」「糖質過剰摂取」という項目が含まれてないのか?が、甚だ疑問です。
がん細胞の栄養源は「ブドウ糖」です。
少しでもブドウ糖摂取を抑える方向に持っていけば栄養源が減るので、増殖速度を抑える事が出来ると考えるのでとても有効だと思うのですが、なぜか着目されない現状です。
 
不思議ですね。

野菜は食物繊維の他にビタミン・ミネラルを多く含むとされていますが

前回までは「食物繊維の効能」について焦点をあてて話をしてきました。
続いてよく言われるのが「ビタミン・ミネラル」の話です。
この「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」が揃っているから「野菜はヘルシー」と言われる所以ではないかと考えます。
では、その「ビタミン・ミネラル」って、本当に多く含まれているんですか?という部分に触れていきたいと思います。
 

野菜に含まれるビタミンは、ごはんなどに含まれる炭水化物が体内でエネルギーに変わる手助けをしてくれます。摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)を不足なくとることが必要になります。ミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠で、特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。しかし腎臓を患っている人はカリウムの排泄が十分にできないことがあり、注意が必要です。また特に色の濃い野菜(カボチャ・水菜など)には、カルシウムも多く含まれています。

 

さて、厚労省もこのような感じで「野菜は良いぞ」と言われるのを良く耳にするんですけど、まず「炭水化物が体内でエネルギーに」とありますが、恐らくこれは炭水化物ではなく「糖質」の事だと思います。
糖質がエネルギー代謝を行うためには「ビタミンB1」が必要です。
このビタミンB1を多く含む食材で有名・イメージしやすいのは「豚肉・ウナギ」だと思います。
「玄米」という人もいると思いますが、100gあたり0.16mg存在しています。
一番多いのは豚ヒレ肉で0.98mg、豚バラ肉0.54mg、ウナギのかば焼き0.75mgです。
野菜だと枝豆・ソラマメで約0.2mg、ニンニクで0.19mg程度で、多くが0.1mg以下です。
これで「野菜に含まれるビタミン」が「ビタミン類(特にB群)を不足なく」摂取する事が出来るのでしょうか?
「豚肉を食え」が安価でもあるし効率の良い解決法ではないかと感じますが・・・。
 
実際にどうかという話をしますが、数値データや詳細を入れていくと長くなるので、傾向での話をしていきます。
 
ビタミン
 
B群:(1.6.12)基本的に動物性タンパク質に多く含まれ、野菜には少量が含まれている程度
C:畜肉のレバーには多く含まれるが、それ以外だと野菜・果物に存在している
A:数字だけ見るとレバーに多く含まれるが、野菜にも量的には多く含まれる傾向だが、吸収効率が異なる。動物性(レチノール)は70~90%、植物性(βカロテン)10~30%程度
E:魚介類・油に多くふくまれ、植物性よりも良質である(オメガ3)
D:魚に多く含まれ、野菜はほぼ無
K:納豆・青菜に多く含まれる
 
ミネラル
 
ナトリウム:魚介類に多く含まれる傾向
カリウム:野菜に多く含まれているイメージがあると思うが、魚・魚介類・肉類にも含まれている。果物はそうでもない
カルシウム:吸収効率は乳類50%海藻30%豆18%野菜18%。数字上では魚>乳>野菜>肉という感じだが、吸収率では乳が一番なのか?
マグネシウム:魚介類・海藻に多く含まれ野菜と肉は同程度
鉄:赤身の魚・肉・魚介類に多く含まれる。野菜にも存在するが、吸収力は動物性のものより低い(2~7倍)
亜鉛:牡蠣で有名だが、動物性のものに多く含まれる
銅:魚介類やレバーに多く、魚類・肉類・野菜は同程度
マンガン:植物に多く含まれる
ビタミン・ミネラルで野菜類に多く含まれる傾向(吸収効率を考慮する)にあるのが、「ビタミンC・ビタミンK・マンガン」くらいではないかと考えます。
野菜って、言うほどビタミンミネラルが豊富なのでしょうか??
 
これまでの歴史で、米というのは日本で大きな影響を受けています。
「信仰」と言ってもいいかもしれません。
それは特に悪い事ではないと思いますが、米には「糖質」が多く含まれています。
それなのに米(糖質)を大量に食べて、そのエネルギー効率をするために「野菜を食べましょう」とするのは、かなり的外れな意見であると感じます。
特に特筆するようなビタミン・ミネラルは無いように思えるのですが、なぜこれで「野菜はヘルシー」という評価・イメージになるのでしょうか?
 
そして、少し話が変わるのですが、世の中には「完全食」という言葉があります。
色々な範囲があるのですが、「その食材単独」という感じで挙げるとするなら、「卵」であり「牛乳」であると思います。
 
ここにあるように、卵にはビタミンCや食物繊維が含まれてないとか言われているのですが、だったらという事で以前に私が提案した食材が「レバー」です。
これだと食物繊維以外のものをほぼ全て補えるもので、「なぜ完全食の中に含まれないのか?」と不思議でならない食材です。
 
それはともかく、お気付きでしょうか?
 
上記のサイトだけではありますが、いくつか挙げられた完全食の食材の中に「野菜類」が無いんですよ。
他と比べて上位にランク入りするような栄養素は少なく、栄養価(必須アミノ酸・必須脂肪酸)も少なく、カロリー(エネルギー量)も小さい「野菜だけ」が、なぜ、「ヘルシー」と評価されるのでしょうか?
ここが私には不思議でならないのです。
 
何度も言いますが、だからと言って「野菜は必要無い」という論調にしたい訳ではないですからね。
あくまでも「イメージに偏りがあるのではないか?過剰なイメージがあるのではないか?」という事を主張したいだけです。
 
次は野菜の摂取量と病気の関連性についてです。

食物繊維と血糖値とセカンドミール効果についての所感

引き続き前回からです。
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 

セカンドミール効果は、トロント大学ジェンキンス博士が1982年に発表した理論。1日のなかで最初に食べた食事の内容が、2回目の食事における食後の血糖値に影響を及ぼすというものです。朝食で食物繊維の豊富な食品を食べると、昼食時の血糖値の上昇をコントロールできると言います。

 


色んな所でこのような研究結果が出ているという事で引用されているのですが、私が不思議に思う部分があります。
 
「なぜ最初の食事内容と2回目の食事での血糖値の関連性しかないのか?」
 
「2回目でも食物繊維を摂りまくれば3回目の食事(夕食)でも血糖値が下がるんじゃね?」
 
「夕食や寝る前にも食物繊維摂りまくれば翌朝も血糖値が下がるんじゃね?」
 
という点です。
そもそも
①「食物繊維が影響を与える時間ってどれくらいなのか?」
②「食物繊維1グラムが血糖値を下げる量ってどれくらいなのか?」
ここの部分がハッキリと分かっていないのが一番気になります。
こういった根底部分がしっかりとしているからこそ「2回目の食事の血糖値が~」とか「食物繊維は食後血糖値を~」という事が言えるのではないかと考える訳です。
 
ちなみにどのような感じの実験結果かと言うと
(以下グーグルの自動翻訳)
レンズ豆または同じ炭水化物含有量の全粒粉パンの朝食は、7人の健康なボランティアによって摂取されました。レンズ豆は、パンと比較して、血糖面積の71%(p未満0.001)の有意な減少をもたらし、血漿インスリンおよび胃抑制ポリペプチドの応答を平らにしました。さらに、レンズ豆の朝食に続いて、標準的なパンランチに対する血糖応答が大幅に平坦になり、4時間後に続いた(38%、0.01未満p)。昼食の4時間前にパンの朝食をゆっくりと与えることにより、血糖パターンを模倣しました。炭水化物の4分の1を含むパンの朝食を与えると、朝食のグルコースプロファイルは低下しましたが、昼食に対する血糖応答が著しく低下しました(コントロールの168%、pが0.01未満)
という様な感じのようです。
これだけだと上記の①の持続時間は4時間程度という感じがしますが、②は分からないですね。
ちなみに糖質1グラムで血糖値を約3mg/dl上昇させます。
そして、それぞれの栄養価を見てみると
レンズ豆100g
炭水化物61.3g
食物繊維17.1g
糖質44.2g
 
全粒粉パン100g
炭水化物41
食物繊維7g
糖質34g
 
という感じですが、「炭水化物が同じ量」という事なので分かりやすく100gの炭水化物量に換算すると
 
レンズ豆
炭水化物100g
食物繊維27.8g
糖質量72.2g
 
全粒粉パン
炭水化物100g
食物繊維17g
糖質83g
 
となります。
そもそも全粒粉のパンを食べる時点でレンズ豆よりも約13%は血糖値を上昇させるのですが、ここを無視して(?)このデータを基に全ての考察が始まっているように思えます。
 
炭水化物は「糖質+食物繊維」です。
 
食物繊維量が多いものを食べたら当然糖質含有量は減少するので血糖値を下げるのは当然です。
血糖値を上げるのは「糖質」ですから。
これが「糖質量を同じとして食物繊維の量を少ないものと多いもの」という比較であれば参考になると思うのですが、この検証で一体何がわかるのかなぁ?と感じてしまいます。
 
恐らくですが、ここから「GI値の違いによって受ける影響が違う」という感じの研究に繋がったんだと思うのですが、この実験だけで「食物繊維が血糖値を下げる」とするのはかなり無理があると感じます。
 
そしてセカンドミールが有効な論調なのかどうかは、前述したように「食物繊維1グラムがどれだけの血糖値を低下させるのか?」の研究が進まないと関連性がわからないのではないかと感じます。
 
セカンドミールが有効だとする所の根拠部分のほとんどが、この1980年代の検証になっているからです。
 
 
こんな感じで。
 
他の資料を私が見つける事が出来てないだけかもしれませんが。
 
ちょっと短いかもしれませんが、ここを区切りにしたいと思います。
そろそろまとめたいなぁ。
でもまだまだ続いてしまいます。

食物繊維が食後高血糖を抑えるのかという部分についての検証

前回からの続きで、食物繊維を摂取する事で健康になりやすいのか?食物繊維はヘルシーだから積極的に摂らないといけないのか?という話の続きです。
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 
今回は「血糖値の上昇を遅らせる」という部分を掘り下げていきたいと思います。
前回は「食べ順で血糖値上昇が緩やかになる」という話に触れていきました。
食べ順を変えれば血糖値上昇ピークを1割程度低くする事が出来るという話です。
ただ、この検証が「最初にご飯のみを食べている」部分と「ご飯→おかず→サラダ」そのような食べ方をする状況は少ないという事と、「おかずやサラダの内容がわからない」という部分に違和感を感じます。
そして、この食べ方をしたとしても1割程度の減少しか得られないので、「結局上昇するからあんまり変わらない」という結論としました。
 
前置きが長くなりましたが「セカンドミール効果」についてです。
朝食で糖質が少なく食物繊維が豊富なメニューを選ぶと、食後高血糖が抑えられるだけでなく、昼食後でも血糖値を抑える効果があるという理論
 
食事の最初に野菜を食べると食後の血糖値が上がりにくくなるとされています。野菜を最初に食べ、次にたんぱく質が豊富な魚や肉、卵類、そして最後に炭水化物を摂るベジファースト(食べる順番ダイエット)なども、そうした効果を活用したものといえるでしょう。

1度の食事に対する考え方はそのとおりです。それに対して「セカンドミール効果」は、1回目の食事が2回目の食事(セカンドミール)にも影響を与えるという考え方です。セカンドミール効果は、1982年にカナダ・トロント大学ジェンキンス博士によって発表されました。1日のうちで最初に摂った食事が、2回目の食後血糖値にも影響を及ぼすという理論です
セカンドミール効果に関しては、まだ明らかになっていないことも多いのですが、最初の食事で血糖値やインスリン濃度の上昇を抑制すると、2回目の食事で摂取した後の反応も改善することが、世界中で数多く報告されています

 

という事のようです。
これは上記のジェンキンス博士が発表した素晴らしい内容のようです。
そもそも、この食べ順ダイエット(食べる順番療法?)に関しても提唱している博士で、GI値の考え方も生み出した人物です。
ただ、食べ順ダイエットに関しては色々な所で用いられやすいのですが、ほとんどのサイトではこの「セカンドミール」という内容に触れていないように感じます。
これ程効果的なら、何故浸透しないのでしょうか?
色々調べるんですけど、サイトによってまちまちに感じます。
 

1.白< 茶色い主食を選ぶ
2.野菜→タンパク質→主食
3.良質な油を摂る

 

食物繊維が豊富な野菜が無難だと考える方も少なくないでしょう。野菜は確かに1日の始まりに食べる食品としてふさわしいものですが、それだけでは次の食事、つまりセカンドミールの血糖値にまでは影響しないようです。
多くの機関が注目するようになったのが「大豆製品」です
朝食に大豆製品をいただくことで、大豆製品に含まれる大豆オリゴ糖などがインスリン分泌の乱れを少なくし、血糖値の上昇を抑制、その状態が食後3~4時間以上(おおむねランチの時間帯まで)続くと考えられているからです

 

1日の最初に発酵性の食物繊維を摂ることで、その食事だけではなく次の食事をとった後の血糖値の上昇を抑えることができるのです

 

という感じでただ単に「食物繊維」としている所と「大豆製品」とする所であったり「発酵性の食物繊維」と言ったりしています。
細分化しないといけないのか?食物繊維なら何でもいいのか?よく分からないですね。
 
一体どれが有効的なものなのでしょうか??
 
あと、このくくり方だと「大豆」と「野菜」は範囲が変わってきます。
べジファーストという話だと「野菜を最初に」という事なので細分化すると豆類は野菜に含まれないですが、含まれているのでしょうか?
その部分では誤解を招きやすい表現だと感じます
あとは「低GI値の食品」と表現している所もあります。
 
一言で言うと「低GI値の食品」ということになりますが、具体的には以下のようなものがお勧めです。
■水溶性食物繊維が多い野菜(きのこ類、海藻類、りんごなど)
■大豆製品(豆腐、納豆、味噌、大豆焼き菓子など)
■水溶性食物繊維が多い穀物類(大麦、もち麦、玄米など)
要は、一食の中の「食べる順番」を、一日の食事の中でも実践していく、ということですね。
ダイエットのみならず、生活習慣病で血糖値が気になる方なども、ぜひやってみて下さい

 

ちなみに低GI値の食品とするのであれば、
 

血糖値を上げにくい食品(低GI食)には、「肉・魚などのタンパク質」「乳製品」「デンプン質以外の野菜」などが挙げられます。 逆に高GIな食品の代表はというと「炭水化物」。ご飯やパン、麺類などの主食と呼ばれる食べ物です。

 

という事なのでこれだと「食物繊維」に限らない事になりますし、炭水化物という言い方をすると「糖質+食物繊維」なので「食物繊維」を否定するが肯定もしているような感じになってしまいます。
 
GI値の話に触れるとより長くなるのでここでは割愛します。
 
で、セカンドミール効果の実験の話になるのですが、グラフを見て欲しいのですが、なぜか「朝食・昼食・夕食の3食」「昼食・夕食のみ」「夕食のみ」という感じで条件が一定ではないような印象があります。
 
メインはカロリーに着目していて、糖質量には何も触れていないんですね。
そして後半のグラフに関しても、朝は食べずに昼夜は食べる物と3食食べているのとの比較の様に感じます。
なぜ「純粋に食物繊維が存在しているものとしていないものの比較」ではないか?不思議です。
散々「絶食後の食事は血糖値が上がりやすい」という論調をしているにもかかわらずです。
 
こんなデータをもとに「セカンドミールに有効」とか「食物繊維が血糖値を~」という感じで主張している根拠にしているのでしょうか?
それでいいのかなぁ?と感じてしまいます。
 
長くなってきましたのでここで抑えますが、もう少し続けて別の話をしていきます。

食物繊維は血糖値上昇をどれだけ緩やかにするの?

前回からの続きで、食物繊維を摂取する事で健康になりやすいのか?食物繊維はヘルシーだから積極的に摂らないといけないのか?という話の続きです。
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。
 
盲目的に「野菜はヘルシーなもの」という意識を刷り込まれていませんか?という話です。
これまでの話で、
・カロリー
・便秘予防・改善
コレステロール
の視点で話をしてきました。
続いて「血糖値に関して」の話です。
 
色んな所で「食物繊維が血糖値を緩やかな上昇にしてくれる」という話をしています。
良くある話では
・食前30分前に野菜を食べると食後血糖を上げにくい
・食べ順で先に野菜を食べると食後血糖を上げにくい
・食物繊維が糖尿病リスクを低下させる
という感じでしょうか?
「食後血糖を上げにくい」を「血糖値急上昇を防ぐ」とか「緩やかに上昇させる」という感じで表現しているものもありますが、基本的に同じ内容を言っているとここではひとまとめにします。
こういった所から、「食物繊維が健康に良い」という部分に繋がり、トクホ製品に組み込まれたり健康食品として販売されている事に繋がります。
栄養指導でも「とにかく野菜を食べましょう」という感じで話をされる人も多いのではないでしょうか?
 
皆さんは血糖値スパイクという言葉をご存知でしょうか?
空腹時の時・血糖値が正常値とか通常時の値から食事をして一気に血糖値が100とか上昇するようなグラフです。
その急上昇するグラフが「スパイク(釘とか突起物)」のように見えるという事でそのように呼ばれています。
で、このスパイクの影響により血管にダメージを与えて様々な疾患を引き起こしやすくなるため出来るだけ避けましょうという事に繋がります。
その対策として挙げられるのが上記の「良くある話」となるわけです。
本当に効果的なのでしょうか?
 
そもそもですが、このような血糖値のスパイクを生じさせる要因となるのが「糖質」です。
食事で糖質摂取を避ければ、このスパイク自体が発生しないという事実があります。
この考え方をベースに持っているので、いくら「食物繊維が緩やかに上昇させる」としても、
 
「結局は(血糖値が)上がっているから同じだよね」
 
という考えを持っています。
例えばおにぎり2個を食べるとします。
血糖値が120の人が250くらいに上昇したとします。
それを食物繊維を摂取して120の人が220くらいに上昇したとします。
これを「食物繊維のおかげで30も違う」と評価するのか?
それとも「どっちにしても100程度も血糖値を上昇させているよね」と評価するのか?
で大きく変わる訳です。
私は勿論後者の視点です。
血糖値が上がらなければ下げるためのインスリンも普段以上に分泌されないので、健康に良いという考え方です。
血糖値を多少低下させる(例えば10~20%低下させる)としても、その程度しか影響を与えないという事です。
 
で、この実験方法も偏っていると感じるんですよね。
良くある話でも取り上げた「食べ順」の話をしていきます。
この方法は、
食物繊維の多い野菜を最初に食べ,炭水化物は一番最後に食べれば,食後の血糖値急上昇は抑制できる,というものです.
実際,血糖値を測定しながら,【1】野菜→その他のおかず→主食 という順番と,【2】それを逆にした順番で 被験者に食事をしてもらったところ,明らかに【1】[野菜が先]にした方が食後血糖値は緩やかでピーク値も低く,たしかに食べ順の効果がみられました.

http:// https://shiranenozorba.com/2019_04_14_eatig-seq-1/

 
というものです。
この結果【2】ではピークの血糖値が160で【1】だと150程度になっています。
そんなに大きな差かな?という感想は置いておいて、この食事方法について違和感を感じます。
「そもそも食事の一番最初に米飯を全部食べつくす習慣があるのか?」
という部分です。
「主食(白米等)」を食べ切ってから「おかず」を食べてから「野菜」を食べるという事ですが、「飯を食いながらおかず等を食べるんじゃないのか?」という話です。
私はこれまで多くの人と食事をしましたが、そんな人を見た事ありません。
食べ放題で好きに選べる時でも「さて、最初は米飯を一杯食うぞ」という人はいないでしょうし、コース料理でも最初に米は出てきません。
日本料理では「先付」「突き出し」「お通し」として野菜の煮物が出たりもしますが、これは主食ではないですし、洋食のコースでも最初からパンを置いている事はありますが、順番としては前菜の後に食べる物です。
実験のためにという事は分かるのですが、あり得ない前提で比較するのはどうなのかな?と感じます。
 
そして食べる時間というのも影響します。
「咀嚼回数」や「食事にかける時間」という部分です。
 
ちょっと長くなってきたので次回にします。
 

食物繊維がコレステロールを下げるという話

前回からの続きです。
私は何度も言いますが、野菜を食べる事を否定する訳ではなく、食物繊維が過剰に「健康に良い」とされ過ぎている現状に端を発するというのを目的に話を進めています。
 
さて、食物繊維摂取のメリットという事で取り上げられている理由の一つに、血中コレステロール値を下げるというものがあります。
 

欧米において一日あたり24g以上の摂取で、心筋梗塞のリスク低下が観察されるとの研究報告があります。体内でコレステロールから作られる胆汁酸の体外(便中)への排泄を促進し、血中コレステロール値を下げます。

 

www.e-healthnet.mhlw.go.jp

 

そういった働きがあるという事で、野菜を食べようという事に繋がっていきます。
ですが以前、厚労省は一日のコレステロール摂取量を成人男性750mg・女性600mgという上限を設けていましたが、2015年には「十分な科学的な根拠を得られない」と撤廃されています。
 
そもそも、コレステロールは肝臓で産生量を調整されています。
コレステロールの低いものを」と食べ物からのコレステロールを摂取出来なければ、肝臓は一定量(濃度?)にするためにコレステロールを作り出します。
逆にコレステロールの多いものを食べれば、肝臓は作らないようにします。

食事中のコレステロールはすべて吸収されるわけではなく、吸収率には20%から80%程度と大きな個人差があります(平均で50%ほど)。吸収されなかったコレステロールは便中に排泄されます。
食事中の他の成分によってもコレステロールの吸収は影響をうけ、特に食物繊維や植物性ステロールを多く含む食事では吸収されにくくなります。

 

という感じで、このサイトでも基本的には便中に含まれ排泄されます。
ちなみにコレステロールは「脂質」です。
便中に多く含まれていれば、それが潤滑油のようになって便秘リスクは小さくなりがちであると思います。

ですが、他の部分では
摂取したコレステロールが血液中のコレステロール値に与える影響には、個人差が大きく(※2)、どれだけまで大丈夫という数字が出せないためです。したがってコレステロールはどれだけとっても大丈夫という意味ではありません。
飽和脂肪酸はLDLコレステロール値を増やすことが知られています。
 
コレステロールを多く含む動物性食品は同時に飽和脂肪酸も多く含みますので、このような動物性食品を摂りすぎないことをお勧めします。上記のアメリカの発表でも、日本人の食事摂取基準でも飽和脂肪酸の制限を設けています。
そしてLDLコレステロール値が高い人についてはこれまでどおり、食事でのコレステロール摂取制限が必要であり、同時に飽和脂肪酸についても必要です。

 

という感じで、これまでの医療方針というか患者への対応を現状維持という立場で接しているようで不思議です。
コレステロールは身体に必要なものです。
だからこそ肝臓でコントロールされています。
そしてコレステロール値は、低いほど死亡率が高く、高い程長生きしやすいというデータも生まれてきています。
 
コレステロール値が高いと「コレステロールを下げるための薬」が医療機関から処方される事があります。
この薬を長期に服用し続けると、当然副作用が生まれやすくなります。

コレステロール低下剤の「スタチン」という薬には重大な副作用を起こす可能性があるのです。その副作用とは、横紋筋融解症、ミオパシー(広範な筋肉痛・筋肉圧痛)、肝機能障害、黄疸、血小板減少など。とくに、横紋筋融解症は、筋肉が溶け出して体に力が入らなくなってしまう非常に怖い副作用です。
また、最近はうつ病との関連性もクローズアップされています。低コレステロールうつ病の因果関係を示すデータは海外で数多く発表されていますが、このところ日本でもよく見かけます。

 

コレステロール降下療法は心臓病死亡のリスクは下げても、自殺、事故、がんのリスクを大きく上げるという分析結果は衝撃的である。

 

過去に、大学の学者が行ったJRとの共同研究で、駅のホームから飛び込み自殺をした55~60歳男性のほぼ全員がコレステロール値を下げるクスリを飲んでいたという結果も出ています

 

という感じで、何のために薬を服用しているか分からなくなっているような現状でもあります。
 
コレステロールの内容なので、かなり横道にそれてきましたが、肝機能に問題が無ければ、特に気にするような事ではないという事を言いたいのです。
 
「食物繊維がコレステロールを下げる」
 
という言葉がありますが、肝機能に問題無いとか疾病を抱えているとかの状況を除けば、健康な人に対しての注意喚起のように特段こじつけるようなものではないという風に考えています。
下げるのかもしれないが、下げた所で肝臓が調整して補うように作用するから、本当に下がるんですか?と聞きたいですね。
 
もっとコレステロールの話を掘り下げると長くなるのでここまでにします。
 
次回は食物繊維と血糖値に関しての話です。

食物繊維が健康に良いとされる理由についての考察の補足

前回の続きです。
「野菜はヘルシー」というイメージを掘り下げています。
何度も言いますが、私自身は「野菜を食べなくてもいいよ」という事を提言するつもりはありませんが、イメージ先行で過剰な効果を生み出すような印象を与えている部分があると考えていて、その部分に言及していこうとしているものです。
 
早速ですが、前回の補足です。
 
便秘の「予防」をするという事で有名な食物繊維ですが、これってどこまでのレベルで「予防」してくれるんでしょうね?
予防という意識は当然必要であるのですが、だったら野菜を食べる・食物繊維を積極的に摂取するという事が、予防に対しどれだけのウエイトを占めているのか?という事が、一般的な紹介のサイトでは「数字で全く語られてない」のです。
「食物繊維摂取量を〇〇グラムから〇△グラムに変えたら便秘が改善した」
「食物繊維量を◎〇グラムを維持していたら〇〇日間便秘の症状がでなかった」
等々の話です。
 
ちなみに便秘予防で挙げられている内容ですが
 
食事について
食物繊維の多い食事を摂る 食物繊維を多く含む食品を、積極的に食事に取り入れましょう。 ...
脂肪を適度に摂取する 脂肪(油脂類)は腸粘膜を刺激し、便がスムーズに排出されるよう働きます。 ...
水分を十分に摂る ...
3食きちんと食べる ...
 
生活習慣について
排便の習慣をつける ...
腹部を温める ...
腸をマッサージする ...
適度な運動をする

 

という話をよく聞くと思います。
もっと掘り下げると
 
食物繊維の多い食事を摂る
食物繊維を多く含む食品を、積極的に食事に取り入れましょう。食物繊維は消化されにくいため、便中に水分を蓄え、便の量を増加させてスムーズな排便を促します。
脂肪を適度に摂取する
脂肪(油脂類)は腸粘膜を刺激し、便がスムーズに排出されるよう働きます。そのため、適度な脂肪の摂取は便秘改善に大変有効です。

 

という感じで上記引用先では記載されているのですが、他の項目では排便促進とか習慣づけとか効果的とかあるのですが、脂質だけは「便秘改善に大変有効」と記載されています。
この部分だけでも便秘解消・予防には「食物繊維<脂質」という書き方のように思えますね。
そして、「便秘予防・解消」という概念では上記に挙げたもの以上の項目(?)が挙げられているものもあります。
果たして、どれが一番効果的で、どれとどれが影響し合っているのでしょうか?
これらの中で「食物繊維」というのが何番目に効果的なのでしょうか?
 
私が便秘解消・改善で「最優先」として挙げるのは「脂質」と「マグネシウム」の摂取で、次に水分・運動・他ミネラル補給という感じです。
 
同じような内容で「風邪」が身近なものなので例として挙げてみます。
 

「かぜ」を予防する8つのポイント
手洗い せっけんでウイルスや菌を洗い流す・洗ったあとは清潔な布、ペーパータオルなどで拭いてよく乾かす!
うがい 口やのどを洗浄・タンなどを除去しやすくする・自浄作用の促進
水分補給 体内の水分バランスを整える・水分不足を補う
栄養 バランスの取れた食事を摂る
睡眠 ...
リラックス ...
保温 ...
保湿

 

さて、この中で一番有効なものは何でしょうか?
この8つのポイントをおさえれば、風邪のリスクはどれだけ減らす事が出来るのでしょうか?
風邪の原因は「ウイルス」です。
ウイルスを退治する医薬品は無いため、ウイルスを体内に取り込まないようにする事と体内で増やさないように抵抗力・免疫力を高める事が重要になります。
詳細は省略しますが、私が推奨するのは「保温・保湿・睡眠・水分とミネラル補給・絶食」です。
絶食をするのは「風邪ウイルスを退治するためにエネルギーが必要なのに、消化のエネルギーでよけいに体力を消耗させない」ためです。
動物でも体調が悪い時はジッとして体力を温存します。
何も食べないです。
そうやって病気(ウイルス)と戦う訳です。
 
この話は以前にもしたので、良かったらそちらの投稿をご覧くださいませ。
 
 
という感じで、一般的には「良い」とされるイメージがあるものも、それが必ずしも「体に良い影響を与えるものではない」という事はよくあります。
食物繊維は「便の量を増やす」という意味では効果的であると感じますが、「便秘解消・予防・改善」については言うほど期待できないという話です。
「排便行為を一日一回以上したい」という事を目的にするのであれば、食物繊維を積極的に摂るものであると考えます。
 
補足のつもりがガッツリ話してしまいました。
次回こそコレステロールとかの話についてです。