糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

わかめとネギの組み合わせ:硫化アリルとカルシウムの話

前回の続きです。
 
わかめとネギの組み合わせについては、リンをベースにしている論調と、硫化アリルをベースにする論調に別れています。
全数を調べてないので分かりませんが、リンを悪役にしているものから硫化アリルを悪訳にするものに論調がスライドしているように感じます。
あくまでも、私の所感です。
 
さて、以前も引用しましたが、改めて。

8月23日放送の「くりぃむしちゅーのハナタカ! 優越館」(テレビ朝日系)では、食材の食べ合わせにまつわる知識を特集。
栄養的に損している組み合わせや、体に悪い食べ方が取り上げられました。
まず登場した食材は、味噌汁の定番であるわかめとネギ。管理栄養士・美容アドバイザーの豊田愛魅さんによると、ネギの中には硫化アリルという成分が含まれているのですが、硫化アリルにはカルシウムの吸収を妨げる効果があるそう。
本来は悪い成分ではなく、夏バテ防止などに効果のある体にいい栄養素。
効率よく吸収するためには、別々に食べるといいでしょう。

 

味噌汁の具として昔から黄金コンビ。でも、栄養面を考えると、意外なことにNGな組み合わせだとか。
わかめに含まれるカルシウムの吸収を、ねぎが持つ硫化アリルという成分が妨げてしまうのだ。
わかめのカルシウムをしっかり吸収するには、タンパク質が豊富な豆腐がベスト。
具の組み合わせを変えるだけで、栄養の吸収率はグンとアップする。
医学ジャーナリストの植田美津恵先生は、
「太陽の光を浴びて、紫外線によって合成されるビタミンDがなければ、カルシウムは体内に吸収されません。ただ食べるだけではダメなので、注意しましょう」
豆腐の味噌汁を食べたあとは、外に繰り出すことを日課にしよう!

 


私の視点では、
「簡単に「NG」とか「絶対ダメ」「無駄」とかいう表現を使って大丈夫なんですか?」
「栄養・栄養の吸収率とあるが、「栄養=カルシウムが中心」の表現になっている」
という感じです。
 
「硫化アリル=カルシウム吸収阻害」という論調であり、そのように作用するというのは知っています。
ただ、この論調だと、「カルシウム摂取にとって効率が良いかどうか?」という所だけにとどまっているのが引っかかります。
 
硫化アリルの特性の話をしていきます。
 

ねぎ、たまねぎ、にら、にんにく、らっきょう等のユリ科の野菜
これらには切ったときにツンとくる刺激臭がありますが、その刺激臭のもとになっているのが、硫化アリルです。
血液をサラサラにして動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞脳梗塞等の生活習慣病を予防します。
また、活性酸素を除去し、ガンの発生を抑えるほか、強い殺菌作用で胃炎等にも効果を発揮します。

 

mirai-zou.co.jp


ユリ科となっているが、ネギ科かも。ウィキペディアではニンニクはヒガンバナ科ネギ属の多年草とあるが、ここでは触れない事にする)
 
で、特性の一つには「熱に弱い」というのがあります。
生で食べると硫化アリルが残っているため強い刺激を受けますが、加熱するとそれが無くなります。
玉ねぎやネギをじっくり加熱すると甘くなるのはそのためです。
という訳で、必ずしも「わかめとネギ」の組み合わせで、極わずかにしか存在しないわかめのカルシウムの吸収阻害に影響するかどうかは、生で食べるか、加熱して食べるかによって変わってくる事になります。
そこの部分を飛ばして、「わかめとネギ」の組み合わせを「NG」とか「無駄」とか「栄養を捨ててる」とかいうのは、思考が偏っているし、言い過ぎだと考えます。
 
この食べ合わせについての論点ですが、
 
①血液をサラサラにして動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞脳梗塞等の生活習慣病を予防します。
また、活性酸素を除去し、ガンの発生を抑えるほか、強い殺菌作用で胃炎等にも効果を発揮します。
 
という事と、
 
②硫化アリル=カルシウム吸収阻害
 
という2つの事実を天秤にかけ、②の方を優先しているから「食べ合わせとして良くない」としているのだと考えます。
 
あくまでも②で悩んでいる人が多数派であればという話です。
 
それでは、①で悩んでいる人はどうすればいいのでしょうか?
だったら積極的に薬味としてでも生で食べるのが当然だと考えます。
①で悩んでいる人にとっては、この組み合わせは「とても良い」となります。
 
このように違った側面を持っているのに、片方だけを持ち上げて「無駄」だの「NG」だの、強い否定を行なうのは、いかがなものか?と感じる訳です。
 
ちなみに、健康食品で「玉ねぎを凝縮しました」とか「粉末にしました」とかアピールして販売していますが、基本的に健康食品であるため、加工の際に熱処理を行ないます。
硫化アリルは熱に弱いです。
という事は、健康食品に硫化アリルの効果を期待する事は、ほぼ出来ないという事になるのでは?
得られるのは「フラシーボ効果」程度だと考えています。
 
とりあえず、ここまで。
もう少し続けます。

わかめとネギの組み合わせについて

わかめとネギを組み合わせて食べると、栄養効率が悪くなるとの事ですが・・・

わかめとネギ…これも「悪い食べ合わせ」です。
ネギに含まれるリンが、ワカメに含まれるカルシウムの吸収を阻害します。
一度にたくさん食べる食材でもないので深刻な問題ではありませんが、栄養吸収効率からは良くない食べ合わせです。(2018.10.05の記事)

 

食べ合わせNGな味噌汁の具材
8月23日放送の「くりぃむしちゅーのハナタカ! 優越館」(テレビ朝日系)では、食材の食べ合わせにまつわる知識を特集。栄養的に損している組み合わせや、体に悪い食べ方が取り上げられました。
まず登場した食材は、味噌汁の定番であるわかめとネギ。
管理栄養士・美容アドバイザーの豊田愛魅さんによると、ネギの中には硫化アリルという成分が含まれているのですが、硫化アリルにはカルシウムの吸収を妨げる効果があるそう。
本来は悪い成分ではなく、夏バテ防止などに効果のある体にいい栄養素。効率よく吸収するためには、別々に食べるといいでしょう。(2018年9月26日 12:00の記事)

 

ワカメとネギを食べると、カルシウム吸収が悪くなるので避けましょうというはなしですが、この2つでは主張が異なっています。
前者は「リンとカルシウム」、後者は「硫化アリルとカルシウム」です。
 
まず、「リン」です。
ネギに含まれているリンの量から調べないといけないです。
 
「こねぎ」があったのでそれでいくと、100gあたり36mgのリンが含まれています。
100gあたりです。
ちなみに、ブロッコリーには100gあたり66mgが含まれています。
また、野菜ではなくカルシウム摂取のために積極的に摂ろうと推奨される牛乳には93mg含まれていますし、魚にもサンマで180mg、サバで230mgのリンが含まれています。
さらに、みそ汁自体の味噌にも、100gあたり170mgのリンも含まれていますし、後述する納豆には、190mg(ひきわりだと250mg)含まれています。
最後に、わかめ(めかぶわかめ)は100gあたり26mgのリンを含んでいます。
薬味として使うなら1g程度、具材として使うなら5~10g程度ではないでしょうか?
で、その記事では後半で、

納豆にネギ…○です。納豆菌の整腸作用は世界一、ビタミンB群も豊富です。ネギに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収率を高めてくれます。また、納豆の粘り成分ナットウキナーゼは血栓を溶かす働きがあり、ネギも血栓予防効果があるので、血液サラサラの相乗効果です。納豆に含まれないビタミンCはネギが補ってくれるので、この組み合わせは抜群です。

 

と、べた褒めしています。
 
ちなみにカルシウム配合量は、納豆90mg めかぶワカメ77mgであり、こねぎのビタミンC含有量は、44mgです。(ともに100g当たり)
ビタミンB1だと、納豆0.07㎎(ひきわりだと0.14㎎)、めかぶわかめは0.02㎎です。
 
前半では「ワカメとネギのカルシウム吸収力」に焦点をあてて話をし、後半では「納豆とネギの血栓予防・ビタミンB1吸収力」に焦点をあてて話をしています。
 
先ほども話をしましたが、使用量に関しては薬味程度なので1g程度の量だとして話をします。
私の視点は、以下の通りです。
・カルシウムの話はどこに行った?
・ビタミンCが0.4㎎程度で「納豆に含まれないビタミンCはネギが補ってくれる」とする論調
・ビタミンB1もワカメにも納豆にも両者に含まれている
という所の話を切り捨てたり、取ってつけたように話をしています。
 
0.4㎎程度のビタミンC量で、ビタミンCを補ってくれたとするのは、論調としてはかなり強引です。
ちなみにめかぶワカメにも100gあたり2㎎のビタミンCは含まれています。(納豆には含まれてないです)
 
ビタミンB1の吸収量の話をするなら、ワカメの所でもしないといけないと思いますし、カルシウムの話をするのであれば、納豆の時も話をしないといけないと思います。
ワカメの時はネガティブに話をして、納豆の時にはポジティブに話をするというのは、論調の持っていき方としてはあると思いますが、明らかに別物のように話を進めているように感じますし、良いとされる組み合わせと、悪いとされる組み合わせも、そこまで大きな違いを提供出来てないのではないかとも感じます。
 
リンに焦点をあてたら納豆の方が多いし、ワカメなら納豆と同量は普通は食べないです。(メインがワカメしゃぶしゃぶとかなら多くなるでしょう)
他の野菜や動物性たんぱく質の方が、はるかに多い量を含んでいます。
 
ビタミンB1の吸収力の話をするなら、ワカメにも含まれているので、それは引用しないといけないと感じます。
 
ビタミンCの話をするなら、ワカメの時にも話をしないといけないと感じます。
 
ワカメとネギという組み合わせは、私がイメージしやすいのはみそ汁ですが、いかがでしょうか?(あとはワカメスープとか?)
それであれば、僅かずつしか食べない「ワカメとネギ」という組み合わせを使うよりも、もっと別の食材で引き合いにする方が、よほど栄養効率に影響を与えると考えます。
例えば牛乳とパンなら、リン配合量は牛乳93mg、食パン83mgで、合計176mgとなります(100gあたり)
ちなみに食パン6枚切りで約63g、4枚切りで約93gです。
牛乳もコップ一杯で150~200mlくらいでしょうか?
リンだけに着目してデメリットを打ち出すのであれば、この組み合わせとしてはかなり良くない事になります。
物凄くミクロな視点でみているなと感じました。
 
この程度のデータ、そして「リン」の配合量(食べる量)という視点で「ワカメとネギ」を「悪い組み合わせ」とするのは、説得力に欠けると感じます。
 
次は、硫化アリルについての話をします。

きゅうりとトマトの組み合わせは良くないと言い出しているのをみました

サラダの定番の組み合わせの一つである「きゅうりとトマト」ですが、これが良くないと言い出している所がありました。
 
8月5日放送の『スクール革命!』(日本テレビ)では、“食べ物2択クイズ! 良いのはどっち?”と銘打った企画を放送。
アセロラのビタミンC含有量はレモンの約17倍」「食事で最初に食べるなら、野菜ではなく肉がよい」など、食に関する数々の豆知識が披露されました。
中でも多くの出演者を驚かせたのが、「きゅうりとトマトは食べ合わせが悪い」という新常識。
SNSでも、「サラダってたいてい両方入ってるじゃん!」「ベストフレンドといっても過言ではないのに…」「いやいや一緒に食べたいでしょ」といった動揺の声が。
医学博士の森田豊先生によると、きゅうりに含まれる「アスコルビナーゼ」という成分は、トマトのビタミンCを破壊してしまう恐れがあるそうです。
一緒に食べたい時は、「アスコルビナーゼ」の働きを抑える酢が入ったドレッシングをかけて食べましょう。

 

という事のようです。
恐らく去年(2018年)のものではないかと思いますが、それはどうでも良いです。
 
これを見て一番最初に思ったのが、数値データが無く、印象・インパクトだけが前面に出ているコメントであるという事です。
 
・きゅうりのビタミンC破壊能力と、トマトのビタミンC量は、どこで均等となるのか?
 
・きゅうりにはどれくらいの酵素があって、どれくらいのビタミンCを破壊する
のか?
 
・破壊してしまう「恐れがある」という事だが、どれくらいの基準を超えると「恐れ」が生じるのか?
 
・きゅうりとトマトの組み合わせ限定なのか?
 
ここら辺が、パッと思い浮かびました。
きゅうりには「アスコルビナーゼ」という酵素があります。
実際にビタミンCを破壊(?)するのかもしれませんが、作用は無限ではないはずです。
酵素も、何かと結びついて活性化していくのですが、その「何か(補酵素)」が無いと、働きは生まれません。
つまり有限の効果です。
例えはおかしいかもしれませんが、金属を溶かす事で有名な硫酸でさえ、たった1滴の硫酸で何十キロもの金属を溶かす事が出来ないのと同じ理由です。
とりあえず調べていたら、ある実験結果がありました。
・VC 総量にほとんど変化がみられないことから、VC は破壊されていないと考えられる。
・ほとんどの VC が酸化されていることから、アスコルビナーゼには VC を酸化する作用があると考え
られる。
・基準と比べると、0.05g でも働いていることから、少量でも働くということが分かる。
・キュウリの輪切り1枚は1枚約1g なので、キュウリの輪切り2.6枚で、トマト一つ分の VC(約20mg)
を完全に酸化することができると考えられる。
・50度から60度の間で大きな変化があることから、その温度の間で活性が抑えられていると考えられる。
・70度以降 VC がほとんど酸化されていないことから、70度以降アスコルビナーゼがほとんど働いてい
ないと考えられる。
・塩基は VC を破壊するということが分かる。
・pH3~4、pH12~13では VC がほとんど酸化されていないことから、pH7から離れた pH ではアスコ
ルビナーゼの活性が抑えられていると考えられる。
・逆に、pH7に近い pH では、アスコルビナーゼの働きをほぼ抑制していないと考えられる。

 

こんな感じの考察をされていましたが、着目点は

「キュウリの輪切り2.6枚で、トマト一つ分(約133g)の VC(約20mg)を完全に酸化することができると考えられる」

 

の部分です。
こういった事から、コメントを発したのだと思います。
また、酸に弱いので、酢の物やドレッシングという様な考えもあるのだと感じます。
恐らくですけど、他の野菜のビタミンCにも影響を与えると感じます。
 
この事実だけを見ればです。
答えはウィキペディアにまとめられていました。
 

またキュウリにはビタミンCを酸化させる酵素アスコルビナーゼ)が含まれているため、キュウリを食べるとビタミンCが破壊されると言われているが、実際は酵素作用によって還元型ビタミンCから酸化型ビタミンCに変異されるだけである。
一方で、酸化型に変わったビタミンCでも体内で還元型に戻るという可逆的性質を持っているため、今日では生理作用も還元型と同等であるとされている。
キュウリを食することでビタミンCが破壊されると言われた理由として、過去にはビタミンCは還元型だけに生理作用があると考えられており、酵素によって酸化型に変化したビタミンCには生理作用はないものと考えられていたことがあげられる。
そのため酸化型ビタミンCはビタミンCとしてカウントされておらず、ビタミンC量が減少したように見えたという背景がある。
しかしながら前述の通り、酸化型ビタミンCであっても体内で還元型に戻るため現在では還元型と酸化型を合わせた総ビタミンC量を記述することが一般的である。

 

という事で、酸化しようがしてまいが、ビタミンCはビタミンCとして作用すると考えるのが主流のようです。
 
また、酸の強いものと食べると良いいう主張があるのですが、人間は強酸を出す事が出来ます。
穀物酢のpHは「2~3」です。
胃酸は「1」です。
酢をかけてもかけなくても、胃酸の強酸性だけでアスコルビナーゼの反応は起こらないのではないでしょうか?
穀物酢の酸度は4~5%程度です。
かけても「ドレッシングとして」15~20ml程度(適当です)と思いますが、その程度の酸で反応を防ぐことが出来るのでしょうか?
 
無理でしょう。
 
これまでの内容が「医学博士がインパクト重視のコメントを残した」とする理由です。
 
・きゅうりとトマトを食べても、栄養学的に問題はない
・酢をかけてもかけなくても、胃酸が働き
アスコルビナーゼの活性が抑えられている
 
というのが、当ブログでの結論です。
好きに食べたら良いと思います。
 
次は、ネギとわかめの組み合わせの話でもしましょうかね。
 

食べ合わせについての話

昔からよく言われている事があります。
「〇〇と〇〇を一緒に食べ合わせてはダメです」というものです。
今にも通じるものもあれば、よく分からない内容のものもあります。
今回は、その部分を少し掘り下げていこうと思います。
 
医薬品の成分と食べ物の成分で、深刻な状態(禁忌)を引き起こすものがあります。
栄養学の授業でも習う部分で有名な所では、
 
「グレーフルーツとカルシウム拮抗剤」薬効が強まり、急激な血圧低下がみられる可能性が高くなるため。
「納豆とワルファリン」血液凝固因子とビタミンKが結びつきを阻害する事で、血栓予防作用をワルファリンが行うが、薬の薬効を弱めてしまうため
「アルコールと医薬品」様々な薬剤で見られる。薬によっては血糖値の急低下や中枢神経の活動を過度に抑制したりするため、副作用が大きく作用し、最悪死に至るリスクが生まれるため
 
という事が挙げられています。
 
このブログのテーマは栄養学なので、医薬品・薬剤、そして健康食品については除外したいと思います。
 
さて、食べ合わせが悪いとして取り上げているものには、色々なものがあります。

探したら色々と出てきたので、上記リンク先を参照に話を進めますが、いくつかに絞って話をしたいと思います。
 
大体はウィキペディアの中で「こういうものがあるけど、こんな感じで間違っているとは思えない」と話をされているものもあります。
例えば、「ウナギと梅干」です。
 

鰻と梅干し: 鰻の脂っこさと梅干しの強い酸味が刺激し合い、消化不良を起こすとされた。
ただし実際はむしろ酸味が脂の消化を助けるため、味覚の面も含めて相性の良い食材である。
『養生訓』には「銀杏に鰻」と記されており、これが転じたとするほか、高級食材である鰻の食べすぎを避けるためなど諸説がある。

 

では、それ以外を取り上げていきたいと思います。
 
イカと天ぷら
イカは非常に水分の多い果物で、その水分量は果実のおよそ9割近くを占めます。
そのため脂分の多い食べ物と一緒に食べると、胃液が薄まり消化不良をおこす事があるんです。

 

イカの水分量はおよそ9割近くという事のようです。
ですので、消化に負担を与えるので良くないというのですが、ここで着目したいのは、食べる量です。
 
皆さんはスイカって、どれくらいの量を食べますか?
私は基本的には食べないです。
こちらを参照にしますが、中くらいのスイカ一玉の1/12で、だいたい800gくらいのようです。
で、それをさらに4つにカットすると、だいたい皮をはずすと食べられるところが一番大きくて215g
これの90%が水分という事であれば、193g程度です。
大体コップ一杯程度の水分量です。
そもそもですが、スイカって、食事中に食べるものでしょうか?食後に食べるものでしょうか?
個人的にイメージするのは、食後のデザートとして出る場合がほとんどだと思います。
食事を食べ終わって、さらに追加して食べるという状況が多いと思いますが、いかがでしょう?
風呂上がりに食べたりとか、夕涼みであったり、花火をしている横で食べている風景を、私は頭に思い浮かびやすいです。
 
食後の満腹の状態でスイカを食べるという事は、食後に水分をゴクゴク飲んでいる状態に近いのではないかという事です。
水を飲んだら、胃液は当然薄まります。
暑いからとスイカを食べても、冷たい麦茶を飲んでも、それは同じ事になると考えます。
 
ここでの私の着目点ですが、
食べ合わせは良くないという事は明記しているのですが、何g以上食べるのは良くないと明記されていない」
という所です。
 
何でもかんでも、どの食材であったり、どのような食べ方であっても「限度」というのがあります。
食べ過ぎる → 体調が悪くなる → 食べ合わせが良くない
という流れでこのような文化が出たのではないかと仮定しているのですが、
「食べ過ぎる」という量についての記載はありません。
「調子が悪くなる・悪影響が生まれる=食べ過ぎ」だからです。
そして、これは「個人差」という言葉もあります。
ですが、悪いというのであれば、検証は必要です。
 
イカを何g以上食べたら食べ過ぎなのでしょうか?
天ぷらを何g以上食べたら食べ過ぎなのでしょうか?
天ぷらをどれくらいの量と種類のものを食べて、それと同時にどれくらいの量のスイカを食べたら、体調不良になるのでしょうか?
 
数字としてのデータが無いので、私にはさっぱり分かりません。
 
そして、これは他にも言えると思います。
例えば油調としてメジャーであると考えている「アヒージョ」です。
レシピを見ても普通に50~100mlを使用しています。
パンにたっぷり吸わせたり、パスタに使ったりして、油をまるっと食べます。
これはスイカとの食べ合わせは大丈夫なのでしょうか?
声としては上がっていません。
「アヒージョとスイカは一緒に食わねーよ」
という声が上がるかもしれませんけどね。
 
という訳で(?)、天ぷらとスイカを食べようとも、水分量に焦点をあてて、自身にとって適量を食べていれば、何事も起こる事が無い訳です。
私は天ぷらは好きですが、使っている油(酸化具合)によって、同じ量を食べても満足感を得られたり不快感を生じたりします。
 
そこまで気にしている人はいないと思いますが、天ぷらとスイカ食べ合わせにより生じる悪影響は、私自身は雑学程度でいいと考えています。
 
今回は、ここまで。
続いて取り上げたいのは、トマトときゅうりの食べ合わせについてです。
 

「「う」のつく食べ物を食べたらいい」って、暴論じゃね?

土用の丑の日にウナギであったり、「う」のつく食べ物を食べようという文化があります。
私自身は、それを実践するかどうかは別ですが、良いものであると考えています。
これは正月におせち料理を食べたり、クリスマスにチキンを食べるというのと同じだと考えているからです。
 
で、ウナギが高額であるため、庶民は「う」のつく食べ物を食べていたという事があるそうなのですが、そんな感じで「う」のつく食べ物をサイトで紹介していました。
主食、おかず類
うなぎ、うどん、ウィンナー、ウグイ(川魚)、うぐいす豆、烏骨鶏うずらうずらの卵、うずら豆、うど、ウニ、梅(梅干し、梅漬け、梅醤)、うるめいわし、ウマズラハギ、瓜、海ぶどう、うしお汁、牛(牛肉)、馬(馬肉・桜肉)
飲み物・お酒類
ウィスキー、ウィンナーコーヒー、ウォッカ、梅酒、ウーロン茶、宇治茶宇治抹茶
お菓子類
ういろう、ウエハース、うぐいす餡、うぐいす餅、温州ミカン、うなぎパイ、薄皮饅頭、宇治金時

 

雲行きが怪しくなっています。
本来の目的は
 
「鰻は昔から滋養の元として、疲労回復、食欲増進に効果があることが知られているので、夏に食べることで、いわゆる「夏バテ」対策になること
 
です。
 
そのため、疲労回復に繋がりやすいビタミンB群・たんぱく質摂取が条件となるわけです。
その条件どうこうではなく、ただ単に「う」という文字が頭につけばいいとするのは、意味が分からないです。
 
アルコールで食欲増進というのなら、まだ分かります。
お菓子類に疲労回復効果があるのでしょうか?
ういろうの原料は、米粉(小麦粉・もち米)・砂糖を主成分としています。
ただ単に糖質摂取です。
 
夏バテの原因は、栄養面で言えば「ビタミンB群不足になりやすい食生活」です。
糖質摂取したら、余計にビタミンB群の消耗を手助けする事になります。
逆効果です。
 
このサイトでは続けて、
この他「ウイダーinゼリー」や「うまい棒」など、商品名を含めればまだまだいっぱい出てきます。スーパーやコンビニで「土用の丑の日!」と書かれたPOPが「ウコンの力」に貼られる日もそう遠くないんじゃないかと思ったり。
そんな我が家の食卓を飾るのは「うな次郎」です。
見た目も味もほぼうなぎ、そして「う」も付いて完ぺき! これが手に入らなかったら梅干しのせたうどんにします。

 

という感じで突然ステマを行ない、終わっています。

続いて、上記の主食・おかずの方にも触れます。
動物性たんぱく質は、理解出来なくないです。
ですが、うずらの卵は分かりますが、「うずら」自体も取り上げていますが、うずらの肉をこの著者は食べた事があるのでしょうか?
私の地域ではうずらの肉を販売している所を見た事ないです。
うずら豆も、ただの豆です。
インゲン豆の一種です。
 
また、ウインナーを取り上げていますが、羊腸を使ったものをウインナーソーセージとします。
豚腸を使ったフランクフルトソーセージや、牛腸を使ったボロニアソーセージはダメなのでしょうか?
中身はほぼ変わらないのに。
うどや瓜にはビタミンB群はほぼ含まれていません。
海ブドウについては俗称です。
正式には「くびれづた」という名称になりますし、海藻なのでヨウ素は摂れてもビタミンB群はほぼ存在しません。
 
で、後半には「ウイダー・・」とか、「うまい棒」と言ったものを引っ張ってきますが、めちゃくちゃだと感じます。
大量の糖質を摂取したところで、夏バテ改善どころか逆効果になります。
ウコンの力」の「ウコン」自体は悪くないですが、飲みやすくするために糖質をたっぷり入れています。
飲むならウコン自体を摂取するのが効果的です。
医薬品にも「恵命我神散」という苦味健胃薬があります。
それを摂取した方が、何倍も効果を得られます。
ウコンの力」は清涼飲料水扱いですから。
とても苦いですが、どうぞ。
 
で、最後の締めとして、うな次郎という「練り物」を紹介しています。
原料は「魚肉」と書いてます。
ビタミンB1しか表記は無いですが、1枚(55g)1.8mgです。
2枚入っているので110gあたりビタミンB1は3.6mg、糖質は14.6gです。
ウナギのかば焼きは100gあたり糖質3.1g、ビタミンB1 0.75㎎です。
この違いは、練り物のつなぎとなる澱粉等も含まれているからであったり、ビタミンB1を添加しているからだと思います。
ビタミンB1が多いからと言っても、糖質量自体も多ければ、効果は小さくなっていきます。
 
ここが重要なのですが、一日だけこれを食べたからと言って、夏バテをしないという事になるわけがありません。
夏バテを予防するのであれば、そうめん・うどん・焼きそば・チャーハンといった麺類・穀類だけで、簡単に大量につくれて終わらせる事が出来る食事を続けるのではなく、肉・動物性タンパク質を積極的に摂取する事です。
簡単に出来るからとそればかりに頼っていると、あっさりとグッタリしますよ?
ただでさえ暑いので、清涼飲料水飲んだりアイスを食べる機会も増えるでしょうから。
 
私は、糖質制限を心がけるようにしてからは、夏バテに苦しめられる事はないです。
糖質制限をしろとは言いませんが、糖質摂取量に焦点をあてて気をつけたら良いのではないかと考えます。
そうしたら、ウナギを食べなくても元気に過ごす事が出来ます。
 
以上です。
次は、ついでに食べ合わせの話をしたいと思います。
 

土用の丑の日にウナギを食べるという事ですが

皆さん、こんにちは。
少し話を変えて、土用の丑の日の話をしたいと思います。
老健施設等で働く方々は、高額なウナギを給食で使用しないといけないので、食材費で頭を悩ませる事もあったと思います。
 
さて、お金の話から始まってしまいましたが、皆さんは、7月27日が丑の日でしたがウナギを食べたでしょうか?
 
私は食べていません。
別に食べなくても良いとも考えています。
ただ、食文化の一つでもあるので、否定はしませんけどね。
 
私の考えだけで話をするのであれば、私は「かば焼き」が苦手です。
甘いタレが旨いというのも分かるのですが、それだったら、ウナギでなくてもいいわけです。
 
ウナギを食べてるのでしょうか?
かば焼きの甘いタレを食べているのでしょうか?
 
それがわからない食べ方をしている人が近くにいました。
タレをかけまくって食べて、ウナギが無くなったら、「もうタレだけでいい」と、白米にタレをたっぷりかけて、おかわりをしてモリモリ食べている姿を見ていました。
それって、ウナギを食べても、余計に「タレ+ご飯」という糖質を普段以上に食べていれば、大義名分である「夏バテ予防」の逆効果になってしまいますし、肥満にも繋がります。
 
私は天ぷらは好きですが、天丼は苦手です。
理由は「天丼にかけられるタレが甘すぎるから」です。
「タレは少なめに」というのが面倒でもあります。
 
九州に住んでもいますが、「あまくち」という醤油があります。
これは他の地域には見ないモノだと大人になってから知りましたが、そのような甘口の醤油は使っていません。
 
せっかく栄養価の高いものを補ったとしても、ご飯という糖質をより多く食べてしまったら、私のように普段運動をあまりしない人にとっては、コンディションが良くなる訳がないのです。
 
だったらと、ウナギの白焼きというのもありますが、未だ食べた事が無いです。
それを食べて美味しいと感じたら、今後も食べるでしょうし、感じなかったら食べないかもしれません。
嫌いでは無いのですが、好んで食べたいとは感じない食品です。
それだったら、サバやブリカマの塩焼きを食べたいなぁと思う訳です。
 
ここまでで私とウナギの距離感を知ってもらったのですが、話を進めたいと思います。
 
土用の丑の日にはウナギだ」と、諸説ありますが、このように文化として根付いてきてます。
ですが、それに手が届かない庶民もいる訳です。
で、昔の人は凄いですね。
「う」がつく食べ物なら、同じ効果が得られるという事で、うどんや梅干しを食べたりしていたそうです。
 

「土用」とは、「土旺用事」(どおうようじ=土が旺盛で支配する)から転じた言葉で、立春立夏立秋立冬の前の各18日間のこと。
古くから「土用」には、胃腸に良いものを食べるべきとされてきましたが、特に夏の土用の日は、「う」の付く食材を食べると夏バテしないと言われています。

 

という事で、「う」が付くものを食べようとするのですが、当然何でもいいわけではないとの事です。

『う』のつくものは、鰻以外でも良いですが、もちろん全てが同じ効能ではありません。
「栄養補給には、牛と鰻、暑気あたり予防には瓜、暑気あたりと解毒には梅。
食欲がないときにはうどんなどがお勧めです」

 

という事ですが、ネットではこんな感じで取り扱われていました。
という感じで、ここまでが前フリです。
 
本来の目的は「夏バテ予防」「暑い時期を乗り切るために栄養価の高いウナギを食べるという習慣」というはずなのですが、それにそぐわない食べ物もあるわけです。
 
目的がズレて、「「う」がつく食べ物を食べる」という部分が最優先になっては、本来の目的をはたすことなど、出来る訳がありません。
 
次回は、その辺に触れていきたいと思います。
今回は、ここまで。

リンゴ酢の摂取目安や方法論について

前回からの続きです。
 
さて、リンゴ酢の摂取目安ですが、スプーン1杯や2杯という感じで別れています。
そもそもですが、別にこれはリンゴ酢ではなくても大丈夫です。
この実験結果は、「酢酸摂取によるもの」です。
リンゴ酢でも黒酢でもありません。
 
で、ダイエットに良いという話なのですが、「ダイエット=体重減」という事ではないか?という憶測の元に話をしていきます。
ここの前提は大事です。
私は「ダイエット=健康になる事・コンディションを上げる事」としていますので、どうしてもズレが生じやすいのです。
体重だけが視点ではないのですが、一般論では体重視点となっていますので、これをベースに話をしていきます。
 
さて、摂取方法はそれぞれの主張でまちまちです。
1日に摂取目安は15mlであったり30mlとする所もあれば、毎食前に15ml(一日に45ml)というものもあります。
摂取方法も、そのままであったり、薄めて飲むとか、様々です。
食前に飲むというにもかかわらず、空腹時の摂取は基本的に控えましょうと、矛盾した内容を記載しもあります。
「食前は空腹時ちゃうんか??」
と、思うのですが、よく分からないです。
 
ジャガイモや米など、多くのでんぷん質を含む食べ物をたくさん食べているのなら、毎日食事の前にリンゴ酢を飲んでみるといいかもしれません。
ジョンストン博士は、大さじ1、2杯のリンゴ酢を240ccの水と混ぜて毎食前に飲むことをすすめています。
 
リンゴ酢を飲む際の注意点
空腹時の摂取は、基本的に控えることをおすすめします。
空腹時にリンゴ酢を飲むと、胃腸が荒れる可能性があります。
食前に飲むことにより、食欲増進の効果が期待できるのですが、胃腸が荒れてしまっては元も子もないでしょう。

 

また、リンゴ酢が苦手な方へのお勧めの方法として、「牛乳・はちみつと混ぜて飲む」という方法を提案していますが、はちみつほどではないですが、牛乳にも蜂蜜にも糖質は含まれています。
余計に摂取してしまうのであれば、体重増に繋がるのではないでしょうか?
ダイエット(やせる事)が目的のはずですが、いつの間にか飲みやすくする事が優先されていて、目的が変わっています。
酢を水で薄めて飲むというのが一番として紹介しているのだから、「我慢して飲め!」で良いのではないでしょうか?
何を妥協しているのでしょうか?
しかもその方法が、糖質摂取に頼っています。
ただでさえリンゴ酢は糖質・糖度が高いにもかかわらずです。
 
そろそろまとめます。
という事で、リンゴ酢ダイエットという感じでもてはやされているのかどうかは分かりませんが、酢(酢酸)を摂取すると、
・血圧
・食欲増進
・糖を細胞に送り込みやすくする
・pHバランス調整
・尿酸値低下
と、全くここまで書いてこなかった部分も列挙していますが、こういう所には良い傾向がみられるのではないかと考えます。
 
私が考える「ダイエット=健康増進・コンディション上昇」という視点では、かなりおススメのものではあると思いますが、体重減という考えにはなりにくいのではないかと感じます。
このダイエット方法を試した所で、
「カロリー制限を行ないながら、3カ月程度で1~2キロの減少という変化」
という結果になっています。
それで、痩せた!!と思うか、誤差だ!!と思うかは、皆さんにお任せしますが、私は
「そんな程度で優れたダイエット方法だと紹介するんですか?」
という程度です。
私だったら、2カ月で5~10キロ程度体重を減らす方法を知っているので、そちらをお勧めします。
 
蜂蜜・牛乳を足さないというのであれば、実践するのは構わないですし、悪い事ではないと思います。
この方法を反対する事は無いです。
ただ、リンゴ酢ダイエット(?)をしただけで「素晴らしい効果が得られる」とするのは、誇張し過ぎではないかと感じます。
 
という事で、以上にしたいと思います。
次回は別のダイエット方法について、話をしていきます。

リンゴ酢と血圧の関係について

前回は予定を変更して、少し引用の追記をしましたが、今回は予告通り「血圧」についての話をしていきます。
引用は、前々回のサイトよりです。
[データ:Bioscience,Biotechnology, and Biochemistry; 73(8), 1837-1843,2009]
さて、こちらの表を基に話をしていきます。
血圧なんですけど、その変化も記載されています。
SBP(mmHg) week 0   week 4   week 8   week 12  week +4
Placebo   127.5    127.5    127.3    127.6    127.9
Low-dose  126.6    125.6    124.7    124.8    126.1
High-dose 125.5    125.5    122.0    121.0    123.3
DBP(mmHg) week 0   week 4   week 8   week 12  week +4
Placebo    76.6    76.7     76.7     77.1     77.0
Low-dose   77.0    77.0     75.8     75.9     76.8
High-dose  76.9    75.2     74.9     74.7     75.5

 SBPが上と呼ばれる最高血圧、DBPが最低血圧の事です。

 
基本的にこの人たち(中央値?)ですが、日本では基準値内に収まっています。
で、僅かですが、上がったり下がったりしています
私の眼には、ほとんど誤差のように見えます。
 
ちなみに、大手メーカーは、血圧が低下したというデータを紹介しています。
このグラフでは血圧高めの人を対象にしていますが、10週の時点で血圧が下がっているというグラフを紹介していますが、なぜか10週目には上昇傾向にあります。
もう少し長く検証していたらどうなったんでしょうね?
で、なぜ血圧が下がるか?というのは、酢酸の働きであるとされています。

お酢には、血圧を下げる成分が多く含まれます。お酢の主成分「酢酸」には、血管を広げるアデノシンに働きかけ、血圧の上昇を抑える効果があるのです。

 

恐らくこの働きであるとは感じます。
 
ですが、中には「リンゴ酢にはカリウムが配合されているからだ~~~」とアピールをしている所もあります。
確かにカリウム摂取で体内の塩分を排出する働きで、塩分の影響による血圧上昇を防ごうという風潮になっていますが、そもそも、高血圧の原因って不明となっています。
にも関わらず、塩分を犯人として、そこばかりに着目してしまうのは、非常におかしいです。
その話は別の機会でしたので割愛します。
 
 
で、カリウムが~~という人もいると思いますが、それではリンゴ酢にどれくらいのカリウムが配合しているか?です。
 
 
9mgです。
 
 
スプーン一杯(15cc)あたり、9mgです。
 
これだけの量で、どれだけ血圧に影響するのでしょうか?
 
ほんの僅かでも入っていたら、「血圧に良い!!」という根拠にするのでしょうか?
意味が分かりません。
ちなみに、人参100gで、260mg含まれています。
どれだけ少ないかがわかるかと思います。
 
酢を取り入れる事で血圧が下がるというのはデータとして存在しているので、否定はしませんが、根拠のない部分を結びつけるのはいかがなものか?と思う訳です。
何のイメージ操作なのかな?と、思いました。
 
色々な情報を基にメリットを打ち出すのは悪いとは言いませんが、しっかりと数値データを用いて紹介するようにしてほしいと思います。
ないと、このような事が簡単に行われますので。
 
次回は摂取目安と方法論とまとめになると思います。
 

リンゴ酢ダイエットでの引用元の追加と内容の矛盾点

ちょっと引用が増えます
 
前回紹介した動画以外にも、リンゴ酢ダイエットで6つの効果が得られるとあったのを見つけたので、追加します。
 

血糖値・・・インスリン抵抗性を下げるから
ダイエット・・・空腹感を下げるから
コレステロール・・・LDL下げる HDL上げるから
皮膚炎の抑制・・・抗菌・抗真菌作用が酢酸にあるから
血圧・・・腸内環境を整え、ビタミン・ミネラルといった栄養の吸収をあげるから
逆流性食道炎にも効果的

というようにアピールしている動画がありました。

リンク先は紹介しません。

 

いくつも不思議な部分があります。
 
空腹感を下げるのでしょうか?
 

「食事の前の飲むと空腹感が減るから食べる量が減るので、ダイエットに」

 

と主張しています。
これはよく分からないです。
皆さんは、夏バテをしたことがあるでしょうか?
食欲がなくなって・・・という感じですが、その時におススメされるのが、麺類とか冷たい食事とか効果的とされているのですが、「適度な酸味は食欲を増進してくれる」というのがあります。

現代人は、ついつい無理をして疲れをため込みがちです。そんなときは栄養バランスのいい食事をしっかりとって、十分に休養するのがいちばんです。
でも、そうとわかっていても、肝心な食欲のほうがいまひとつ・・・こんな経験はありませんか?
そんなときは、お酢を使ったメニューをぜひお試しください。
お酢の適度な酸味がさっぱり感を与え、食欲増進のお手伝いをしてくれます。
また、酸味によって唾液の分泌も促されます。唾液量が増えることで、消化吸収もよくなるといううれしい効果も期待できます。

 

食欲を抑える効果もあると思いますが、

お酢を飲むことで食欲が減退するという研究結果があるが、 その効果を得るためには、空腹時には気分が悪くなりそうな量を飲まなければいけないので、実際にはありえない

 

という事です。
スプーン1~2杯程度を1日の内に摂取が目安なので、そんなに大量ではありません。
一度に50mlとか摂取したら、確かに気分悪くなりそうですね。
あとで紹介しますが、そんな飲み方を推奨していません。
 
また、皮膚炎に良いとアピールされますが、それは直接塗る必要があるそうです。
確かに酸には殺菌作用はあります。
直接というか、基本は薄めて使用します。
そのため、昔からも使われている歴史は知っていますが、使われて来たのは
 
「竹酢液・木酢液」です。
 
そもそも食用の酢を皮膚にかけるのは、いかがなものでしょうか?
糖度も高いため、放置し時間が経過したら、当然ベタベタします(洗い流すでしょうが・・・)。
それを強引に「リンゴ酢は良い」というメリットの中に含ませるのは、いかがなものでしょうか??

最後に逆流性食道炎は、胃酸が少なくて消化不良で起きるというような内容を話していました。
で、その酸を補うために、リンゴ酢を飲めばいいという事です。
 
意味が分かりません。
逆流性食道炎の原因は、糖質の過剰摂取です。
ですので、糖質制限をしたら、2日前後で劇的に改善します。
150~200mlの水に15mgのリンゴ酢を入れて、食前、一日3回、最低でも朝に飲むというのを進めていました。
 
「薄めたら、酸度が薄まるやん!!少ない酸を補う事は出来ないやん!!そもそも、酢に胃酸ほどの消化能力があるわけないじゃん!!」
 
と言いたい。
直接でもないのか?
ちなみに直接飲んだら胃を荒らしやすいから、薄めて飲む事は避ける方がいいそうです。

お酢をストレートで飲むことはNG。人間の食道は強い酸に耐えうるようにできていないので、微量のお酢を飲もうとしても簡単に気管に入ってしまうから。つまり肺に酸を取り込むことになり、肺が火傷するような深刻な痛みを招くという。

 


結論として、この動画を見て、
「何言ってんだ?こいつ??」
と、思いました。
 
血圧の話をするつもりが、全く別の話となってしまいました。
申し訳ありません。
次回に必ず。

リンゴ酢ダイエットという方法について

続きです。
前回はネットから引用していきました。
で、なぜ酢がダイエットにいいか?という部分での、根拠部分の一部です。
 

酢の主成分である酢酸(AcOH)は、最近、動物実験で体脂肪蓄積を抑制することがわかりました。
それ故、我々は二重盲検試験で肥満日本人の体脂肪量の減少に対する酢摂取の効果を調査した。
対象は、同様の体重、肥満度指数(BMI)、および胴囲の3つのグループにランダムに割り当てられた。
12週間の治療期間中、各群の被験者は、15mlの酢(750mgのAcOH)、30mlの酢(1,500mgのAcOH)、または0mlの酢(0mg)のいずれかを含む飲料を1日500ml摂取した。 AcOH、プラセボ)。
体重、BMI、内臓脂肪面積、胴囲、および血清トリグリセリドレベルは、プラセボ群よりも両方の酢摂取群で有意に低かった。
結論として、酢の毎日の摂取は肥満を減らすことによってメタボリックシンドロームの予防に役立つかもしれません。

 

[データ:Bioscience,Biotechnology, and Biochemistry; 73(8), 1837-1843,2009]

 

これらのデータは、
・酢を取っていないグループ      (Placebo
・酢をスプーン一杯とっているグループ (Low-dose)
・酢をスプーン二杯とっているグループ (High-dose)
45歳前後の男女各50名程度のグループで構成されています。
対象者は、BMI27前後の体格で、やや肥満という感じです。(ウエスト91㎝くらいです)
で、摂取カロリーが、この表ではキロジュール単位なので分かりずらいですが、換算すると1000キロジュールで239キロカロリーとなります。
面倒な方は「カロリーをだいたい4倍くらいしたのと同じ」とイメージしていただければ良いと思います。
で、スタートから1800キロカロリー程度の食事を平均して摂取しているという事です。
誤差はだいたい300キロカロリー前後です。
という感じの食事をして、結果的に良い感じになったという研究結果です。
 
私の着目点は糖質です。
血糖値の上昇を緩やかにする
急激な血糖値上昇が繰り返されると、糖尿病につながる恐れがあります。酢と併せて食事をとると、血糖値の上昇が緩やかになります。「メカニズムは解明されていないのですが、胃から腸への消化の流れがゆっくりになるためと考えられています」と岸さん。お寿司は、白米による血糖値上昇を緩やかにする日本人の知恵ともいえそうです。

 

前回も紹介しましたが、「酢を摂取すると血糖値の上昇が緩やかにしてくれる!」というような感じでアピールされています。
 
私はこの部分にとても疑問を抱いています。
血糖値が一気に上昇すれば、当然インスリンもその分放出されて、一気に下がって平常値に戻ります。
酢を摂取する事で、血糖値の「最大値」は確かに低下するようです。
ですが、高血糖の持続時間は長くなります。
その分だけ、インスリンを余分に放出し続ける訳になります。
急激に上昇する事を血糖値スパイクと呼び、良くない事だと私も同意です。
その急上昇を抑えると言っても、1割程度です。
しないよりはマシだと思いますが、だったら糖質摂らない方がいいよねという考えです。
で、食べたくなるんだったらたまに食べればいいと思います。
1日に何回も急上昇させるくらいなら、週に2~3回急上昇させる方が、確実に負担は小さくなります。
 
インスリンの量も確認しましたが、酢を摂取してもしなくても、表の結果ではほぼ変わらないです。
 
で、表には「HbA1c 」の項目もありました。
これは、糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したものです。
もともとは結びつきにくいのですが、血糖値が高い程くっついてしまうので、それを見る事で糖尿病かどうか?どのような状態なのかを確認するための目安になっています。
 
これが過去1~2カ月前の血糖値を反映します。
表の部分を引用します。(±〇〇の部分は省略します)
 
HbA1c (%) week 0   week 4   week 8   week 12  week +4
Placebo      5:34       5:32       5:28       5:28         5:27 
Low-dose   5:35       5:39       5:36       5:32         5:28 
High-dose  5:29       5:34       5:22        5:23         5:23 

week 0   開始前
week 4  1カ月後
week 8  2カ月後
week 12  3カ月後
week +4 その1カ月後(普段の生活にして1カ月後)
という感じです。
1カ月のズレがあるので、week 4がスタートとして考えます。
 
そうみると、どのグループでも僅かずつですが下がっています。
となると、酢酸と血糖の部分は関係ないのではないか?と感じます。
でも、「血糖値急上昇を防ぐんじゃあぁぁぁぁ」とか、「上昇を緩やかにするんじゃあぁぁぁ」という話をしても、私には響きません。
 
「結局、血糖値は上がるじゃん」
 
という事です。
この検証の結果から、なぜ「血糖値が~~」と言いだす事が出来るのか?
私は不思議でなりません。
 
続きます。
次は血圧についてです。